« 敢えて「山本モナ」を擁護する | トップページ | 【寄席な人々】独演会に「前座」を出演させるな »

2008/08/04

天下たい平vol.28@横浜にぎわい座

Taihei横浜にぎわい座で定期的に開かれている林家たい平独演会「天下たい平」、8月3日の今回が数えて28回目、この小屋の呼び物としてすっかり定着しました。“笑点”レギュラーとしての人気もあるのでしょうが、客席は補助椅子も出る盛況ぶり。やはり、継続は力なりです。マスメディアで売れても修行を怠らず、地道な努力を続ける林家たい平の姿勢には好感を持てます。
かつてTVの寵児としてもてはやされ、人気に溺れているうちに、気が付いたらイイ年になってもマトモな噺一つできず、相も変わらず漫談でお茶を濁している協会幹部たちが反面教師です。

1席目は「たがや」
高座に登場して気になったのは、たい平の顔色の悪さでした。どこか体調でもすぐれなかったのでしょうか。客席で手拭いをかざしていた客に注意したり、ちょっとナーバスな印象を受けました。
免許証が失効したので、再チャレンジしているネタで若者の生態をマクラにふりましたが、浴衣の着付けを実演してくれたのは親切でした。着物というのは、着付け自体も色気が必要なんですね。
噺家か中元を持参して届けるというのは、参考になりました。中元も歳暮も本来は双方が顔を合わせることに意義があったのでしょうから、現在の形式だけの贈答は無意味になりつつあります。
季節感を織り込んでの「たがや」、たがやの啖呵の切り方はもう少し颯爽として欲しいところです。旗本が槍を構えるところは、旗本らしい風格が欲しい。全体に平板な印象を受けました。
決着が普通の形と異なっていましたが、ここは賛否があるでしょう。

ゲストの色物は「ふくろこうじ」。帽子、ステッキ、シガーボックスを使ったコメディジャグリングとパントマイムを織り交ぜたパフォーマンスでした。
初見ですがなかなか見事な芸でした。大道芸の出身かも知れませんが、劇場での演出にはもっと見せる工夫が必要でしょう。

2席目は「薮入り」
マクラで師匠こん平の内弟子を6年半やったことを紹介していました。芸名も最初は「たいぺい」だったのが、女将さんの口添えで「たいへい」に変わったというのも初めて聞きました。
落語家の前座修行は、最近出版されて話題になっている立川談春の「赤めだか」に詳しく書かれていますが、想像以上に大変ですね。この本を読むと、噺家が個人事業主であることが良く分かります。
落語家は昔から「馬鹿じゃできない、利口はやらない。」と言われてきましたが、今や利口でないと出来ない職業になりました。
さて「薮入り」。熱演でしたが、父親に無骨さが足りません。
このネタに限らず、たい平の演じる人物像は、全体にマイルドです。そのためか、噺の奥行きが浅く感じられます。
人柄が良すぎるのでしょうか。

|

« 敢えて「山本モナ」を擁護する | トップページ | 【寄席な人々】独演会に「前座」を出演させるな »

寄席・落語」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/82117/42058033

この記事へのトラックバック一覧です: 天下たい平vol.28@横浜にぎわい座:

« 敢えて「山本モナ」を擁護する | トップページ | 【寄席な人々】独演会に「前座」を出演させるな »