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2008/01/26

【ツアーな人々】ここにもアメリカの横暴

Entry先日ある旅行社の女性添乗員から聞いた話です。
彼女は主に中東方面を担当していますが、たまたま南米のツアーに添乗することになり、途中アメリカ国内の都市で乗り継ぎになりました。
アメリカ国内で航空機を乗り継ぐ場合、一度アメリカへの入国手続きをしなくてはなりません。入国といってもトランジット専用ですから、手続きが終わればそのまま空港内の待合室を通って、次の飛行機に搭乗するだけです。
この添乗員がパスポートを提示すると、直ちに別室に移され、係官から「入国は認められないから、日本へ帰れ。」と命じられました。理由は中東諸国への渡航が多いというだけのことです。
彼女は中東への渡航は添乗員としての仕事のためであり、私的な旅行ではないことを説明しましたが、取り合ってくれない。
ツアーのお客は既に全員手続きを終えて乗り継ぎの航空機に搭乗していて、ここで添乗員が日本へ引き返すわけにはいきません。必死に係官を説得したところ、「今回だけは許すが、次回からは絶対に入国させないからな。」と脅され、ようやく乗り継ぎができたということです。
この添乗員は今後、米国行きあるいは米国で乗り継ぐツアーには一切添乗できなくなったので、とても困っていました。

これとは別に、JTBの女性添乗員から聞いたところによりますと、彼女が担当したツアーで過去に2名の客が米国への入国を拒否され、日本へ帰されてそうです。
一人はやはり中東への渡航が多いという理由で、もう一人は全く心当たりがなく、強いていえば若いときに反米デモ(日本国内)で一度逮捕されていることしか思いつかないと言っていたそうです。これが事実なら、日本政府が国内の逮捕歴データを、米国に渡しているという事になります。

一体なぜこのような横暴が許されるのでしょうか。
友好国である日本人旅行者や添乗員が、米国を訪問したり、乗り継ぎだけでアメリカを通過するのに、中東への渡航が多いという理由だけで入国拒否されるのは、極めて不当です。
アメリカ人が日本へ入国する際に、特定の国の渡航歴だけで入国を拒否されることは有り得ないでしょう。
パスポートの第一頁には、次のことが書かれています。
「日本国民である本旅券の所持人を通路故障なく旅行させ、かつ、同人に必要な保護扶助を与えられるよう、関係の諸官に要請する。日本国外務大臣」
アメリカの入国審査係官は、こうした日本政府の要請を拒絶したことになります。

百歩譲って、アメリカ政府が中東への渡航歴のある人間は入国させないという方針であるならば、そのことを関係国に通知すべきです。
そうすれば少なくとも、入国審査で追い返されるというような事態は避けられます。

日本の旅行者の多くは、相手国を分け隔てすることなく、友好的な立場で海外に出かけています。訪問したからといって、相手国の政府の方針を支持するわけではありません。
私は現在の米国政府の方針には批判的ですが、アメリカは好きな国です。
我が国の外務省も、日本人がアメリカ入国に際し不当な扱いを受けぬよう、米国政府に申し入れる必要があるでしょう。

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