アルメニア・フィルハーモニー管弦楽団@東京OC
先年エルサレムを訪問した際に、アルメニア正教の立派な教会があり驚いたことがある。その時アルメニアが世界で最初にキリスト教を承認した国であることを知った。だから今でもアルメニア正教は権威があるのだ。
アルメニアは又、ハチャトリアンを生んだ国としても知られている。
ソ連時代はソ連邦に組み込まれていたが、現在は独立して独立国家共同体(CIS)の一員となっている。
その国からアルメニア・フィルハーモニー管絃楽団が初来日しての公演、11月22日は東京オペラシティでの演奏会があった。楽団の設立当時からロシアとの関係が深く、現在も演奏曲目の多くはロシアの作曲家の作品が多いようだ。
いつものクラシックコンサートに比べ若い観客が多かったようだが、演奏曲目がポピュラーな選曲のせいだろうか。
指揮者:エドゥアルド・トプチャン
ヴァイオリン:カトリーヌ・マヌーキアン(写真)
管弦楽:アルメニア・フィルハーモニー管弦楽団
(コンサートマスター:セルゲー・アジジアン)
マヌーキアンはカナダ人だがアルメニアの血をひいているとのこと。
当日のプログラムは次の通り。
ハチャトゥリアン 「バレエ組曲「ガイーヌ」より 剣の舞、レスギンカ舞曲 ほか」
チャイコフスキー 「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調」
リムスキー=コルサコフ 「交響組曲『シェヘラザード』」
一曲目のハチャトリアン「ガイーヌ」よりの演奏が始まる。生き生きとした楽しそうな演奏ぶりで、自国の偉大な作曲家への誇りを感じる。
二曲目のチャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」だが、実はライブでこの曲を聴くのは初めてだった。ヴァイオリニストの高度な技巧が要求される、難曲中の難曲だということが良く分かった。
マヌーキアンに一言、舞台ではもっと優雅に歩いて欲しい。私が見たところでは、一流の演者は揃って立ち振る舞いが優雅である。
隣席の若い男性は演奏開始後すぐに熟睡状態に入り、演奏終了直前に目を覚ましていたが、終わると盛大な拍手を送り続けていた。演奏者は拍手に騙されぬよう気を付けねばなるまい。
三曲目のリムスキー=コルサコフ「シェヘラザード」は、スマートさよりエネルギッシュで泥臭さが強い演奏だったと思う。こういう演奏もアリだろうが、ただ全体にやや粗い印象を受けた。
アンコール曲はボロディンの「ダッタン人の踊り」を、これも楽しそうに。
こういう肩の凝らないコンサートも良い。
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