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2009/01/07

イスラエルよ、驕るなかれ

ただいま当ブログは休止中ですが、こんな記事を見て黙っていられなくなりました。それは、イスラエル軍が12月29日、動画共有サイト「ユーチューブ(YouTube)」に専用チャンネルを立ち上げ、パレスチナ自治区ガザ地区で行っている空爆などの模様を撮影した動画を公開したとの報道です。
一体、イスラエル政府というのはどういう感覚を持っているのでしょうか。
世の中にはやって良い事悪い事がある筈で、他国の領土に入って住民を虐殺する光景を世界に配信して、何が面白いのでしょうか。イスラエルのやり方は、この一線を越えています。

イスラエルのガザ地区への侵攻は、空爆に引き続き地上軍の投入により、日を追ってパレスチナ側の被害は大きくなっています。
昨年12月27日の軍事作戦開始から1月6日までのパレスチナ側の死者は少なくとも子ども160人を含む635人、負傷者も2900人を超えています。特にここにきて、一般市民らの犠牲者拡大が顕著となってきました。
学校も攻撃のターゲットにされています。
国連の学校への攻撃では、2台の戦車の砲弾による爆破で、学校に避難していた難民や周辺の住民が犠牲になりました。
またガザ南部の都市ハンユニスの学校も、イスラエル軍の攻撃に遭って2人が死亡。ガザの難民キャンプにある学校も空爆で3人が死亡しています。

事態を憂慮して、世界各国からイスラエルの軍事行動への非難の声があがり、停戦への調停の動きもありますが、いかんせんアメリカがイスラエルの軍事行動を支持しているため、身動きが取れない状態になっています。
米国は中東での覇権を打ち立てるために、イスラエルに対し軍事援助を行ってきました。イスラエルの核兵器保有も黙認し、中東全体に対するアメリカ/イスラエルの軍事的優位性は圧倒的なものになりました。
アメリカにたて突いていたイラクは、アルカイダ掃討の口実のもとに米軍に侵攻されて政権が転覆し、すでに親米政府に変わっています。
中東各国は、次々とアメリカ/イスラエルの軍門に下り、残るはイラン、シリアなど、ほんの僅かとなりました。
特にイランの核開発には神経を尖らせています。これを許しておけば中東の軍事バランスが崩れる恐れがあるため、早急に口実を設けてイランへの先制攻撃を仕掛けたい、これがアメリカの本音です。
しかし、米国が直接イランへの攻撃を開始するというのは、現状では避けたい。イランへの軍事行動はロシアなどの反発を招く恐れが十分です。
そこでイスラエルを使って、イランへの専制攻撃をやらせる。これならイスラエルの自衛という大義名分が立つし、米国が矢面に立つのを免れるというわけです。

うがった見方かも知れませんが、今回のイスラエルのガザ地区への攻撃の最大の目的は、対イランへの軍事挑発ではないかと思っています。
これでもかこれでもかと一方的な破壊と殺戮を続けていれば、やがてイランが乗り出してくるだろう。そのタイミングを狙って、今度はイランへの攻撃を仕掛ける。つまり敵は本能寺にありというわけです。
そう考えれば、ガザ地区での住民虐殺のシーンを動画で全世界に配信するイスラエルの意図も見えてくる気がします。
オバマ大統領の誕生に期待を抱く向きもあるかと思いますが、アメリカの中東政策が根本的に転換される可能性は先ず無いと思われます。

アメリカという虎の威を借りたイスラエルは、これからもやりたい放題でしょう。
しかし、その天下はいつまで続くのでしょうか。
イスラエルの勝利は、一方でイスラエル、あるいはユダヤ人に対する憎しみもまた増幅されていくというのも、歴史の必然ではないでしょうか。報復が次の報復を生む、そうした歴史の繰り返しは避けたい。
盛者必滅。「イスラエルよ、驕るなかれ」です。

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コメント

イスラエル情勢の緊迫化の背後に、ハマス以外の要素などを感じてしまいます。
インディファーダーという市民レベルでの抵抗運動も最近、復活しつつあるようですから、注意してみる必要性があります。

レバノンのヒズボラとの連動性含めて、イスラエル国内の選挙動向など複雑な要因がありますが、ヒズボラ・ハマスの高いレベルでの軍事的連動に至ると危険でしょう

冥王星さま
コメント有難うございます。
ハマスとヒズボラが手を結ぶ可能性は、現状では無いと思われます。
ハマスはテロ集団のごとく宣伝されていますが、元々はイスラエルの攻撃によって被害を受けた人々の救済機関であり、スンニ派の組織です。
対するヒズボラは、シーア派のテロ組織であり、この両者は全く異質です。
レバノンの国内状況からしてもヒズボラがスンニ派と共同歩調を取るとは考え難いのでは。
もし対イスラエルという立場で両者が共同行動に進むようになれば、それこそイランを巻き込んだ中東戦争に発展するという、最悪のシナリオになると思われます。

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