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2008/06/21

【寄席な人々】落語家に「師匠」付けはどうもネ

ブログで寄席や落語をテーマにしているものが増えたが、落語家の芸名に敬称として「師匠(師)」を付けるのが流行っているようだ。私のように呼び捨てにしているのは今や少数派である。これがホームページとなると、私同様に呼び捨て派が多数であるところが面白い。

全ての落語家に付けているかというと、そうではない。傾向としては真打にのみ「師匠(師)」を付け、二ツ目以下は「さん」付けにしている。
こういうのは趣味の問題だが、私はどうもこれに抵抗がある。二人称の場合は、呼び捨ては失礼になるから敬称を付けるのは礼儀だが、三人称の場合は不要ではなかろうか。

「師匠」というのは先生と同義であるが、それがお稽古ごとを教えてくれる人を指すようになり、転じて落語家の敬称になったが、本来は弟子が指導者を指す言葉だ。
三人称で語る場合、例えば柳家喬太郎がさん喬を師匠、先代の小さんを大師匠と呼ぶのは当然だが、同業や弟子でもない人が、芸名に敬称を付ける必要があるのだろうか。

そういうブログを見ると、他の古典芸能の芸人は呼び捨てにしている。落語家に師匠を付けるなら、歌舞伎役者には「丈」を付けねばならず、講釈師や浪曲師には「先生」を付けねばなるまい。
漫才師、曲芸師や狂言師などはなんと呼んだら良いのか、そんなこと考えていると頭が痛くなるから、いっそ全て呼び捨てにするのが公平というものだろう。

古典芸能の世界では、大向こうと言われる掛け声も全て呼び捨てだ。
歌舞伎では「成田屋!」と屋号を呼び捨てだし、新派は「水谷!」と苗字を呼び捨て。新国劇も「島田!」(なぜか最初の“し”を強音にするのが慣わし)であり、決して「音羽屋さん!」とか「喜多村さま!」とは言わない。第一、「水谷さま」ではその後に「お薬できました」と言いたくなってしまう。締まらないのだ。

教員や議員、弁護士の集まりに行くと、全員がお互いに「先生」という敬称で呼んでいるが、あれは異様だ。生徒や弟子がいるから先生なのであって、双方が先生と呼び合うのは異常な世界としか思えない。
「先生と言われるほどの馬鹿でなし」である。

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寄席な人々」カテゴリの記事

コメント

同感です。
基本的には文章に過剰な敬称は不要だと考えます。
読みにくくなるだけです。
おそらく「師匠」をつける人に言わせると、呼び捨てにするなんて失礼千万ということなのでしょう。
ただ、ご指摘のように師弟関係にある人、または、落語家同士が言うのならまだしも、なんの関係もない人が言うのは不自然です。
どうしてもやるなら「さん」づけがまだ妥当かなという気がします。

私はブログを読んで戴ければ分かるように、師匠、師、講談・色物に言及する時は先生を使います。

でもこれはよくよく考えてみると、趣味の問題というより、旧来から落語ファンと今落語ファンになった人との違いを如実に表しているようで、非常に興味深いです。

このことはこの週末にでも私のブログでまとめてみようかなと思っています。

ジャマ様
コメント有難うございます。
本来、寄席や落語というのは権威から最も遠い位置にあると思います。師匠や先生の多用は権威付けの臭いがして、どうも好きになれません。
芸人をあまり偉くしてはいけないというのが私の考えであり、これと寄席や落語を愛するということとは全く別の問題です。

梅薫庵様
コメント有難うございます。
高座の世界でも、かつては自分の師匠以外は、若手と大先輩でも落語家同士お互いに呼び捨てにしていました。
いつ頃からか協会幹部や先輩落語家に師匠をつけて呼ぶようになり、近ごろは年上の噺家を歌舞伎の世界と同様に、〇〇兄(あに)さん等と言う様になりました。
落語家同士は仲間内であり、外の世界である観客の前ではお互い呼び捨てににするのが礼儀ではないでしょうか。企業社会でも、社外の人間に対する時は、社内の人間に敬称や肩書きを付けないで呼ぶのと同じ理屈です。

最近の「師匠」付け多用の背景には、その辺りの事情が反映されているのかも知れません。

>最近の「師匠」付け多用の背景には、その辺りの事情が反映されているのかも知れません。

私が思うに社会常識の誤用というより、最近の落語ファンの「オタク性」によるものだと私は思っていますよ。
もっとも「オタク性」なんて書くと、ほめくさんから、一言も二言もありそうですが。(^_^;)

それと蛇足ですが、私には「様」付けはいらないので。梅さん、梅ちゃんとでもご自由に。(^_-)☆

梅薫庵様
それでは遠慮なく、梅さん、再度のコメント有難うございます。
落語関連のブログの管理人は凝った名前を付ける方が多いのですが、この「梅薫庵」というお名前もとても結構なネーミングですね。私も最初に、もう少しシャレた名前を考えておけば良かった。
なるほど「オタク性」ですか。かつて寄席の世界は圧倒的に男性優位でしたが、最近はどこへ行っても女性の姿が目立ちます。この辺りも影響しているのかも知れませんね。

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