セコイ!「古紙持ち去り裁判」
近所のごみ集積所で空き缶を回収していた男性と、町内会の役員らしき人が怒鳴りあいのケンカをしていた。区が資源ごみとして回収しているから、持ち去ってはいけないと文句を言ったのだ。
イイじゃないのか、それ位。
空き缶を回収している人はそれが生活の糧となっているのだし、最終的には資源として再利用されるのだから、これしきのことでそんなに目くじらを立てることも無いだろうに。
ナンだかセコイとなあと思っていたら、もっとセコイ話があった。
東京都世田谷区で、ごみ集積所から無断で古紙を持ち去ったとして、区の清掃・リサイクル条例違反罪に問われて、現在裁判が行われている。
12人が同条例違反で起訴され、1審の東京簡裁判決は5人を有罪としたが、7人については「条例はごみ持ち去りを禁じる『所定の場所』が明確でなく、刑罰を科すのは違憲」などとして無罪とした。
東京高裁は1月10日、1審で無罪だった古紙回収業者の男の控訴審判決で、無罪判決を破棄し求刑通り罰金20万円を言い渡した。
判決理由で須田裁判長は、「勝手な古紙持ち去りを放置すれば、高価に売却できる資源が虫食い的に持ち去られ、区の資源回収コストを引き上げる結果となる」としている。
そりゃまあ、法を厳密に解釈すれば違法なんでしょうよ。
だけど、ゴミとして出してある古紙を持って行かれてたとして、どれ程の損害があるというのだろう。古紙回収を生業としていた人にとっては、それこそ民業への圧迫ではないのだろうか。
私が住んでいる集合住宅では、以前から住民がゴミ集積所に古紙を出しておくと業者が回収して、買い取り金額に相当するお金を管理組合のポストに投入していてくれた。それを年間貯めて、僅かだが共益費への補助としていた。
それが、区が回収するようになってからは、管理組合に一銭も入ってこなくなった。これだって見方によれば、私たちの資産の横盗りではないだろうか。
まあ盗ったの盗られたのと、お互いにそんな細かいことは言いっこ無しにしようよ。要は資源が回収され、再利用されればそれで良いのだから。
私たちも区を訴えたりしないから、自治体もそんな古紙くらいのことで、裁判なんかやるのはミットモナイカラ オヨシナサイ。
古紙だけに、水に流そう。
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2009.3.17のテレビ朝日の番組で古紙回収のこと取り上げられてました。
僕も何で許可業者以外が持ち去るのがいけないのか疑問に思いました。
投稿: 植田貴文 | 2009/03/17 16:37
植田貴文さま
コメント有難うございます。
古紙を資源ゴミとして分別して出すのは、リサイクル資源として有効に活用するのが目的です。回収業者が持って行った古紙も全てリサイクルされるのですから、結果は同じです。
空き缶回収でも同じことが起きていますが、それで生計を維持している人々がいるわけで、自治体側はもっと大らかな対応ができないものでしょうか。
高裁の判決も、裁判官は世間知らずだなという印象しかありません。
投稿: home-9(ほめく) | 2009/03/18 10:19