右翼がそんなに恐いのか
2,3年前になるが、青信号に変わり横断歩道を渡ろうとしたら、右翼団体の街宣車が猛スピードで突っ込んできた。孫の手を引いていたので、危ないと思って後ろに下がったら、目の前を数台の街宣車が通過し、とうとう横断できなかったことがある。近くに交番があったが、警官は制止しなかった。
かくも日本の警察は右翼に甘いから、彼らはやりたい放題になるのだ。
その結果、憲法で保障されている筈の言論の自由や表現の自由が、少しずつ脅かされてきていると感じているのは、私だけだろうか。
靖国神社を描いたドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」について、4月12日からの上映を決めていた映画館5館が、3月31日までに揃って上映中止を決めた。相次ぐ自粛で、公開のめどが立たなくなったそうである。
上映を予定していた銀座シネパトスを経営するヒューマックスシネマは、「上映中止を求める電話がかかったり、周辺で抗議行動があった。近隣や他の観客に迷惑がかかるため、中止を決めた」としている。
どんな映画か知らないし、観たいとも思っていないが、「右翼団体が騒ぐから」という理由で上映中止にしていたら、下手をすれば右翼の気に入る映画しか上映できなってしまう。
こういう風潮は大変危険だと、私は思う。
どんな思想であろうと、それを主張する権利は誰にでもあるが、自分の気に入らない意見を「力」で抑えようとするのは間違いだ。
先月には、グランドプリンスホテル新高輪(東京都港区)が、日教組の教育研究全国集会の会場使用を、契約後に断るという問題がおきた。この時のホテル側の説明も今回と同じであり、要は右翼の抗議活動や嫌がらせ、威嚇を恐れたものだった。
この問題は、東京地裁と東京高裁が会場使用を命じる仮処分決定をしたにもかかわらず、同ホテルが従わなかった。
我が国はいつの間にか、法治国家では無くなったのだろうか。
安倍政権の誕生辺りから、こうした傾向が強まってきたと思われる。
右翼の主張には賛成出来ないことが多いが、彼らの言論の自由は保障しなくてはならない。
しかし脅迫や威嚇により、言論や表現の自由をおかすのであれば、当局は厳しく取り締まるべきだ。「白色テロ」に怯えて、国民が自由にモノが言えない時代になるのが、一番恐しい。
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