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2008/06/04

「柳家三三・三づくし独演会」第二夜

Sanza柳家三三の「三三 三三歳 三夜 三席 三宅坂」と題する国立演芸場での三日連続の独演会。2日目は、六月三日で座席番号が三番とくれば、全てが三づくし。菊志んが客は三三人だろうと言っていたが、どうしてどうして満員御礼である。
最初の頃は、メクリが出ると一の字が六つ並んでいて変な名前だと思っていたら、割り箸みたいに痩せたお兄ちゃんが出てきてどうなるかと心配していたが、今では押しも押されもせぬ若手落語家の一番手になってしまった。
伸び盛りの芸人には勢いがあり、多少のキズは力でねじ伏せて客を納得させる。今の柳家三三はそういう状況にある。
芸名に因んだ三づくしの会が出来るのも、長い人生の中でこの瞬間しかない。観客もその瞬間を立ち会うことになる。そういう独演会であった。

「道灌」
代表的な前座噺で、三三も最初に覚えたネタだと言っていた。師匠・柳家小三治に憧れて18歳で入門したが、一度も師匠から稽古をつけて貰ったことが無いのだそうだ。それでも三三を見ていると、ちょっとトボケタ感じや間の取り方などに小三治の影響を見て取れる。落語家の師弟関係というのは、そういうものなのだろう。
真打が前座噺をやるのは意外に難しいんだと思う。基本を崩してはいけないし、前座とは格段の差を見せ付けなくてはいけない。
三三の高座は、その辺りを程よく仕上げていた。

「三軒長屋」
今回の独演会は、三夜全てに「三」に因んだネタを入れており、この日はこの「三軒長屋」である。
口演時間が40-50分掛かる上に、劇的なストーリー展開がなく、その分笑いが取り難く、その割に登場人物が多いという、大ネタの中でも厄介な大ネタの部類に入る。普段の寄席では先ずお目にかかれない演目である。この大ネタに三三がどう挑むのか注目された。
先ず欠点だが、鳶の頭・政五郎に粋さ、剣術指南・楠運平橘正友に無骨さが欠けているなど人物描写に不満が残った。しかし噺の細部に三三独特の工夫がされており、途中ダレルこともなく最後まで緊張感を保ったのは立派だ。
完成度が低いと言うのは、それだけ伸びシロがあるということでもあり、年齢を重ね稽古を積んでいけば、名演の領域に近づけると思う。

―仲入り―
「崇徳院」
百人一首を題材にした落語には、他にも「千早ぶる」などのネタがあるが、この「崇徳院」の方は滑稽な中に品の良さが要求される難しい演目だ。三代目桂三木助が極め付けである。
三三の高座は冒頭で「熊さん」を「頭」と言い間違えたり、人物描写も大旦那に風格が欠け、床屋の親方の口調が「頭」のような口の利き方になるなど、人物描写が粗い。三三本人もプログラムで言っている通り、師匠から「みやびな空気が毛ほどにも感じられない」と酷評されたようだが、まだまだ仕上げが必要だろう。
その一方、話の中に当日のネタであった「道灌」や「三軒長屋」のクスグリを入れるなど演出が工夫されていて、観客を喜ばせていた。

ネタの選び方にやや背伸びを感じる向きもあるだろうが、果敢に大ネタに挑戦する姿勢は大いに評価できる。全体としては現在の柳家三三の力を示す、恰好の独演会となった。

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