池袋演芸場2月上席・昼
2月7日は池袋演芸場昼の部へ。平日の昼だというのに満席。若手~中堅の実力者が顔をそろへ、柳家喬太郎がトリをとるとあって、連日満員が続いているとか。早めに並んだ甲斐あって、最前列中央付近に座る。
当方のように隠居の身であればともかく、若い人や、なかには背広でネクタイかばん持ちという人までいて、他人事ながら仕事の方は大丈夫なのかしらんと心配になる。
・前座は古今亭志ん坊「子ほめ」
声に張りがあり、言葉もハッキリしていていい。面構えも落語家らしい。
・柳家さん弥「馬の田楽」
真剣に取り組んでいる姿勢は評価できるが、若さと面白味に欠ける。何かが足りないのだ。
・アサダ二世「奇術」
息抜きの芸。こういう芸人が寄席には必要。
・柳家喬之助「引越しの夢」
良くなってきた。“ネズミいらず”をかつぐ辛さがこちらにも伝わってきて、肩が凝った。熱演。
・柳家三三「長屋の花見」
実に上手い! 独特の“間”が活きて、当時の花見風景が眼に見えるようだ。もしかしてこのネタをやらせたら、三三が現役トップかも知れない。
・大瀬ゆめじ・うたじ「漫才」
今日は“割り箸”の巻。
・五明楼玉の輔「漫談」
この人一体、いつ化けるのだろうか。
・入船亭扇辰「夢の酒」
楷書の芸。女たちにもっと色気が出てくれば言う事ナシなのだが。
・ぺぺ桜井「ギター漫談」
ここでトイレに立つ客が目立つ。安心して観ていられる貴重な芸人。
・柳亭市馬「粗忽の使者」
師匠・五代目小さん譲りの演出で、手堅くまとめる。市馬の高座は、どんなネタを掛けても品がある。
―お仲入り―
・柳亭左龍「野晒し」
パッと派手な所は無いが、着実に自分の位置を固めている。この人の「野晒し」は初見だったが、面白かった。“鐘がボンとなりゃさ・・・”の唄は、もっと稽古が必要。
・古今亭菊之丞「元犬」
抜群の安定感。たまには意外性も期待したいというのは贅沢か。
・柳貴家小雪「太神楽」
座布団に座ったままの太神楽は、結構難しいと思う。“五階茶碗”をやりながら横笛を吹くという演出も、この人独特。
・柳家喬太郎「路地裏の伝説」
マクラで、同世代の落語家「三遊亭歌雀」が亡くなったとの報告。両足義足で高座に出ていた貴重な噺家だった。会場が少しシンミリ。息子の話の時は、父親としての“素”が出ていた。
今日は新作で、私としては“外れ”の喬太郎。
どの芸人だかが「平日でも満員、やれば出来るじゃないか。」と言っていたが、その通り。今日の顔付けなら毎日満員になる。
熱演が続き、充実した昼席となった。
« 【寄席な人々】寄席と独演会 | トップページ | どうでもイイじゃん、「ヒラリーvs.オバマ」「聖子vs.ゆかり」 »
「寄席・落語」カテゴリの記事
- 「落語みすゞ亭」の開催(2024.08.23)
- 柳亭こみち「女性落語家増加作戦」(2024.08.18)
- 『百年目』の補足、番頭の金遣いについて(2024.08.05)
- 落語『百年目』、残された疑問(2024.08.04)
- 柳家さん喬が落語協会会長に(2024.08.02)
« 【寄席な人々】寄席と独演会 | トップページ | どうでもイイじゃん、「ヒラリーvs.オバマ」「聖子vs.ゆかり」 »
コメント