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2008/05/17

失政が招いた中国大地震の被害拡大

4sensho2006年10月に中国四川省をツアーで訪れた際に、バスでほぼ中央付近を南北に縦断しました。その時の車窓から見た印象を、当時の旅行記で次のように書いています。
「北の岷山に源を発する岷江は、四川省のほぼ中央付近を南北に縦断するように流れています。
今回の私達のツアーは、この岷江に沿ってバスで移動します。
(中略)
バスの車窓から見る風景は、岷江の急流と両側の切り立った山、その間に挟まれた僅かな土地で生活する人々です。
土地が狭いから農業をするのは難しいのでしょう、成都より北部は牛や山羊の放牧が目に付きます。そして猫の額ほどの土地に畑を作り、恐らくは自家用の野菜を栽培しているのでしょう。
見るからに貧しい家が多く、この地方で生計をたてる大変さが想像されます。
中国の農村部は総じて貧しいのですが、その中にも格差があります。
以前訪問した雲南省の農村は、全体として豊かな印象を受けました。
最も貧しいと感じたのは、北京から西安に向かう列車の車窓から見た農村です。平らな土地が少ないのでしょうか、小さな段々畑が目立ちました。横穴式住居も数多く見られ、ショックを受けた記憶があります。」

5月12日午後2時28分に中国南西部・四川省を震源とする大規模な地震が発生しました。地震の規模を示すマグニチュード(M)は7.8で、内陸部としては最大級の規模です。実態が明らかになるにつれ被害は日を追って増しており、今のところ犠牲者の数は数万人に達するとみられていますが、最終的には更に拡大する可能性があるでしょう。
また5月初めに起きたミャンマーのサイクロン被害は、犠牲者の数が8万人に迫る大惨事になりました。
いずれもかつて旅行した地であり、被害の大きさには胸が痛みます。
僅かですが両方の被害に対して寄付を行いました。

震源に近い地域で建物の大半が倒壊したということで、中国の建築基準がどうの、耐震性がどうのという議論があるようですが、私の見た印象からすれば、それ以前の問題です。
農家の多くは老朽化し、建っているのがやっとという建物が目に付きました。加えて中国の家は石造りなので、大きな地震がくればひとたまりもありません(反面火災被害は起き難い)。

私たちがバスで通った道路は四川省の中でも主要な幹線道路でしたが、それでも片側は岩が迫り、もう片側は大きな川ですから、随所に崖崩れが起き易い地形です。
日本を始め海外からの救助隊が現地に向かっていますが、道路が寸断されている中を、瓦礫を取り除きながらの救援活動は困難を極めるものと思われます。

災害は天災だが被害は人災という言葉がありますが、今回の大地震の被害につぃても、低所得者層ほど大きいという傾向になるでしょう。現地の住民の声として「政府の建物は壊れないのに、なぜ学校が壊れたのか。」という指摘がありましたが、その通りです。
中国の教育現場では、中央政府からの補助金が僅か2%(2006年当時)しかなく、義務教育といっても名ばかりです。農村に行けば片道2時間かけて通学する小学生も珍しくなく、更には学校に通えない子どもも大勢います。校舎が崩壊し、沢山の生徒が生き埋めになるという悲惨な結果を招いたのも、政治の責任です。
沿岸都市部の経済発展だけが最優先され、教育や住宅、医療などといった庶民の生活に必需の分野をなおざりにしてきたツケが今回ってきています。

サイクロン被害にみまわれているミャンマーもまた、失政による人災です。ミャンマーは資源が豊富で、温暖な気候は農業にも適しています。本来は豊かな国になる筈ですが、長期にわたる軍事政権が国民の生活をメチャメチャにしています。仏教の僧侶が尊敬を集めているお国柄なので、その僧侶を弾圧する政権はやがて大きなしっぺ返しを食うでしょう。

庶民を無視した政治は、最後は必ず国を滅ぼします。
我が国も、もって「他山の石」とすべきです。

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