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2008/04/09

「早死医療制度」が始まった

Masuzoe_yoichi4月1日からスタートした後期高齢者医療制度、福田首相のアイディアで「長寿医療制度」と名称を変えられました。勿論これは総理のブラックジョークです。だって本当は「早死医療制度」なんですよ、知ってました?
ニュースで75歳以上のお年寄りが、「まるで私たちに早く死んでくれと言っているようだ」と語っていましたが、その通りなんですよ。
「戦後の混乱期を乗り越え、日本の復興と経済成長を支えてきた皆さん。もう用は無いし、これ以上長生きされても金が掛かるだけなので、早く死んでください。」
これが政府の願いであり、今回の制度改正の本当の狙いです。

若い方も、やがては老人になって、この「後期高齢者医療制度」(以下「新制度」)のお世話になりますから、今年の3月末まで実施されていた「老人保健法による老人保健制度」(以下「旧制度」)と比較しながら、一体どんな制度なのかを、先ずはかいつまんでご紹介します。

(1)旧制度では目的に「健康の保持」が謳われていたが、新制度ではそれが「医療費の適正化の推進」に変えられている。健康など二の次で、要は医療費を削るのが目的。
(2) 運営主体と財政責任は、現在の市町村から、都道府県ごとに作られる「広域連合」に変った。この結果、今まで市町村単位で行われてきた低所得者などへの減免措置が廃止される。
(3)給与所得者の扶養家族だった人(推計200万人)は旧制度では保険料を払わなくて良かったが、新制度では75歳以上になると保険料を払わなくてはならない。この結果、乏しい年金の中から、新たに保険料が天引きされることになる。
(4)旧制度の「基本健診」が廃止され、健診を行うかどうかは各広域連合の努力義務となった。厚労省は広域連合に対し、高血圧や糖尿病の患者には健診を受けさせないよう指示を出している
(5)新制度では、医学管理や基本的な検査、画像診断、処置が、包括点数(月1回600点)となった。定額のため、病院は何回治療しても診療報酬は変わらない。つまり手厚い治療をする病院ほど、医療機関の持ち出しが多くなることになる。
などなどなど・・・、キリがありません。

こうした制度改正によって、例えば東京都の広域連合によると、単身で厚生年金の平均受給額201万円の場合、国保の保険料は23区で年額3万円程度だったのが、新制度では5万3800円と2倍近くになります。それでも東京都はまだ恵まれていて、保険料は安い方なんです。
名古屋市では、市独自の減免措置により全額免除だった年金収入153万円の単身者は、今年度から1万2千円を支払うことになり、168万円の人の場合は、4700円から2万3100円と一気に約5倍に保険料が上がります。

「早死医療制度」と名付けたの、分かって頂けましたか。
まったく厚労省というのは、「やらずぶったくり」の役所ですね。
日本という国、いつからかくも無慈悲な国になってしまったのでしょうか。

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コメント

今ののような何でも通らない国会も困るところがありますが、何でも通せる国会のほうはもっと怖いですね。そういう国会を作って(選挙して)はならない!

上記の方、コメント有難うございます。
いわゆる郵政解散で、自民党が圧倒的多数を握り、その力をバックにして、小泉、安倍二代の政権は悪法を次々と通しました。この後期高齢者医療制度もその一つで、法案が成立した時点では、医療関係者以外さほど大きな問題として注目されていませんでした。
現在、実際の運用が始まると医療現場は大混乱ですし、患者側からはなぜこんな法律を作ったのかと怒りの声が上がっています。
郵政民営化に賛成したことが、政府に白紙委任状を与えてしまったというのが、この結果です。選挙の時は、よほど気をつけねばなりません。

いつも切り口鮮やかなご意見を楽しみにしていますが、この件に関しては反対です。この制度それほど悪いと思いません。みなに厚くするのはよいが誰が出すかという問題があり、その点ではこの制度はまあまあ公平と思います。たとえば上記(3)については、立派な会社に勤める立派な息子を持つ人は、息子にぶら下がり、今まで保険料を負担しなかったがこれからは他の人と同じように払うようになると考えると公平と思います。

パンペレ様
コメント有難うございます。
確かに負担の公平化というのも、一つの問題でです。その一方、75歳以上で扶養家族になっているお年寄りというのは、低所得者に限られています。減免措置が廃止になる事と合わせて考えれば、今回の改正案が、低所得層からの新たな保険料徴収、あるいは増額を狙ったものであることは明らかです。
お金が無いお年寄りは、早く退場してくれというのが本音ではないでしょうか。
なお、このテーマに関しては、エントリーが舌足らずの感も否めませんので、後日補足の記事を掲載する予定です。

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