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2008/09/24

【福岡小1殺害】この子を殺したのは誰?

Tomiishi_kaoru福岡市西区の小戸(おど)公園で、市立内浜小1年、富石弘輝(こうき)君(6)が殺害された事件は、母親の会社員薫容疑者(35)が殺人容疑で逮捕されるという、実に後味の悪い結末をむかえた。
この事件、我が家でも当初から母親の犯行だろうと噂していたが、犯行動機が思い浮かばなかった。その時妻が、「男の子に障害があったんじゃないの」と言うので、私は「まさか」と応えていた。結果は妻の推定通りであり、女の勘の方が鋭かったということだ。

現在警察での取調べの最中であり、事件の全容は未だ明らかでないが、現在までの報道から判断すると起こるべくして起きた事件だと思われる。少なくともTVのワイドショーでコメンテーターが発言しているような、「実の我が子をなぜ」というような視点には立てない。
障害児も持っていても、立派に育てている親もいるではないか等と一般論を喋ったところで、何一つ解決されない。

先ず大きな不幸だったのは、母親に障害があったということだ。トイレの使用にも介護を要する程だったというから、特に活動の活発な男の子の世話はさぞかし大変だったと思う。
もう一つは、弘輝君に軽度の発達障害があったことだ。急に騒いだり走り出したりしたということから、恐らくは注意欠陥、多動性障害(ADHD)の傾向が認められたものと思われる。そのため小学校も特別支援学級に通っていた。
処が、特別支援学級が当初住んでいた地域の学校に無くて、内浜小に通わせるために転居せざるを得なかった。そうなると知らない土地で、悩みを打ち明ける人も近くにいなかったのだろう。

仕事を持つ親のために、放課後も子どもを見てくれる学童クラブという制度があるのだが、体調不良で休職中だとの理由から学童クラブには入れてくれなかったとの事。
しかし市の対応はあくまで口実で、本当は障害があって手が掛かるので、てい良く断られたのではないかと私は推定している。

なぜ夫にもっと相談しなかったのか等という声もあるが、これもそう簡単ではない。確かに障害児のために一生懸命手助けしてくれている父親もいる。しかし現実にはそうで無いケースだって、世の中には沢山あるのだ。
子どもに障害があるという理由で離婚する例だって多いのが現実だ。障害児が生まれたということで、夫の方の親族から冷たくされる例だって、現実には存在する。
父親としても休みの日は色々手助けできるだろうが、仕事が厳しい昨今、そう日常的に介助ができるわけではない。

出口の見えない八方ふさがりの中で、この母親が次第に追い詰められ悲観し、恐らくは精神的にも不安定な状態に陥り、犯行に及んだものだろう。
もちろん、何の罪も無い我が子を殺したというのは許されることではないし、それ自体は糾弾されて当然だ。
しかしどうだろう。こういう人たちこそ、こういう家庭にこそ社会の援助が必要であり、政治の力が必要なのではなかろうか。
福岡といえば、新首相に選出される麻生太郎を始め、錚々たる顔ぶれの政治家を出している地域である。彼らはこうした事件に直面して、自らを恥じることが無いのだろうか。

弘輝君は母親により殺害されたとしても、ここまで追い詰めたのは私たち社会では無かったのか。
こう考えると、気分が重くなるのだ。

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