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2008/01/03

諸悪ノ根源ハ「小沢一郎」ニアリ

Ozawa1990年代に権力の中枢にいた小沢一郎が、自民党を出て新生党を結成した真の狙いは、今日に至るまで明白になっていない。
一つだけはっきりしているには、当時「政治改革」を標榜していたことだけである。
小沢が目指した「政治改革」とは、
①衆院選挙における小選挙区制の導入により、政権交代が可能な二大政党制を目指す
②政治腐敗の温床となっている企業・団体からの献金を廃止し、政党活動費用を税金でまかなう「政党交付金(政党助成金)」制度を作る
の2点に集約される。

小沢一郎は細川、羽田両内閣で主導権を握り、1993年に衆院に小選挙区(比例代表並立)制の導入、1994年には政党助成法を成立させる。
ここに小沢の念願であった「政治改革」が実施されたわけである。
しかしこうした制度改正により、本当に日本の政治は良くなったのだろうか。

議会制民主主義の基本は代議員制であり、国民の意思ができるだけ議会に公正に反映される事が望ましい。処が定数1名の小選挙区が大勢を占める現在の衆院選では、多数となった一つの政党の主張のみが議会に反映され、他の少数意見は切り捨てられることになる。
現にこの選挙制度が繰り返される中で、衆院の構成は自民党と民主党に集約され、その他の少数政党の大半は衰退又は消滅の道を歩んでいる。

もう一つの政党助成金制度であるが、政党の活動費に税金を投入するという世界でも例が無いと思われる悪法である。
政党の活動資金は、党員や支持者からの個人献金と、政党自身が行う事業によりまかなうべきであり、国家権力から自由であるべき政党が、政府から資金を貰うなどという事は自殺行為に等しい。
それでも当初の約束通り企業献金が廃止され、政治の腐敗が無くなれば未だ評価はできる。しかし現実は全く異なり、相変わらず企業や団体からの献金は続けられ、政治の腐敗は一向に改まらない。

この制度が発足した1995年度から2008年度までに各政党(日本共産党は受け取りを拒否しているため交付されていない)に交付された総額は実に3756億円に達している。ドブに捨てたも同然である。
この内、離合集散により消え去った政党に対して交付された金額は578億円であり、これらの金の行方にさまざまな黒いウワサが飛び交っているのはご存知の通り。
政党助成金制度は政治を浄化するどころか、ますます腐敗に拍車をかけている。百害あって一利なし、直ちに廃止すべきである。

小沢一郎が目指した「政治改革」は結局のところ、どちらがどちらだか分らないような「二大国営政党」を誕生させる一方、政治の腐敗は継続するという結果を導いた。
余談だが、小泉元総理は「民でできることは民で」というスローガンの下で「改革」を標榜したが、5年間の任期中に政党の民営化を口に出すことは一度も無かった。国会議員の既得権には、一切手を付けようとしなかった。その気にさえなれば、明日からでも実行できる政策であったにも拘らずである。
この1点をもってしても、小泉「改革」がニセモノであったと断言できる。

それでは政権交代可能な二大政党ができて、小沢一郎は何をしようとしているのか。
一つは社民党の傘下の労組に対して、社民党が民主党に合流するよう働きかける要請を行っている。
既に国民新党とは共同会派を作ることが合意されており、共産党を除く少数野党は民主党に一本化されようとしている。
その先にあるのが「大連立」構想だ。

自民党と、一本化された民主党とが「大連立」を組めば、公明党と合わせて議会の95%以上が与党ということになる。もし共産党が議席を失えば、100%与党も可能になる。
憲政史上例の無い「二党独裁政治」が誕生することになる。
今後の選挙で自民党が勝とうと民主党が勝とうと、オール与党であれば政権交代は起こらず、政局は安定する。財界が歓迎するのも当然である。
同時に、オール与党の「大連立政権」が誕生したならば、日本の政治はどのようになって行くのだろうか。
①全ての政策は与党内の協議で決まってしまうため、議会が形骸化する
②オール与党になればチェック機能が失われ、不正がますます横行する
③選挙での選択肢が狭められ、投票率の低下と国民の政治離れに拍車がかかる

小沢一郎が標榜した「政治改革」、即ち二大政党制と政治腐敗防止の行き着く先は、二大国営政党によるオール与党体制、早く言えば「オール自民党化」である。
1990年代になぜ小沢一郎が自民党を離れ、対抗する政党を創っては壊してきたか、その狙いがようやく見えてきつつある。
一人の男の野望のために、国会を死なせてはいけない。
日本の議会制民主主義にとって「失われた10年」にならぬよう、私たち国民は賢明な選択をする必要があるだろう。

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コメント

小沢一郎が「政治家の本分は何ですか」と聞かれた時に胸を張って答えた回答が「選挙に勝つ事」
そして、これを実践するかのように国会の開催中に本会議を欠席して選挙の応援の為に地方へ出張。

政治って何?
選挙に勝つ事?
だとしたら政治家は選挙のない時には何をしている?
次の選挙の準備?

HOME9さん、今年も楽しみにしています。

はじめまして、こんにちは。突然のコメントで失礼します。

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お邪魔いたしました。

タケチャンマン様
コメント有難うございます。
こちらこそ、今年も宜しくお願いします。
剛腕、選挙に強いという小沢一郎ですが、政治家である以上選挙を重視するのは当然としても、当選したら、議員が増えたら一体この日本をどうしようとしているのか、その目指すものが見えない。
政治改革も二大政党制も失敗が明らかになった今、その答を出すべきでしょう。

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