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2008/10/05

ソフィア国立歌劇場「トゥーランドット」

Turandot“入場料今なら1万円引き”につられてチケットを購入。何のことはない、安売りのチラシ片手にスーパーに駆けつける主婦みたいなモンです。これだから貧乏人はイヤだね。とまあ、動機はともかく久々のオペラです。10月4日、東京文化会館で行われたソフィア国立歌劇場の来日公演はプッチニーの名作歌劇「」トゥーランドット」。

「トゥーランドット」はプッチニーの遺作で、終幕は彼の死後、フランコ・アルフィーノによって補作されました。
ストーリーは、舞台は北京。美しきトゥーランドット姫と結婚するには3つの謎を解かねばならない。しかも失敗すれば首を切られる、という昔からよくあるお伽噺の世界です。
そこにダッタンの前国王ティムールと女奴隷リュー、そして王子カラフが現れ、姫にひと目惚れした王子カラフが姫の謎解きに挑戦します。
その後色々あって、最後に二人は結ばれてゆくというハッピーエンドで終わります。

他愛ない物語ですが、この芝居、歌劇には珍しく台本がしっかりと出来ていて、最も特徴的なのは、群集の描き方です。
幕開けでペルシャ王子が処刑に向かうシーンでは興奮し、いざ王子の顔を見ると同情し、姫の謎解きではカラフを応援し、王子の名を暴く時は彼を責め立て、奴隷のリューが死をもって王子の秘密を守ると一転して王子の味方になり、二人が結ばれると祝福する。実に民衆というものは気まぐれなものだと主張しているわけです。
このオペラは、群集シーンと合唱(ソフィア国立歌劇団合唱団)がもう一つの見所となります。
音楽はエミール・タバコフ指揮、ソフィア国立歌劇団管絃楽団、演出はプラーメン・カルターロフ。

感想ですが、とても良かったですよ。先ず主役の3人の声が良い。
第2幕でトゥーランドット役のマリアナ・ツヴェトコヴァが歌うアリア「この宮殿の中で」、堂々としたドラマティック・ソプラノで歌いあげます。
第3幕では幕開けのシーンで、荒川静香の金メダルですっかり有名になったアリア「誰も寝てはならぬ」が歌われますが、この王子カラフ役のカメン・チャネフのテノールが実に素晴らしい。突き上げるような澄んだ若々しい声で、観衆を魅了していました。
奴隷リュー役のツヴェテリーナ・ヴァシレヴァですが、この役柄は悲劇のヒロインで、自殺シーンで歌う「氷のような姫君の心も」では、甘く切ないリリック・ソプラノで泣かせます。まさに「泣かせのプッチニー」の面目躍如。
「声の王国ブルガリア」の宣伝文句に恥じない、見事な歌唱でした。

オペラは一にも二にも声次第です。
シャープなデザインでエキゾティズムを演出した美術(ミルドラグ・タバキ)が、舞台を引き締めていました。

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