「警官の下半身露出」犯罪じゃないって、うん?
数ある性犯罪の中でどうも理解に苦しむのは、男が女性の前で下半身を露出させる「公然わいせつ罪」だ。学校の保護者などを対象に地域の安全情報を流されているが、不審者情報で最も多いのがこの下半身露出で、ほぼ毎日にように発信されている。ニュースでも度々報道されている所をみると、よほど愛好者が多いのだろ。ある種の愉快犯かも知れないが、私たちにはその面白さが分からない(当たり前か)。
北海道旭川方面本部管内に勤務する42歳の巡査長が、10月16日、聞き込みで訪問した女性宅で下半身を露出し、性的交渉を求めた。女性の母親が帰宅したためやめたが、後日母親が署に相談して発覚した。
この巡査長は「部屋に下着が干してあり、急にムラムラした」と話したという。
処がである。監察官室は事件性について「検討はしたが、犯罪に該当しなかった」と判断し、巡査本人を停職3ヶ月の懲戒処分(依願退職した)とし、署長ら上司3人も口頭注意とした。
これがなぜ犯罪で無いのか、道警に訊いてみたいものだ。
情景を想像してみよう。
女性が家に一人でいる時に警察官が聞き込みにやってくる。玄関を開けて話をしているうちに、いきなりその警官が下半身を露出させ「やらせろ」と言い出したら、女性はどう思うだろうか。先ずは恐怖心を覚えるだろう。普通なら「警察を呼ぶわよ」と叫ぶところだろうが、相手がその警察なのだ。
玄関先で下半身を露出されるだけでも恐怖だろうが、まして姦淫を迫られたのだ。
運良くそこへ母親が戻ってきたから良いものを、場合によっては暴行事件になっていた可能性だってある。
下半身露出だけなら「公然わいせつ」でもちろん犯罪だが、更に姦淫を迫ったとしたら、むしろ「強制わいせつ」ではなかろうか。
刑法第176条の条文では、「十三歳以上の男女に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上七年以下の懲役に処する。十三歳未満の男女に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。」となっている。
被害者の女性が恐怖心を抱いたとすれば脅迫にあたると考えられ、その場合「強制わいせつ罪」と認められれば重罪に処せられる。
北海道警の「犯罪でない」という判断は、あまりに身内に甘いものだと言わざるを得ない。
鳥井優二監察官室長は「警察官として誠に遺憾な行為。今後より一層、指導教養を徹底し再発防止に努めたい」とのコメントも、ただ空しく聞こえる。
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