トン・コープマン「パイプオルガン・リサイタル」@東京オペラシティ
「トン・コープマン」といえば知る人ぞ知る、知らない人は知らない、古楽器演奏の「ドン」。オルガンやチェンバロの演奏家としても第一人者だが、クラシック音楽ファンにとっては、アムステルダム・バロック管絃楽団の設立者であり指揮者である方が、お馴染みだろう。
そのコープマンの「パイプオルガン・リサイタル」が、9月24日東京オペラシティコンサートホールで行われた。出かけた動機は、一度聴いて見たかったという単純なもの。パイプオルガンというのはよくコンサートホールや教会に据えられていて、1,2度演奏をチラリと聴いたことはあるが、本格的なコンサートは初体験だ。
当日の演奏プログラムを下に書いた。なに、知ってる曲が無いって? そうでしょう、私も知らないもの。ブクステフーデとかクープランという作曲家の名前、初めて目にした。バッハなら私でも知ってますよ。
[プログラム]
ブクステフーデ:前奏曲とシャコンヌ ハ長調
“来たれ精霊、主なる神”
パッサカリア ニ短調
“ああ主よ、あわれなる罪人のわれを罰したもうな”
“暁の星のいと美しきかな“
前奏曲とフーガニ短調
“わが魂よ、今ぞ主をたたえよ
クープラン:2つのミサ曲よりなるオルガン小品集
J.Sバッハ:幻想曲 ト長調
“おお、愛する魂よ、汝を飾れ”
“バビロンの川のほとりで”
小フーガ ト短調
パッサカリアとフーガ
[アンコール]
JSバッハ:“われ汝に呼ばわる、主イエスキリストよ”
スカルラッティ:ソナタ ト短調
会場入り口でパンフレットが配られ、当日のプログラムと演奏家と曲目の簡単な紹介が載っていた。これは大変良いことだ。他のコンサートや芝居でも是非見習って欲しい。
ただ中味の文章が、私らシロウトには難解なのが欠点だ。
例えば「受難のコラールによるコラール前奏曲。定旋律は、冒頭以外は変奏ないしは装飾して現れる。」という文章、ウーン、サッパリ分からん。こういうのが理解できない人は、こういうコンサートに来てはいけないのかも知れないが。
ブクステフーデという人はバッハより50年程前に活躍したドイツのオルガニストで、バッハに多大な影響を与えた人物だということだけは分かった。
演奏会の感想だが、先ずパイプオルガンという楽器は実に多彩な音色を出すんだなと感心した。金管楽器の音から角笛や竹笛に似た音まで、さすが楽器の女王とか王とか呼ばれるわけだ。
前半のブクステフーデやクープランの曲は全体に単調で、聴いていて正直退屈した。
しかし後半のバッハの曲になると俄然違ってくる。曲の中に物語性を感じる。演奏しているコープマンの背中が前後左右に激しく揺られ、聴いているこちらの脈拍も少し早くなってきた。音楽的にうまく説明ができないけど、バッハって偉大なんだなと再認識させられた。
コープマンの演奏は初めて聴いたわけだが、抑制的な部分と情熱的な部分のバランスが巧みだなという印象を受けた。
初心者としては、バッハの曲を主体にプログラムを組んで欲しかったと思う。
コープマンは来年3月、アムステルダム・バロック管弦楽団を率いて来日、演奏会を行う予定。
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