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2008/02/11

滝川市長は損害を弁償すべきだ

Takikawa_shichoなんともフシギな事件だ。北海道滝川市が元暴力団の男らに、生活保護費として2年間弱で2億3321万円を渡していたという事件である。多い時は月に1855万円近い金を支給していたのだから、これはタダゴトではない。
事件の概要は次の通りだ。
「北海道滝川市で生活保護を受給していた夫婦が、通院タクシー代を同市に架空請求し2億円以上をだまし取ったとされた事件で、道警組織犯罪対策課などは2月9日、約2億円の詐欺容疑で、元暴力団組員で無職片倉勝彦(42)と妻ひとみ(37)の2容疑者ら4人を逮捕した。
ほかに逮捕されたのは札幌市のタクシー会社役員板倉信博(57)と同社社員小向敏彦(40)の2容疑者。 調べでは、片倉容疑者らはタクシー会社役員らと共謀し、実際には札幌市の病院に通院していないのに、通院したとしてタクシー代計約4000万円など、生活保護費計約2億円をだまし取った疑い。
片倉容疑者がだまし取った金で札幌市内の高級マンションを借りたり、高級車や覚せい剤購入にあてたり、関係する暴力団に資金を流していたとみている。
滝川市は異常な金額について監査委員などから指摘を受けながらも支払いを継続。不正に関与した疑いも浮上したが、道警は、正規の手続きが踏まれていたため刑事責任は問えないと判断した。」

財政難に苦しむ地方自治体が多い中で、これだけでもオドロキだが、実は逮捕に至る経緯をみていくと、滝川市の対応があまりに不自然であることがわかる。
この事件を当初からとりあげ、市議会などで追求してきた滝川市議会議員がいて、この共産党・清水まさと市議のブログに詳細な経過が書かれているので、要約をしてみよう。

・2006年
この暴力団夫婦は、元々は札幌市内に住んでいたが、この年の3月12日に滝川市に転居するということで生活保護廃止の手続きをしている。この際、転居費用の支給を受けている。
翌日13日に、滝川市福祉事務所が生活保護申請を受理し、9日後の22日には開始を決定している。
【疑問その1】生活保護の申請が即日受理され、9日後には開始決定されるのは、通常ではあり得ない。なぜこの元暴力団だけが、こうした異例に扱いを受けたのか。

ところが申請の4日後の17日に、タクシーを使って札幌市内の病院に通い始めている。
【疑問その2】生活保護の開始決定の5日前に、既にタクシー通院がなぜ出来たのか、また滝川市がなぜこの時にタクシー代120万円を支払ったのか。

もっと根本的な問題がある。それは新聞報道に書かれているように、元暴力団夫婦は実際には札幌市内のマンションで暮していて、滝川市への転居は形式的なものだった。
【疑問その3】滝川市は本人が札幌で暮していたという事実を、なぜ把握しなかったのか。

・2007年
この誰が見ても不自然な支出は市議会でも問題となり、2月に滝川市の監査事務局は金額などに疑義があるとして、詳細な調査を開始した。
5月には犯罪の可能性もある重大な問題だとして、5月22日副市長に報告。副市長は翌日市長に報告している。
【疑問その4】2007年2月に監査事務所が不正の疑いで調査を始めたのは、市長は当然承知していた筈だ。そして5月には犯罪の可能性がありとの正式報告を受けている。本来ならこの時点で生活保護の決定取り消し処分を行うべきだったにもかかわらず、市はその後もズルズルと大金を渡し続けていたのはなぜか。

11月になって、ようやく北海道警が捜査に動き、この夫婦らが逮捕される。当時の新聞記事は次の通り。
「生活保護受給者に通院で使用したタクシー代金が支給される補助制度を悪用し、生活保護費を不正に受給したとして、北海道警は19日、詐欺容疑で札幌市北区、介護タクシー会社役員板倉信博と、滝川市黄金町東、無職片倉ひとみら3容疑者を逮捕した。
道警は、不正受給が昨年から始まり、総額1億円を超えるとみて余罪を追及する。」
しかしこの時は札幌地検が処分保留としたため、道警が引き続き捜査を進め、今回の再逮捕となったものだ。

今まで見て来たように、この元暴力団の男に対する厚遇は異例だし、あまりに不自然な点が多い。普通に考えるなら
①容疑者が滝川市あるいは市の幹部の弱みを握っていて、そのために言う事を聞かざるを得なかったか
②市の内部に協力者がいたか
のいずれかであろう。
しかし捜査当局は、市側の刑事責任は問えないという見解である。
この事件を放置してきた行政の怠慢はいわば市民への「背任」であり、先の共産党市議が「市長・副市長は最低でも 1億2110万円を弁償すべき」と要求しているのは、当然の主張であろう。

一方で生活保護を受けられずに死亡した人の例もあり、現在の生活保護制度を守る上でも、こうした不正受給には厳しく対応する必要があるだろう。

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