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2008/06/25

食品業界の懲りない面々

Maruaki岐阜県養老町の食肉卸売会社「丸明」による「飛騨牛」偽装問題で、6月24日吉田明一社長が岐阜県や農林水産省の調査に対し、ブランド要件を満たさない格下の牛肉を飛騨牛として売るよう従業員に指示したことを認めた。最初は否定し最後は不正を認めて謝罪という、相も変らぬお定まりのパターンの繰り返しだ。どうせバレルのだから始めから不正を認めりゃ良いものを、学習能力が無いというか、往生際が悪いというか。

ここ数年に起きた国内食品業界の不正事件だが、主なものだけでも下記の通りで、中国からの輸入食品の不正事件など加えれば、この数倍に達する。
2002年1月  「雪印食品」の牛肉偽装
2002年6月  「日本食品」の牛肉偽装
2002年8月  「日本ハム」の牛肉偽装
2004年5月  「ハンナン」の牛肉助成金詐取
2004年10月 「フジチク」の同上
2007年1月  「不二家」の賞味期限偽装
2007年6月  「ミートホープ」の牛肉偽装
2007年8月  石屋製菓「白い恋人」の賞味期限改ざん 
2007年10月 「赤福」の消費期限不正表示 
2007年10月 「比内鶏」の偽比内地鶏 
2007年10月 「船場吉兆」の菓子の賞味期限偽装
2007年11月        牛肉・鶏肉の偽装
2008年5月         食べ残し料理の使い回し
2008年6月  「丸明」の飛騨牛偽装

なぜ食品業界にこう不正が多いのか、理由を考えてみたい。
①企業体質 食品業界というのは名の知れた大手といわれる企業でも、一般に品質管理などがズサンであり、企業体質が脆弱な会社が多い。
②利権構造 不正事件の中でも食肉偽装に関する不正が多いのは、それなりの理由がある。
BSE(牛海綿状脳症)対策の国産牛肉買い上げ事業をめぐる不正で逮捕された「フジチク」グループ会長の藤村芳治と「ハンナン」会長の浅田満は、それぞれ全国同和食肉事業協同組合連合会(全同食)の副会長と専務理事だった。両者は共謀して農水省の担当を抱き込んで助成金を詐取していた。
全ては利権のためで、消費者の安全など二の次三の次だったのだ。
③消費者のブランド偏重 消費者の一部に、味の良し悪しよりブランドを有り難がる傾向がある。味覚というのは主観的なもので、元々個人差が大きい。「ミシュラン」騒動に見られたように、専門家を自認する人間でもアテにならない。
④不正が発覚し難い 他の商品と異なり、食品は使用(摂取)した段階で消えてしまうため、不正がみつかり難い。

これは食品業界に限ったことではないが、およそ不正に一切係わったことがない企業などというのは皆無だろう。多かれ少なかれ、スネにキズを持っている。企業の不正が明るみになるきっかけは、殆んどが内部告発だ。
では、なぜ最近になって内部告発による不正の発覚が増えたのかという理由だが、主に次の点があげられるだろう。
①企業がコストダウンのために、従業員の終身雇用制度を事実上やめてしまった。この結果、会社に対する忠誠心が薄れ、内部告発が出やすくなった。
②ネット社会になって、今まで秘密にしてきた情報が、ネットを通して瞬時に大量に伝わるようになった。
不正が明らかになれば、企業の信用が失われるだけでなく、時には会社が倒産や廃業に追い込まれるケースも少なくない。
だけど、分かっちゃいるけどヤメラレナイのだ。

こうした環境の変化に気付かず、いつまでも従来通りの姿勢を続ける企業経営者がいる限り、これからも「不正は続くよ、どこまでも」。

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コメント

先日は遅くまでお付き合いいただき、有難うございました。

食品業界はまったくひどいもんですね。
昨日も中国産の鰻を愛知県産と偽装した事件が発覚。
純国産の鰻はスーパーなどではまず入手できないほど少ないはずなのに、そういう現実を知りながらも、高知県産や宮崎さんとかのブランド物に手が伸びてしまいます。
信じる者は救われるというか、知らぬが仏といったところでしょうか?
霜降りのいかにも美味そうな牛肉。
正規の値段は三千円近いパックですが、いつ行っても半値近いシールが貼ってあります。
一度、これを騙されたと思い買ったことがありますが、確かに美味い。それでも普段口にするものに比べれば倍以上の値段です。
これも、おそらくは脂肪とホルモンや肉質を柔らかくする添加物で加工したものでしょう。それも、元の牛は黒毛和牛ではなく、ホルスタインかもしれません。
そういった私のように、お人よしな人間を騙す業者がいるのは、刑罰があまりにも甘いからに他ならないと思います。
今回の岐阜の丸明という業者が、懲役の実刑になるなら、おいそれと詐欺行為はしないと思いますけどね・・・
信じるものを何の抵抗もなく裏切る、こういう業者が食品を製造してる現実。
うすら寒くなってしまいます。
否、梅雨寒だけに留まって欲しいものです。

投稿: dorunkon | 2008/06/26 15:09

dorunkon様
コメント有難うございます。
人間の生命や健康に最も大きな影響を与える食品が、実は最もいい加減な管理の下に流通、販売されています。
銘柄米はブレンドと相場が決まっていましたし、「下関フグ」は下関から出荷されたフグという意味で、実際には中国産のものがかなり入っています。北朝鮮のアサリも北九州の海岸に一晩埋めて翌日掘り出せば、立派な博多産になります。
「関サバ」「関アジ」だって本物は少ない。
騙す業者が悪いのか、騙される消費者がアホなのか。食品業界はまだまだ叩けばホコリが出てきます。

投稿: home-9(ほめく) | 2008/06/26 17:38

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