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2007/12/10

「御手洗」さんでも水に流せない

Mitarai_fujio企業不祥事が相次いだ2007年だが、年末もおし迫ってから、大型工事にからみ鹿島やキャノンといったビッグネームが紙面を賑わす疑惑が明らかになった。
この件では毎日新聞が詳しく報じているので、以下その記事を参考にした。

キャノンは2003年以後、大分市東部の丘陵地帯にデジタルカメラ生産子会社「大分キヤノン」と、プリンター関連生産子会社「大分キヤノンマテリアル」の2工場を建設するなどの大規模プロジェクトを進めていて、その総額は1000億円にのぼる。
大分県が誘致に成功したのは、広瀬勝貞大分県知事が経済産業省事務次官時代から付き合いのあった大分県出身の御手洗冨士夫会長らに働き掛けたためとされている。

このプロジェクトにはもう一人重要な人物が登場している。大分市のコンサルタント会社「大光」大賀規久社長である。
大賀社長は以前から大型工事の仕切り役として知られていて、建設業者は工事を受注するために「大賀参り」を行っていた。
大賀社長は、キャノンの用地造成と2工場建設をスーパーゼネコン鹿島が受注できるよう営業し、受注が成功すれば受注額の約3%を「仲介手数料」として鹿島から受け取る契約を結んだ。この工場建設では当初これまたスーパーゼネコンである大林組が有力視されていたが、これを引っくり返したのだから、いかに大賀社長の力が大きかったか想像がつく。

大賀社長は又、実兄が御手洗会長と高校の同級生で自らも同窓であることなどから、御手洗会長とは親しい関係にあった。そのせいか、大賀社長の警備会社が両工場の警備を請け負っているほか、関連会社も含めてキヤノン関連の仕事を受注している。鹿島が絡む工事では、下請け業者を決めるなど強い影響力を示していたようである。

ともかく鹿島は受注に成功し、約束通り総額の3%にあたる30億円(ワオ!)を大賀社長の「大光」社に支払った。処が大光社はその収入を申告しなかったため、法人税法違反(脱税)などの疑いで東京国税局査察部の強制調査(査察)を受けたというのが、今回の疑惑である。
おまけに支払った鹿島も裏金を作っていたことが発覚し、重加算税を含め3億円が追徴課税されたと報じられている。
金額については報道各社により違いはあるが、数十億円単位の裏金作りが行われていたのは間違いなさそうだ。

コンサルタント会社が契約に基き口銭を得るのは当然のことであり、払う側も受け取る側も何も隠し立てする必要がない。
ではなぜ支払い側の鹿島も、受け取り側の大光も共に裏金を作ったり、税申告をしなかったりと、不自然な動きをしたのだろうか。
ここから先は、かつて建築関係の末端にいた事がある私の推測だが、恐らく30億円がまるまる大光に入ったわけではないのだろう。
大光を通じて、政治家や有力者などに一部が渡されていたのではなかろうか。
絶対に表に出せない金があった、だから裏金で処理するしかなかった。建設業界ではザラにある話で、そう珍しいことではない。
真相はその辺りではなかろうか。

この「大光」大賀社長を取り巻く人脈だが、同窓の御手洗冨士夫会長をはじめ、元警察官僚、元国税庁幹部、議員秘書らにも広がっているとされている。
建設のコンサルなどという仕事は人脈だけがメシの種だから当然だし、その綺羅星のごとき人脈こそが大光の強みだったのだろう。
1000億円という大型工事になれば、それだけお世話になる人も沢山おり、それなりの謝礼も必要になってくる。

財界の総本山である日経連会長の出身企業であるキャノンと建設業界の雄である鹿島、日本を代表する大企業の名前が登場した今回の疑惑、今後どこまで拡がっていくのか注目される。
いくら名前が御手洗さんでも、簡単に水に流すわけにも行くまい。

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