「ウソ弁」橋下徹の府知事選出馬の憂鬱
「ウソつきは政治家の始まり」という格言からすれば、出馬は2万%ないと断言して大阪府知事選に立候補した橋下徹弁護士は、その点だけは立派な素質を持っている。
ほんの数ヶ月前に行われた選挙での重大公約を、「なんと言ったのかよく覚えていない」「選挙があるから縮めて言っただけ」と居直る政府首脳よりは、それでもマシかも知れないが。
私は大阪府民ではないので、誰が当選しようと関係は無いのだが、橋下氏のようなタレント候補が立候補すると、毎度ユウウツな気分になる。
それは彼らがTVのワイドショー番組を渡り歩き、立候補に至った経緯や政治信条を語り、多くの共演者がそれにヨイショする姿に嫌悪感があるからだ。
公示前とはいえ公に立候補を表明した人物をTVに出演させ、その抱負などを一方的に語らせることは、放送の公共性と選挙の公正性を侵害していると思う。
もちろん選挙にあたり立候補者をTVに出演させることは遺法ではないが、それなら立候補者を公平に出演させ、相互に討論させるべきではなかろうか。
TVに出ることが即当選に有利に働くとは限らないという反論もあるだろうが、選挙で最も大事なのは知名度だ。知らない人より名前を知ってる人を選ぶのが人情だ。
タレント候補が選挙に有利なのは、その一点にある。
立候補を表明した人物を、単独でTVに出演させるべきではないとうのが、私の主張だ。
日本の選挙法は「べからず」集と言われるほど規制が多いのに、TVでの事前運動が野放しになっているのは解せない。
今回の大阪府知事選の候補者を見ても、今のところタレント候補は橋下氏だけであり、メディアへの露出度は橋下氏の一人勝ちになってしまう。
かつて橋下弁護士は某TV番組で、「日本人による買春は中国へのODAみたいなもの」と発言し批判を受けた。海外での買春がODAなら、国内での買春は弱者救済であり、さしずめ援助交際などは学費援助になるだろう。屁理屈など、どうにでもつけられるものだ。
また別の番組では、ニート対策については「拘留の上、労役を課す」と述べ、その理由として「国家予算から単純計算すると、日本に生きるだけで一人あたま47万円の金がかかる。 税金を払わない奴は生きる資格がない」と語ったそうだ。
「税金を払わない奴は生きる資格がない」という信条を持っている人物が地方自治体の長になるとしたら、これは恐ろしいことだ。
こうした一連の発言に、果たして弁護士としての品格があるのだろうか。
他の弁護士への懲戒請求を呼びかけるのであれば、先ず自らの品格を問わねばなるまい。
大阪府民の賢明な選択を願うのみだ。
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