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2007/12/17

銃所持許可は「性悪説」を前提に

Guns 私の父親は料理人でしたが、子どものころよくこう言われていました。
「普通の人が包丁を持ち歩いていたら警察に捕まるが、俺たち料理人は違う、それは俺たちは商売道具の包丁で人を傷つけるのは最も恥ずべきことだから、絶対に悪用しないことが分かっているからだ」。つまり当時は料理人が包丁を持ち歩くことの前提に「性善説」があったわけです。
現在、猟銃の所持に関しても「性善説」が前提にあり、今回の銃撃事件をきかっけにその前提を見直す必要があると考えます。

12月14日長崎県佐世保市のスポーツクラブ「ルネサンス佐世保」で起きた銃乱射事件で、死者2人、負傷者6人という犠牲を出し、日本社会に大きな衝撃を与えています。馬込政義容疑者(37)=自殺=が犯行に使った銃は警察から所持正式な許可を得たもので、改めて銃の所持について議論が起きています。
むろん、現在30万丁を越える猟銃の所有者の中のごく一部の人間の犯罪ですが、たまたまこの12月に猟銃による事件と事故が3件立て続けに起きており、ある程度の規制強化は避けられないと思われます。

一般の人が猟銃を所持しようとする場合、その用途。目的は次の場合に限られます。
.狩猟 
.有害鳥獣駆除
.標的射撃
次に、下記の事項にあてはまる場合(欠格事項)は許可を受けることができません。
(1)  一定の年齢に達していない者(猟銃は20歳、空気銃は18歳)
(2)  精神病者、アルコール、麻薬、大麻、阿片もしくは覚せい剤の中毒者又は心神耗弱
(3)  住居の定まらない者
(4)  公共の安全を害するおそれがあると認められる者等

では具体的に猟銃所持の許可を得るための手続き例は、下記の通りです。

申請・受講および提出先

1.猟銃等講習会の受講申請

警察署(講習会の場所・日時を確認)
申請書のほかに住民票・写真・印鑑など必要。

2.猟銃等講習会の受講

場所・日時を指定された講習会場で受講後、試験。
試験は当日の講習内容をしっかり聞いておればほとんど合格。
合格後、講習修了証明書が交付される。

3.譲渡承諾書をもらう  下記

銃砲店から。(個人譲渡の場合は個人から)

4.銃砲所持許可申請

警察署へ下記の書類をそろえて申請する。
所持許可申請書
講習終了証明書
譲渡承諾書
医師の診断書
戸籍謄本および住民票の写し
経歴書
同居親族書
写真

         
調 査

近くの交番の警察官が自宅での保管予定状況の調査と面談に来る。

5.銃砲所持許可証の交付

警察書から連絡があり、許可証を受け取る

6.猟銃を受け取る

許可証を銃砲店に提示して銃を受け取る。
ガンロッカーと移動時の銃ケースも同時に必要。
弾と標的を購入

7.猟銃を提示して確認を受ける

警察署に銃を持参して、許可証通りの銃であるか確認を受ける。

8.各県のライフル射撃協会に入会(任意)

各県のライフル射撃協会事務局
入会の審査がある場合もあり。

手続きは面倒ですが、条件さえクリアーできれば最低1ヶ月程度で許可が下りるとのことです。

次に問題なのは更新手続きですが、所持許可の有効期間は、所持許可を受けた日から3回目の誕生日が経過するまでの間です。引き続き猟銃・空気銃を所持しようとする方は、所持許可の更新をしなければなりません。

上記のように現在の銃保持の許可は、本人がアルコールや薬物中毒であるとか、指定暴力団組員であるとか、精神病患者であるとか、そうした特別の条件さえなければ、誰でもが許可を受けることができます。
更に一度許可を得てしまえば、3年に一度の形式的な審査で更新されますから、ほぼ半永久的と考えられます。
要は猟銃を持つ人は狩猟かスポーツかを行う人に限られ、そういう人々は猟銃を使って他人を殺傷することなど有り得ないという「性善説」に立っています。

一方、今回の事件で銃の所持を全面禁止にするとの議論には賛成しかねます。
私が考えている規制案は、次の通りです。
①医師の診断書は、精神科の専門医によるものとする。
②許可条件の中に、一定の射撃の技能試験を含める。つまり所有者が狩猟またはスポーツ競技に実際に使用することを確認する。
③銃の所持は認めるが、銃弾の自宅などへの所持は禁止する。銃弾は狩猟場あるいは競技場が定める施設に保管し、必要な時に必要な数量を払い出す。管理は射撃協会や猟友会が行う。
④更新の際や住民からの不審通報がなされた場合は、警察は本人調査を行う。

現在の猟銃の所有者は不便を感じるかも知れませんが、猟銃による事件を防ぎ日本が銃社会になるのを防止するためには、ある程度止むを得ない措置ではなかろうかと思います。
同時に警察が、暴力団などが保有する銃の摘発を本気で取り組まねばならないのは、当然のことです

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コメント

home-9さん
 ご無沙汰です。
 記事の内容と直接関係ないコメントお許し願います。
 この記事の出だし、料理人だったお父さんの「言」から始まっておりますが、私が本日UPした記事も料理人だった祖父の「言」を導入部としました。
 home-9さんのところもカフェをやっていたそうですが、祖父もカフェをやっておりました。
 似たような環境ですね。

投稿: 柴田晴廣 | 2007/12/19 09:02

柴田晴廣様
コメント有難うございます。
そうですか、柴田さんの御祖父様も料理人でしたか。
オヤジは漁師から西洋料理のコックとなり、戦前独立してカフェを開き、一時は随分と羽振りが良かったそうですが、戦争で全てを失ってしまいました。
私が小さな頃から、「何やっても良いから、水商売だけはやるな」と言い聞かされ、それだけは守ったことが唯一の親孝行だと言えます。

投稿: home-9 | 2007/12/19 15:25

 私の家は、曽祖父の代までは香具師の元締をやっており、祖父はそれを継いだものの香具師と博徒が一緒くたになり暴力団化するのを嫌い、祖父の伯父が浅草でやっていた洋食屋に行き、徴兵検査で帰ってきたときにちょうど関東大震災があり、浅草の洋食屋もすぐには復興できず、そのままこちらでカフェをはじめました。
 戦争中は、豊川海軍工廠ができ、そこの工員食堂の責任者をしておりましたが、豊川海軍工廠の爆撃の折は、これまた食料の買い付けに信州方面に出張していたという強運の人物でした。
 私も父が今の仕事を始めるまで(私が二十歳のときです)は、飲食店をやるつもりでした。
 私が東京の大学に行き、祖父が上京した折に連れて行ってもらった浅草の神谷バー、あんな店をやれたらいいなぁと思っておりました。
 また親記事に関係ないコメントになってしまいすみませんでした。

投稿: 柴田晴廣 | 2007/12/19 16:02

柴田晴廣様
再度のコメント有難うございます。
コメントを拝見すると、柴田さんのお祖父様と私の父とは同世代のようで、戦時中は徴用で中島飛行機の従業員食堂の調理をしていました。
息子たちとはあまり口をきかず、息子たちの学校には遂に一度も来なかったという、昔気質の職人でした。
震災に戦災、戦後の混乱期と、あの時代を生きてきたというのは、大変な苦労があったのでしょう。

投稿: home-9 | 2007/12/20 09:39

home-9さん
 親記事と外れて申し訳ないです。
 確かに似たような経歴ですね。
 祖父は妹と同じ干支ですから1903年の生まれになります。
 ただ元々香具師の家系ということで、興行の影響からかいろいろな話を絶妙な語り口で聞かせてくれました。
 また祖父の長兄(全国的かどうかわかりませんが、当地方では香具師は末子相続だったようです。祖父は末子です)は祖父が香具師から足を洗った後も棋士(棋院の段はもっていたものの、もっぱら路上での掛碁)として生計を立てていましたし、直ぐ上の兄は道楽で浪花節を唸っておりました(祖父の同じ年の従兄弟がプロの浪曲師だった)。
 上述の語り口もそのあたりからだと思います。
 兄弟従兄弟一同、祖父が飲食関係の仕事を始めてからは皆飲食店をやるようになりましたが、そこは昔取った杵柄、親族(祖父の従兄弟には、ほかにも市の奇術協会の会長をやっていた者もいる)が集まるとさながら大芸能大会のようなありさまでした。

投稿: 柴田晴廣 | 2007/12/20 10:29

柴田晴廣様
成る程、柴田さんの中には、大衆芸能の血が流れているんですね。著作の中にもそれが垣間見えます。
私の祖父は私の誕生前に亡くなっているので、全く面識がありません。父方母方の祖父双方ともに博打好きで有名だったようで、その事では母は随分と苦労したそうです。
幸か不幸か、私にはそうしたDNAは皆無で、ギャンブルには全く関心がありません。むしろ祖父たちが反面教師になっているのかも知れません。

投稿: home-9 | 2007/12/21 17:03

Home-9さん
 脱線させてすみません。
 脱線ついでにもう少し。
 拙著をそのように読んでいただけて光栄です。
 私が歴史、特に古代史を調べだしたのは、祖父の絶妙の語り口で子供のころに聞いた香具師の伝承がきっかけです。その伝承のおかげ?で高校までは歴史の授業はからっきし興味がありませんでしたが、大学の一般教養で民俗学などを聴講したことで開眼しました。
 拙著も実は、その香具師の伝承を下敷きにそれを考証するため記紀の解釈をしはじめ、まとめたものが、そもそものプロトタイプでした。

 私もギャンブルは大学卒業後はまったくやりませんが勝率はかなりよかったですよ。
 博打好きといえば、母の祖父が下手の横好きだったようです。東海任侠伝でも登場する雲風の弟がはじめた平井一家の賭場が母の実家の近くにあり足繁く通っていたようです。
 先週で大河終わってしまいましたが、その連れ合い、つまり母の祖母は、山本勘助の末裔だと良く口にしていたようです。曰く「勘助の子孫だから色が白いし、腰がタガマン(曲がらない)」と
 ただどうも話の内容から同じ三河の山本でも石松(石松も山本姓で東三河の庄屋の倅。火事で焼け出され、遠州森に移住。浪花節でのそれとは異なり、色白で背も高く色男、ただし、火事のトラウマで吃音はあったようです)と縁者だったようです。
 でも連れ合いが、大の博打好きじゃぁ石松の縁者なんて口にしたら子供の教育上よろしくないですからね。
 私の場合、母の祖母のDNAも入っているのかも?「馬鹿は死ななきゃ治らない」といわれないうちこのあたりで・・・

投稿: 柴田晴廣 | 2007/12/21 19:57

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