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2008/12/27

「千葉幼児殺害事件」残された疑問

千葉県東金市の保育園児成田幸満ちゃん(5)の遺体が見つかった事件で、東金署捜査本部は12月26日、殺人容疑で無職勝木諒容疑者(21)=死体遺棄容疑で逮捕=を再逮捕しました。
また最初の逮捕容疑であった死体遺棄に関しては、千葉地検は処分保留としています。
捜査は一つのヤマ場を越えたかに見えますが、未だ多くの疑問が残されています。
最大の問題点は今のところ容疑者の自供のみで、その反面、物証に乏しいという印象を否めません。

先ず最初の容疑である死体遺棄ですが、報道では、被害者の着衣が入れられ捨てられていた袋に、容疑者の指紋がついていたのが唯一の物証のようです。
しかし遺体を遺棄したのであれば、被害者の遺体や着衣から指紋が出なければ変です。手袋をしていた可能性はありますが、それならなぜ袋には指紋が残されていたのでしょうか。
こうなると、最初の死体遺棄についても未だ立証がされていないと思われます。

次に殺害容疑についてですが、捜査本部の発表では、
・勝木容疑者は幸満ちゃんを風呂で水に沈めて殺害したことを認める供述をしている。
・動機について、自宅に来た幸満ちゃんに帰るよう促したが帰らなかったため腹が立ったという趣旨の供述をしている。容疑者の供述では、その間、幸満ちゃんが勝木容疑者の部屋で、本を読んでいたと話している。
・勝木容疑者は9月21日午前11時18分から午後0時26分までに、東金市東上宿の自宅の浴槽で幸満ちゃんを水に沈め、殺害した疑い。
とされています。

被害者が一定の時間、容疑者の自宅の中にいたということであれば、室内から指紋や髪の毛などが検出されなければいけないでしょうが、今のところ幸満ちゃんの髪の毛や指紋などは見つかっておりません。
勝木容疑者の状況からすれば、母親が帰宅するまでに完全に証拠を隠滅したとは考え難いのであり、ここでも物証が出ていないのは大きな疑問です。

次に殺害についてですが、風呂で水にうめたという発表ですが、これも本人の供述だけのようです。
法医学講座のサイトの下記URLで、溺死(水死)についての詳細な解説がなされているので、参照してください。
http://www3.kmu.ac.jp/legalmed/lect/drown.html
この中で溺死について次のように定義されています。
・溺死 drowning:体外より気道を通じて侵入した液体により、気道内腔が閉塞されて起こる死。
・溺水 (吸引した液体) による窒息。
・水浴死:冷水中に入って低温刺激によって起こる死。溺死ではない。
これによれば、同じ窒息死でも溺死と通常の窒息死では、遺体の外部及び内部所見はまったく異なるので、解剖の際の所見がどうであったかが判断材料となります。

被害者の肺の中に水が入っていたということ、髪の毛が濡れていたということから供述が裏付けられたという見解ですが、この点は雨と風呂の水とでは成分が全く異なります。
捜査当局として、容疑者の自宅の風呂に残された水と、被害者の体内及び髪の毛の中の水が同一のものであることを立証せねばなりません。

勝木容疑者の状況から、本人の自供に頼った捜査では、判断を誤ることになりかねません。
大事なことは一にも二にも証拠固めであり、その大部分は今後の捜査にかかっています。

本事件とほぼ同時期に行われた舞鶴女子高生殺害事件の捜査は、その後どうなったのでしょうか。
京都府舞鶴市の高校一年小杉美穂さん=当時(15)=が殺害された事件で、舞鶴県警は、死体遺棄の疑いで遺体発見現場の近くに住む無職の男(60)=窃盗罪で起訴=の自宅の捜索を6日間続け、12月3日終了しています。押収品はおよそ6千点に及んだとされていますが、今までのところ、事件の解明につながろような証拠は見つかっていない模様です。
強引な捜査という批判があっただけに、こちらもその行方が気になるところです。

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