「立ち退き」ビジネスは儲かりまっせ
不動産を買ったのは良いがそこに入居者がいて、住むことも出来なければ取り壊しもできないし、転売しようにも買い手がつかない。この人さえ退去してくれれば、一気に資産価値があがる。普通は転居費用をはずんで立ち退いて貰うのですが、それでもダメな場合は、そのスジの人にお願いする。まあ世間よくあることですね。
東証2部上場の「スルガコーポレーション」(岩田一雄・会長兼社長)が取得した不動産を、大阪市の不動産会社「光誉実業」社長・朝治博容疑者に依頼して入居者を立ち退かせ、解体して転売していたことが発覚しましたが、正に典型的な例ですね。
所有者は転売して儲け、間に入った不動産業者には手数料が入り、暴力団には金が渡され、入居者は多額の立ち退き料が支払われる。かくして関係者全てがハッピーとなり、メデタシメデタシとなるとは限りません。違法な手段で立ち退かせれば立派な犯罪です。
私のサラリーマン現役時代の取引先に、不動産業者がいました。と言っても、社長一人だけの会社ですが。
この人、裁判所の職員と通じていて、適当な競売物件の紹介を受けます。資産価値があるのに入居者がいるため買い手がつかない、そういう問題物件です。
連絡を受けた社長は、その物件を格安で落札します。その後、地元の暴力団に入居者の立ち退きを頼み、無事退去して貰ってこれを転売する。暴力団に手数料を払い、残りが自分の取り分になります。そうそう、情報を流してくれた裁判所職員にも、お礼をせねば。
1年間に2件の物件を扱えば、十分食べていけるそうですから、ボロイ商売ですね。
なかには競売を妨害する目的で、暴力団が入居者を送り込んでくるケースもあります。法外な退去費用をふっかけてくるわけです。
そういう人間を立ち退かせるのも暴力団、つまり攻めるも守るもヤクザということで、何のことはないマッチポンプですね。
こんな事が全国で、日常的に繰り返されているというのが実情でしょう。
だからいつまで経っても、不動産業界や建設業界は暴力団と手が切れない。
不動産の所有権をめぐる法律の盲点、これを改正しないと、これからもこうした不法行為は絶対に無くならないでしょう。
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