何を今さらの「麻生首相の豪遊」批判
麻生首相が毎日のように高級料亭や一流ホテルで飲食をしていることがヤリ玉に上がっている。いわく「庶民感覚とずれている」というのだ。当たり前ではないか、元々麻生太郎は財界人であり、庶民の生活などとは無縁の人間だ。
麻生総理に庶民感覚を求めるのは、「木に魚を求める」ようなものだ。
九州以外の地域の方には馴染みがうすいかも知れないが、福岡で麻生財閥といえば泣く子も黙る存在だ。
創業130年以上の歴史を持ち、現在もセメント、不動産、教育、商社、病院など幅広く事業展開を行っていて、グループの中核企業である「株式会社麻生」を始めとして約40社をその傘下におさめている。
また吉田茂元首相の政治資金を面倒見ていたことでも知られている。吉田茂とは金縁関係である。
麻生首相はそのトップにいた人物であり、元来が大金持ちのボンボンだ。
詳しく調べたわけではないが、日本の総理大臣で財閥のトップ出身というのは、麻生太郎が初めてではなかろうか。
自民党の総裁選では、やれ庶民派だのオタクだのと宣伝していたが、あれは財界人であることを意識して、ことさら庶民性を強調したものだ。それを真に受けて麻生太郎を支持していたとしたら、余りに思慮が足りない。
今回の豪遊批判のきっかけは、麻生総理大臣が10月19日に、東京都内のスーパーマーケットを視察したことだ。誰のアイディアだか知らないが、よせば良いのにと言いたくなるほどの、あざとい演出だった。
あの姿を見て、フランス革命前に民衆が貧困と食料難に陥った際に、マリー・アントワネットが、「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」と言ったとされるエピソード(事実ではないらしいが)を思い出してしまった。
普段、庶民の生活に認識も関心を持たない人間に対して、急に品物が足りないの物価がどうのと説明したところで、本人も困るだろうし、第一なんの意味も無い。
料亭や高級レストラン通いも、麻生首相にとっては昔から続けてきたことであり、生活習慣なのだ。もしそれが悪いというなら、そういう人物を総理に選んだ方にだって責任がある。
この「豪遊」批判は政治の本質的問題ではない。
それより、麻生政権が国民の生活に全く目を向けていないことの方が、政治の本質に係わるのだ。
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» 問題は麻生首相のホテルバー通いより番記者にあり [ハズレ社会人]
オツカレです。
こんなことではぶら下がり自体が必要ないのではないか。
[23日 日経]首相、ホテルのバー「どなたでも来ているところ」
麻生太郎首相は23日午前、「ホテルのバーは安全で安い」などの... [続きを読む]
うーむ、庶民を売りにするとは、「本当はそんなのない」の裏返しだったんですね。納得しました。
投稿: yamazaki | 2008/10/24 18:00
yamazaki様
コメント有難うございます。
田中角栄のころから総理大臣に電通などの広告代理店がついてイメージアップすることが、常套化されています。服装から表情、喋り方まで彼らの手が入っています。
今回の騒動は、「庶民派」の過剰演出が逆効果となったもので、かえって化けの皮が剥がれてしまいました。
投稿: home-9(ほめく) | 2008/10/26 08:21