太田誠一の「放言」麻生太郎の「方言」
8月10日のTV番組で、太田誠一農水相が食の安全について「消費者がやかましいから徹底する」と発言したことが問題視されていますが、一番イケナイのは言葉が足らないことです。より正確に、
「(やりたくないが)消費者がやかましいから(止むを得ず)徹底する」
と表現しておけば、もっと分かり易かったんです。
農水省の基本姿勢としては、これからも生産者側、企業側に立った行政を進めるという決意を表明したものです。彼らにとっては、消費者は「やかましい」存在でしかありません。だから発言を撤回しない。
自民党役員会で、太田農水相の発言を擁護する意見が多かったようですが、これも自民党の姿勢としては当然です。
やれ「国民目線」だの「消費者保護」だの言っているが、そんなことはあくまで目先の選挙対策であり、産業側の番犬であるという本質はこれからも変わらないでしょう。
いくら福田首相が強調したところで、「どうせ直ぐに代っちゃうしな」とタカを括っているのでしょう。「次の総裁はオレだから」と、最近の麻生幹事長の言動には、そうした思いが表れています。
もっともそんな事、ご本人は「口が曲がっても」言えないでしょうけど。
ただ19日の麻生幹事長の記者会見は、頂けないですね。
太田農水省の発言に対して、「関西以西では、やかましいって、みんな言うだろうが。うるさい、騒々しいという意味じゃない。『あの人、選挙にやかましいもんな』って言ったら、くわしい、プロ、そういったのをやかましいと言う。『よく知っている』という意味だ」という内容でしたが、これは変です。
関西以西でも、「やかましい」は「うるさい」と同義語で使われます。「やかましい=よく知っている」という訳ではありません。「方言」のせいにするのは、いかにも姑息では。
ちなみに「大辞林」では、「やかましい」「うるさい」の意味を次のようにしています。いずれも誉め言葉としては使われない。
【やかまし・い】
(1)音や声が大きすぎて、不快に感じられる。さわがしい。
(2)世間で人々が口々に言い立てている。
(3)手加減なく相手を拘束しようとするさまである。きびしい。
(4)自分の趣味に固執してあれこれ言い立てるさまである。好みがむずかしい。
(5)煩わしい。面倒だ。
【うるさ・い】
(1)音が大きいのがじゃまになる。音が大きいのでやりきれない。やかましい。
(2)しつこくて、やりきれない。
(3)小さいことまで、いちいち文句を言うのでいやだ。口やかましい。
(4)物事に対して見識をもっていて、細かいところまで気にするさま。
(5)面倒くさくて、いやだ。わずらわしい。
(6)いやになるほどに優れている。完全で親しみが持てない。
(7)技芸が優れている。うるせし。
(8)わざとらしくて、いやみだ。きざっぽい。
麻生幹事長、マンガも結構ですが、たまには日本語の辞書を開いて見ることをお薦めします。
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