「ガッツポーズ」なぜ大相撲だけダメなの?
私はかねがね、スポーツ選手のガッツポーズを不快に感じていた。勝者の向こうには必ず敗者が存在している。勝利に驕るだけでなく、敗者への思いやりも必要だと思うからだ。
だから大相撲初場所千秋楽(1月25日)で優勝を決めた朝青龍が土俵上でガッツポーズをした問題で、横審から苦言を呈され、武蔵川理事長から高砂親方を通じて注意があったのは当然だと思っている。朝青龍は一応反省の言葉を口にしたらしいが、本心から謝っているとは誰も信じないだろう。
ガッツポーズが品格を欠くということなら、別に大相撲だけに止まらないはずだ。
例えば柔道で、やはり勝者がガッツポーズをしているのを度々見ている。同じ伝統的競技なのに、柔道なら構わないのだろうか。
やってはいけないのであれば、どのスポーツでも同じではなかろうか。
今は日常的な光景になっている日本のプロ野球でも、かつてはガッツポーズをする選手は少なく、特にスター選手や一流選手はやらなかった。ホームランを打った選手は嬉しいだろうが、その反対側には打たれた投手がいる。三振を取れば、その裏に三振に倒れた打者がいるのだ。ガッツポーズは相手方への侮辱とも受け取られるから、相手の目の前ではやらなかった。
聞くところでは、米大リーグでは今でもガッツポーズは避けているようで、そうなると武士道精神うんぬんというわけでもなさそうだ。
競技中は、勝利の喜びは静かに抑えて表現したらどうだろうか。ゲーム終了後に、いくらでも爆発したら良い。
プロスポーツの場合は、ガッツポーズがショーアップや観客サービスという意味会いを持つというのも否定できないが、むしろアマチュアスポーツこそ原則禁止にしたらどうだろうか。
特に高校野球でのガッツポーズは、実に見苦しい。教育の一環として行う競技こそ、選手にマナーをしっかりと躾けることが肝要だろう。
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朝青龍に限らずスポーツ選手のガッツポーズに賛否両論があるのは事実です。
しかし、タケチャンマンが問題にしたいのはガッツポーズが是か非かではなく、否とした相撲協会の態度です。
高砂親方を呼んで注意したそうですが、今や高砂親方が事実上、朝青龍をコントロール出来ていないのは火を見るより明らか。
それを知りつつ、モンゴルに帰国した本人ではなく親方を呼んで注意し「協会としては横審の勧告を尊重してやるべき事をやった」「これで協会は義務を果たした」とする態度です。
今までの時太山の死亡事件、ロシア人力士の大麻事件、どの事件に際しても各力士の躾けは各部屋の親方の範疇、理事長を始めとした協会幹部にはどうしようもないという態度でした。
各部屋が独立した商店、相撲協会は商店街組合に過ぎない。
このような位置付けに終始していて相撲界の浄化は出来るのでしょうか?
投稿: タケチャンマン | 2009/02/01 22:01
タケチャンマン様
コメント有難うございます。
相撲界から不祥事がなくなるかどうか、私の見解はニューエントリーに記した通りです。
付け加えれば、相撲取りが「男芸者」なら、親方は「芸者置屋の主」でしょう。玉(ギョク)の稼ぎの多い売れっ子芸者には、主人だってあまり文句は言えません。
朝青龍はかくしてやりたい放題になるわけです。
投稿: home-9(ほめく) | 2009/02/02 11:11