鈴本演芸場2月中席・昼
久々にウイークデイの昼間に時間がとれたので、2月18日は鈴本演芸場中席の昼の部へ。開演時には3割程度の入りが、仲入りには8割近くになっていた。最近の寄席は人が集まるなと、改めて実感。
・古今亭駒次「子ほめ」
前座が「道具屋」でこっちが前座噺かいと思ったら、昨年二ツ目になったばかりのようだ。それなら仕方ない。
・翁家和楽社中「太神楽曲芸」
間に人を立たしてのナイフ投げ、いつ見ても迫力がある。和楽はいつまでも若いね。
・三遊亭多歌介「桃太郎」
なかなか面白く聞かせたが、真打になって10年でこの位置。将来は厳しいだろうなと、サラリーマンの身に置き換えて余計な心配をしてしまう。
・古今亭志ん輔「替り目」
近頃珍しくなった噺家らしい噺家。酒の飲みっぷりが良いせいか、この人は酒飲みのネタが多い。観ているとこちらの喉も鳴ってくる。
・あしたひろし・順子「漫才」
早く人間国宝に指定してあげて下さい。
・三遊亭圓歌「漫談」
ご本人が滅多に寄席に出ないと言っている割には、今年3回目の高座を観ることになった。
・古今亭志ん五「長短」
この人の独特の「間」と、とぼけた味わいが好き。このネタは良くなかった。気の長い男の動作やセリフを、もっとユックリやらないと面白味が出て来ない。先代小さんがいい手本だ。
・ニューマリオネット「糸操り」
久々に観たが、相変わらず見事な芸だ。
・柳家さん喬「ねずみ」
この人が得意の「抜け雀」に似ているネタだが、時間の制約なのか噺にタメがないため、平板な出来になってしまった。
―お仲入り
・太田家元九郎「津軽三味線」
普段に比べ唄が多かった。良い喉をしているのだから、もっと高座で披露したらどうか。
・古今亭菊之丞「紙入れ」
十八番のネタを色っぽく。
・柳家喜多八「旅行日記」
こちらも得意ネタだが、何回聴いても可笑しい。この人はこういう自虐的なネタが上手い。
・伊藤夢葉「奇術」
シャベリを聴いていて、伊藤一葉の弟子だとすぐ分かった、師匠譲りのスマートさと、とぼけたユーモアで楽しませていた。
・三遊亭歌武蔵「鹿政談」
マクラで相撲界と落語界の違いを説明してくれたが、大相撲の師弟関係というのは、芸能プロダクションとタレントとの関係と同じという説明に納得した。そう考えれば、朝青龍問題などの経過が良く理解できる。さすが元力士。
「鹿政談」、面白かった。力でグイグイと押す芸風に磨きがかかってきた感がある。
芝居は芝居で、寄席は寄席で、それぞれが楽しい。
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