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2009/03/19

皇室の危機(1)「反皇太子キャンペーン」

2年ほど前になりますが、当ブログで書いた皇室関係の記事が専門サイトにリンクされて、そこには皇室に関する問題をテーマにしたサイトがいくつかありました。
それらに共通しているのは、凄まじいまでの皇太子ご夫妻に対する聞くに堪えない悪口雑言です。
いずれも主張の特徴から、右翼系の人たちだと思われます。
いわく「左翼」「反日」「怠け者」などと口汚くののしり、果ては皇太子が次の天皇になると日本は滅びるとのことで、何としても阻止しないといけないなどと主張する有り様です。

そうした極論が一部のサイトにとどまらず、最近では安倍晋三さんのお友達である学者や知識人ら、一部の皇室評論家などから同様の主張が公然と叫ばれ始めてきました。
顔ぶれをみると、概ね「女帝反対」論者=「反皇太子」論者 という図式になっているようです。
その頂点ともいうべきものが「秋篠宮が天皇になる日」(文藝春秋2009年2月号)で、この記事の内容はタイトルほどは過激ではないのですが、「浩宮の作文が喜怒哀楽の感情表現に乏しく、当人の気持が伝わってこない」という、学習院当時の担任の指摘を引用までして、やはり皇太子批判を行っています。
総合誌にこうした記事が堂々と掲載されたこともあって、反皇太子キャンペーンは一層勢いづいてきたというのが、現状ではないでしょうか。
どうもこの手の人たちというのは、自分たちが気に入らないと直ぐに「反日」というレッテルを貼りたがり、「このままだと日本国が滅亡する」と悲憤慷慨するというのがワンパターンのようです。

戦前の大日本帝国憲法の下では不敬罪、大逆罪がありました。
「不敬罪」の対象とされたのは、下記の通りです。
①天皇
②太皇太后、皇太后、皇后、皇太子、皇太孫など天皇に準ずる皇族
③神宮
④皇陵
⑤②以外の普通の皇族
不敬の対象というのは皇族だけなく、歴代天皇の墳墓や神宮まで含まれていたのです。

では「不敬の行為」とはどのような行為だったのでしょう。
①軽蔑の意を表示し、その尊厳を害する一切の行為。
②公私の別を問わず、即位の前後を問わず、事実の有無を問わず、事実の摘示の有無を問わず、一切の行為。
③公然・非公然の別を問わない(日記の記述も含まれる)。
④要求される敬意を払わないことも不敬行為。
こちらも実に広範囲だったわけです。

刑罰ですが、刑法には次のように規定されていました(1947年に廃止された)。
第1章 皇室ニ對スル罪
第73条 
天皇、太皇太后、皇太后、皇后、皇太子又ハ皇太孫ニ對シ危害ヲ加ヘ又ハ加ヘントシタル者ハ死刑ニ處ス
第74条 
天皇、太皇太后、皇太后、皇后、皇太子又ハ皇太孫ニ對シ不敬ノ行為アリタル者ハ三月以上五年以下ノ懲役ニ處ス
神宮又ハ皇陵ニ対シ不敬ノ行為アリタル者亦同シ
第75条 
皇族ニ對シ危害ヲ加ヘタル者ハ死刑ニ處シ危害ヲ加ヘントシタル者ハ無期懲役ニ處ス
第76条 
皇族ニ對シ不敬ノ行為アリタル者ハ二月以上四年以下ノ懲役ニ處ス
最高刑は死刑という、極めて厳しい規定でした。

次に現在の「皇室典範」の皇位継承の規定はどうなっているでしょうか。
第1章 皇位継承 
第1条 皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。 
第2条 皇位は、左の順序により、皇族に、これを伝える。
 1.皇長子
 2.皇長孫
 3.その他の皇長子の子孫
 4.皇次子及びその子孫
 5.その他の皇子孫
 6.皇兄弟及びその子孫
 7.皇伯叔父及びその子孫
2 前項各号の皇族がないときは、皇位は、それ以上で、最近親の系統の皇族に、これを伝える。
3 前2項の場合においては、長系を先にし、同等内では、長を先にする。
つまり皇位継承順位の第一位は皇太子であり、次の天皇になられるのはほぼ100%確実です。

さて、現在行われている「反皇太子キャンペーン」ですが、戦前の法律を適用したとすれば、
先ずは「皇太子ニ對シ不敬ノ行為アリタル者ハ三月以上五年以下ノ懲役ニ處ス」ということで、懲役刑は免れない。
次に「皇太子の即位を阻止・・・云々」という主張は、明らかに「皇太子ニ對シ危害ヲ加ヘ又ハ加ヘントシタル者ハ死刑ニ處ス」に抵触すると思われ、これだと死刑ということになります。
つまり、今「反皇太子ご夫妻キャンペーン」を展開している人たちは、死刑にされても仕方がなかった。
あるいは特高に捕まり、やがて死体となって戻ってきたというような事だって有り得たわけです。
戦後に生まれて良かったですね。現在の言論の自由を最大限に享受しているわけですから。
処がこういう人々に限って、戦後の民主主義は・・・とか、今の憲法は・・・などと主張するのですから、ワケが分からない。

私見ですが、最近の「反皇太子ご夫妻キャンペーン」には、いささか首を傾げざるを得ません。
第一に、皇太子ご夫妻に対する罵詈雑言は、いずれ天皇皇后及び皇室の権威を貶め、国民の敬意を失わせるものだということです。天皇制や皇室を廃したいというのであれば、それでも構わないのですけど。
第二に、誹謗中傷される側に、直接に反論する権利がないということです。現在は内閣総理大臣が代わって名誉毀損罪や侮辱罪の告訴を行うことができますが、実際に告訴することは難しいと思われます。
反論ができない方に度を越した批判をすることは、フェアーでないというのが私の見解です。

こうした言論を展開している人々がどこまで自覚しているかは疑問ですが、いま皇室が危機をむかえているというのは事実でしょう。
(続く)

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