女性はなぜ長生きするか
私が住む集合住宅も築30年を越え、当初に入居した人たちが高齢になって亡くなるケースが目立つ。それもご夫婦の場合、例外なくご主人が先に亡くなっている。日本人女性の平均寿命が世界一だということを、日々実感している。
日本人が長生きする理由として、一つには永いあいだ戦乱が無かったことがあげられるだろう。世界を旅してつくづく感じることは、第二次大戦後一度も戦争もなければ内乱もないということが、どれほど幸せかということだ。それから平均所得が比較的高いということも理由の一つだ。長寿の国というのは例外なく経済先進国だ。医療制度が進んでいるというのも、大きな理由だろう。
こうして長生きの理由を並べていくと、これからの日本人の平均寿命には異変が起きてくるかも知れないという予感がする。
それにしても日本人の平均寿命だが、女性の方が男性に比べおよそ7歳も上回っているのはなぜだろう。勿論、世界的に見ても女は長生きなのだが、男女で7歳も差があるのはざっと見て日本とフランスぐらいだ。この理由は一体なぜなんだろう。
外国の事情は良く分からないが、日本人の夫婦の場合、妻に先立たれると夫も後を追いように亡くなるケースが多いが、夫に先に死なれた妻はかえって長生きするようだ。つまり男の側は依存心が強く、女は自立心が強いという事だろう。自立心=生命力と考えれば納得がいく。
老年になって、女性の方がアクティブになるというのも理由の一つかも知れない。私が定年退職した直後、女房から「あなたは引きこもり」と散々言われた。自分では同年輩の男と比べても活動的だと思っているが、妻から見ればこれでも「引きこもり」と映るらしい。ということは、女がいかにアクティブかという逆の証明でもある。確かに毎日どこかに出掛けていて、感心する。
亭主を早死にさせる方法で最も有効なのは、毎日嫌なことを亭主に吹き込むことだそうだ。それで思い当たるのは母親が更年期の頃から毎日毎日父に、ここが悪いあっちが痛いとと訴えていたことだ。嫌な顔をして聞いていた父は60代で亡くなったが、病苦を訴えていた母は90代まで生きた。
男は勤め先であった嫌なことを家庭に持ち帰らない傾向があるが、奥さん方は概してその逆だ。
ちょうど母の年齢に達したあたりから、妻も日々身体の不調を訴えるようになった。一日として気分爽快という日はないようで、常に苦痛を抱えている。さぞかし辛いだろうと同情していると、これが朝から晩まで外へ出歩いているの。この辺がどうも良く分からない。
ある程度年をとってくると、確かに身体はガタが来ていて、どことなく具合が悪いと感じるものだ。でも男は家人に対してあまり口外しない。よほど悪ければ医者に行くし、それ程でなければ我慢する。それがいけないのかも知れない。知らず知らずの内にストレスがたまるのだ。
女性の方はといえば、夫に話すことによりストレスを発散、それを受け止める夫の方は、更に妻のストレスの分まで抱え込んで早く死んで行く。
かくして落語のオチではないが、「アア、俺は短命だ」という結末になるのだ。
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コメント
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>かくして落語のオチではないが、「アア、俺は短命だ」という結末になる
それはうらやましい限りです、俺ちゃんは多分長命だと思うので(笑)
投稿: ロング | 2008/10/05 07:41
ロングさま
コメント有難うございます。
アッチの話ですか。アッチの方は永のご無沙汰で、もう遠い昔の世界になりました。
毎夜迫られて短命になんて、それはそれで幸せな人生でしょうね。
投稿: home-9(ほめく) | 2008/10/05 09:53