【ツアーな人々】女性客の黒装束
江戸時代の俳人・去来の句に「何事ぞ花みる人の長刀」があります。侍は花見にも帯刀して来るなんて、なんとまあ無粋なことよと、町民が武士を嘲笑ったものです。
どこでどんな格好をしようと自由ではありますが、夏季の海外ツアーでの日本人女性客の服装はどうも頂けません。
夏場、多くの女性観光客は帽子にサングラス、長袖のシャツにスラックスと手袋、更には傘をさす人もいます。これが明るい色なら未だしも、全身黒装束という女性も少なくありません。ホコリを嫌ってかマスクまでしていると、まるで強盗にはいるのかと訝るような姿です。あのまま銀行に入ろうものなら、捕まりますね。
なにか見ているだけで暑さが増して、クラクラしてきます。
こういう姿が集団で歩くのですから、あちらの方からは随分と奇異に映るでしょう。
ヨーロッパの現地ガイドに夏に傘をさしている人がいるかと訊いたら、大半が日本人で時々韓国人がいる程度だということでした。
紫外線防止が目的なのでしょうが、紫外線は日本人だけ当たるわけではありません。どこの国の人にも平等に当たりますし、むしろ紫外線のリスクは白人に比べアジア人は小さい。
紫外線について、最近余りにもリスクばかり強調され、効能が無視されているような気がします。紫外線には殺菌作用、ビタミンDの形成作用、骨や歯を強化する作用などがあり、治療にも使われています。
反面、皮膚がんや白内障を引き起す原因にもなり、要は「ほどほど」が大事でしょう。
私が子どもの頃は、家庭でも学校でも天気の良い時は屋外でできるだけ日光を浴びることが奨励され、就学前なら男の子も女の子も、パンツ一丁で表を飛び回っていました。その当時育った人が、とりわけ紫外線の健康被害を強く受けたという症例を聞いたことがありません。
1週間や10日程度の旅行で日光を浴びたからといって、リスクだけが増大するとは到底思えません。
紫外線に対する極度の警戒心は、どうも化粧品会社などによる広告宣伝に乗せられている、つまり洗脳されているのではないでしょうか。「色白美白」が美人の条件などと信じ込まされて。
「水道水が危ない」などと吹き込まれて、せっせとミネラルウォーターや浄水器を買わされているのと同じです。そんなに水道水が危険だったら、今のお年寄りはとっくに死んでいます。日本の水道水の品質基準はとても厳しく、ミネラルウォーターの基準の方がはるかに緩い。衛生面からいえば、水道水を飲んでいる方が安全です。
郷に入っては郷に従え、海外の短期の旅行の時ぐらい完全武装は止めて、涼しげな夏姿で観光したらいかがでしょうか。
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