どうでもイイじゃん、「ヒラリーvs.オバマ」「聖子vs.ゆかり」
ニュース番組はNHK国営放送しか見ていないが、今年になって米国大統領予備選挙の模様を、毎日のように詳細に繰り返し報道している。新聞報道も同様で、ネットで見る限り各紙もこのテーマに大きな紙面を割いているようだ。特に民主党の大統領候補がヒラリー・クリントンなのかバラク・オバマになるかに、専ら関心が集中している。先日のスーパー・チューズデイの際は、両陣営の選挙事務所からの中継までしていた。
正気の沙汰ではない。
アメリカ大統領選挙で共和党、民主党のどちらが勝つのかは、外交政策も異なるし、これからの日本との関係にも影響が出る可能性があり、その結果は注目される。
しかし現在行われているのは、あくまで米国大統領の候補者選びのための予備選挙なのだ。
民主党の候補が誰になるのか、アメリカ国民にとっては大きな関心事だろう。しかし日本の私たちにとって、どちらが選ばれるのかがそれ程重大な問題なのだろうか。私たちが選挙権を行使できないことを、事細かに報道されてもねぇ。
もし重要だというのなら、ヒラリーとオバマの外交や経済政策がどう違い、それが我が国にどのような影響を及ぼすのか、そういう視点での解説記事にお眼にかかったことがない。
大した違いが無いなら、要はどうでも良いことなのだ。
アメリカの現状で重要なのは、米国発の世界的不況と観測されている現状で、米国政府がどのような経済政策を採ろうとしていて、その見通しはどうなのかという点だ。あるいは泥沼に陥っているイラク戦争を、ブッシュ以降の政権がどう処理しようとしているのか、その根本にある中東政策が変わる可能性があるのか、そうしたことこそ報道する意味がある。
繰り返すが、大統領候補が女性だろうと黒人だろうと、私たちにはどうでも良いことなのである。
もっと不快なのは、小泉チルドレンと称する人間たちが、どこの選挙区から出るの出ないのという報道だ。
昨日8日に自民党の衆院選挙候補として、岐阜1区が野田聖子、東京5区に佐藤ゆかりと決定したことが報じられた。それぞれの選挙区に住む人にとっては関心があるかも知れないが、そうでない人にとってはこれ又どうでも良いことだ。
この二人の対決とやらは、数ヶ月も前からワイドショーなどで繰り返し採りあげられ、新聞でも大きく扱われてきた。
選挙になれば知名度が何より優先される。こうして繰り返し名前と映像をTVで流すだけで、圧倒的に有利となる。何のことはない、マスコミが寄って集って彼女らの選挙の事前運動をやっているわけだ。
現下の日本、マスコミが問題視し報道すべき事柄は沢山ある。
そうしたテーマを放置し、日々どうでも良いニュースを垂れ流すなら、それは報道機関の使命を放棄するものだ。
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