イージス様のお通りじゃ!
「舟人よ そこのけそこのけ イージス通る」
江戸時代、士農工商という身分制度があり、往来の7分を武士が通り、残り3分を農工商が通った、これは落語のマクラに良く使われている。
これが大名行列となると、もっとひどい。映画や芝居でお馴染の「下に下に」の声が聞こえると、その場で平伏しなくちゃいけない。例外は江戸の町で、ここだけは「寄れい寄れい」の声になり、道端に寄って行列をやり過ごした。
いずれにしろ大名行列は直進するのみで、回避するのは町民の方であった。
千葉県房総半島沖で2月19日早朝、海上自衛隊のイージス艦「あたご」(7750トン)と、新勝浦市漁協所属の漁船「清徳丸」(7.3トン)が衝突した事故は、この大名行列と町民の関係を思い起こさせる。
当時現場で漁を行っていた漁船の人々の証言から、漁船の群れの中にイージス艦が進入してきて、気付いた漁船の側があわてて回避行動をとっていたようだ。
自分の千倍もある船が近付いてくれば、周囲が避けてくれるだろう。恐らくイージス艦側にそうした意識があったと思われる。
何せ、ハワイ沖でのミサイル防衛訓練の帰りだ。凱旋帰国なのだから、誰も通行の邪魔はしないだろうと。
空を飛んでいるミサイルは落とせるのに、なぜ海に浮かんでいる船にぶつかるのかという疑問の声がある。それは関心のある方へは注意を向けるが、関心の薄い方へは注意が散漫になるからだ。
要は、顔がどっちに向いているかという問題だ。
防衛大臣や官邸への報告が遅れたのも又然り、都合の悪い情報はできるだけ上げたくない、隠蔽しておきたいという心理からだ。
皮肉にも、防衛省に昇格した時期から、次から次へと発覚する不祥事や事故。単なる気の緩みなのか、防衛省が持つ体質自体なのか、そこが問われる。
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2月19日未明4時7分ごろ千葉県南突端の野島崎沖40kmの海上で海上自衛隊のイージス護衛艦「あたご」がマグロはえ縄漁船「清徳丸」と衝突しました。
イージス艦「あたご」
全長165m、総トン数7750トン
漁船「清徳丸」
全長7m、総トン数7.3トン
トン数にして1/1000、長さは1/25、ダンプに軽乗用車の比ではありません。漁船は真っ二つ、たぶんあっという間に沈没したでしょう。
イージス艦だけにイージーミスなんて言ってる場合ではありません。
その後の経過については報道にありますから省略します。
... [続きを読む]
江戸時代、大名行列の前を横切ればお手打ち御免だったのです。
横切ったのが悪いって言うのが出てくるでしょうね。
投稿: ヒキノムラビト | 2008/02/21 20:48
ヒキノムラビト様
コメント有難うございます。
現在までの調査結果を見る限り、イージス艦側が衝突回避行動をとった形跡がありません。
やはり、「そこのけそこのけ」だったと云う事です。
投稿: home-9 | 2008/02/22 08:56