「実話」総理
かつてある漫才のネタにこんなのがあった。
「実は・・・、実は・・・、実は・・・、」
「さっきからあんたの話は“実は”ばっかりだね。」
「はい、いつも“実話雑誌”を読んでるもので。」
“実話雑誌”、実話誌とも呼ばれていた。かつて誌名に「実話」がついた雑誌がたくさん出版されていたが、内容がいわゆるエログロ、芸能ゴシップの裏話記事を主体としていて、真実とはほど遠い“いかがわしい”雑誌の代名詞となっていた。
麻生首相は今から数年後には、間違いなく次の発言をしているだろう。
「実はあの時、オレは給付金には賛成じゃなかった。だけど総理大臣だったので反対できなかった。」
受け取る人間を「さもしい」とまで表現した麻生首相は、いま進めている定額給付金制度に反対なのは明らかだろう。本当はやりたくない、でも連立の公明党がヤイヤイ言ってくるから仕方なくやっている、そういう表情がありありと見えるのだ。
2月5日の予算委員会で、麻生総理は「私は郵政民営化に賛成じゃなかった」と答弁し、民営化担当ではなかったかとの指摘には「反対だったので(担当を)外されていた。濡れ衣を着せられると、おれもはなはだ面白くない」と語った。
寅さんじゃないが「それを言っちゃあオシマイよ」であり、郵政民営化で民意を問われた我々国民は、ただただ唖然とするばかりだ。
小泉政権のもとで常に要職にあった麻生太郎氏のこの発言が真意だとすれば、私たちは詐欺にあったようなものだ。
麻生首相から名指しされた竹中平蔵(当時郵政民営化担当大臣)は「あの選挙はなんだったのか。すぐに選挙をやり直せということだ」と語り、自民党の山本一太議員は「今すぐ衆院選挙をやって、もう一回国民の信を問わないと理屈に合わないと」と述べた。
もう一度選挙だって! やれるものならやって貰いましょうよ。
今度は国民も詐欺にあわぬよう、気をつけますよ。
「実は、実は」と、これじゃまるで「実話」総理だ。
中味が「いかがわしい」という特徴も、「実話雑誌」と共通している。
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