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2009/03/31

「埋蔵金」は脱衣所にあり

高橋洋一「コイズミ・ソーリ! ようやく埋蔵金を見つけました!」
コイズミ「そうか、やっぱり霞ヶ関にあったか?」
高橋洋一「イイエ、風呂屋の脱衣所でした。」
コイズミ「ダメだ、コリャ。」
小泉政権のブレーンで、『霞が関埋蔵金男が明かす「お国の経済」』などの著作で知られる、元財務官僚で東洋大教授の高橋洋一容疑者が、窃盗容疑で書類送検されていることが3月30日判明した。
警視庁練馬署によると、高橋容疑者は24日午後8時ごろ、東京都練馬区の温泉施設「豊島園庭の湯」の脱衣所で、区内に住む男性会社員が使っていたロッカーから、現金約5万円が入った財布や、数十万円相当のブルガリの高級腕時計を盗んだもの。
男性の通報で駆けつけた署員が、防犯カメラに写っていた高橋容疑者に事情を聞いたところ、盗んだことを認めたという。調べに対し、高橋容疑者は「いい時計だったので、どんな人が持っているのか興味があり、盗んでしまった」と供述したという。

しかしこの供述は辻褄が合わない。時計の持ち主にだけ興味があったなら、なぜ現金も一緒に盗んだのか。
また、それほどブランドの時計に異常な興味を持っているとしたら、当然余罪の追及が必要だ。
練馬署は高橋容疑者を逮捕しなかった理由として、「証拠隠滅の恐れがないと判断したため」としているが、やはり安倍政権で内閣官房参事官をつとめるなどのキャリアに配慮したのだろう。

ここの所、小泉純一郎元首相が推進してきた構造改革が裏目裏目に出ており、近ごろはすっかり「落ちた偶像」化しつつある。
弱り目に祟り目、人間落ち目になった時はこんなもの。
高橋センセイは、何でも自民党の中の「上げ潮派」の理論的支柱なのだそうだが、これでは「上げ潮」ならぬ「引き潮」だ。

2009/03/30

皇室の危機(3)「『皇位簒奪』の仕掛人」

本シリーズ1回目は「反皇太子キャンペーン」、2回目は「『秋篠宮を天皇に』大合唱」と続いてきましたが、それがなぜ「皇室の危機」に結びつくのかが今回のテーマです。
「簒奪」という言葉がありますが、これは皇位(王位)を奪うという意味です。他の国と同様、日本の歴史上でも皇位の簒奪をめぐる争いが数多く繰り広げられてきました。
その最も典型的な事例は「壬申の乱」です。
大化改新の中心人物であった天智天皇が亡くなったあと,天皇の弟の大海人皇子と天智天皇の子の大友皇子との間で皇位継承問題がおこります。両者の戦いは太子であった大友皇子が自害して果て、弟の大海人皇子の勝利に終わり、天武天皇として即位します。反乱軍側が皇位を簒奪したとあって、戦前は義務教育では教えないことにしていました。
これとは別に、周囲の取り巻きの思惑で、皇位の簒奪や継承問題が起きた例も過去にはあります。

それほど遠く遡らなくとも、昭和天皇の時代にも皇位をめぐる事件が起きています。
その一つは、1936年(昭和11年)に起きた通称「島津事件」と呼ばれるものです。
宮中の元女官長であった島津ハルが、神道系カルト教団の神政龍神会に入信しますが、やがて島津ハルは昭和天皇が早晩崩御するから、高松宮を擁立すべきと主張するようになります。
逮捕後の取調べの中で島津ハルは、「国体明徴維神の道を立つるには、高松宮殿下を擁立しなければなりませぬ。」と答えています。またカルトの祈祷師・角田つねも同様に「国体明徴は、現皇統には高松宮殿下を措いて他になし・・・」と、取調べで述べています。
もちろん戦前は、こうした事実は一切公表されていません。

この島津ハルというのは宮中の女官長という要職にあったばかりでなく、かつての薩摩藩国父・島津久光の孫であり、当時の香淳皇后とも親戚関係だったという大変な家柄だったわけですから、これは大事件でした。というより、政府にとっては難問でした。
結局この事件で、島津ハルらは精神異常者として不起訴となり、入院の措置がとられます。
当局としては何としても裁判を避けたかったんですね。
これとは別に神政龍神会の責任者は不敬罪で逮捕、起訴されます。
こうして島津事件は一件落着となります。

もう一つの事件はより深刻でした。
1936年(昭和11年)2月26日に日本中を震撼させた重大事件が起きます。陸軍兵士1400人が決起し、政府要人を殺害し、国会議事堂や総理官邸など政府の施設を占拠した軍事クーダター、二・二六事件です。
事件は、昭和天皇自らが指揮して、叛乱軍を鎮圧するという強い態度を示したため失敗に終わり、首謀者は処刑されます。
この事件を主導した将校たちが、昭和天皇に代わって皇弟・秩父宮を擁立する動きがあった、こうした噂が全国を駆け巡ったとされています。
事実ならそれこそ一大事だったわけで、根も葉もないウワサ話とされている反面、単なる風説とは片付けられない証言もあります。

事件当時、秩父宮は陸軍第八師団(青森)に属していましたが、事件のその日に列車で東京に向かいます。
これを聞いた皇国史観で知られる歴史家で、皇室にも影響力のあった平泉澄帝大教授が上野から列車に乗り込み、途中の水上駅で宮の列車に乗り換えます。
その時の模様を後年、
「車中拝謁の上、此際極めて大切なる事は、皇室の御意志の完全なる統一であって(中略)一乱鎮定までは、終始高松宮殿下と並んで、陛下の御左右に御立ちになり、最高の地位に於いて陛下を御補佐遊ばされますように御願申上げ・・・」
と書いています。

事件の5年前に、内大臣・牧野伸顕が元老・西園寺公望を訪れ、こんな話をしていました。
「秩父宮が汽車に乗って何処かに行かれる時に、その列車に陸軍の大佐が入って来て、殿下を担ぎたいということをじかに申上げたという事実がある。」
軍の一部に秩父宮を担ぎたいという気配があることは重臣の耳に届いていて、心を痛めていたようです。
火の無い所に煙は立たぬ、という所でしょうか。

二・二六事件後、西園寺公望が秘書の原田熊雄にこう語っていました。
「日本の歴史にも随分忌まわしい事実がある。例えば神武天皇の後を承けられた綏靖天皇は、実はその御兄君を殺されて、自分が帝位につかれた。(中略)まさか今日の皇族にそういう方々が、どうこうということは無論あろう筈がないが、しかしこういうことはよほど今日から注意しておかねばならん。」
「まさか陛下の御兄弟にかれこれいうことはあるまいけれども、しかし取巻きの如何によっては、日本の歴史にときどき繰り返されたように、弟が兄を殺して帝位につくというような場面が相当に数多く見えている。(中略)皇族の中に変な者に担がれて何をしでかすか判らないような分子が出てくる情勢にも、平素から相当に注意して見ていてもらわないと・・・」
こうした発言に、事件の影を見ることができます。

皇位をめぐる争いについて、前記の平泉澄は次のように憂慮していました。
「ただ一つ心配なのは、万々一皇族の間に御意見の不一致があれば、その間隙に乗じて魔手が謀略を逞しくするかも知れないという事であります。之を壬申の乱や保元の乱に見ても、或は南北両統の争に見ても、皇室が二つに割れる事が、最大至重の病根であります。」

3回にわたり「皇室の危機」と題して雑文を書いてきましたが、ここまで読んでもらえば私の言いたい事は理解して頂けたと思います。
「秋篠宮を天皇に」と主張し、「反皇太子キャンペーン」を展開している人々に対し、皇太子こそが正当な後継者だと主張する人も必ずいる筈です。
そうなると、お互いの正当性をぶつけ合うことになり、やがては双方のネガティブキャンペーンがエスカレートしていくでしょう。
例えていえば、今の麻生太郎首相と小沢一郎代表の争いみたいに。
そうなれば、やがて国民の皇室に対する信頼感や敬意が薄れてくるのは眼に見えています。

こうした主張を煽っている人は、ほぼ例外なく皇国史観の持ち主です。彼らは、皇位或はその継承者の地位を簒奪せよと、けしかけている事になります。
さて仕掛人はいったい誰で、果たして何を謀っているのでしょうか。

(終わり)

2009/03/29

美姫、復活へ「銅メダル」

フィギュアスケートの世界選手権最終日は28日、ロサンゼルスで女子フリーを行い、安藤美姫が190・38点で3位に入り、2連覇を狙った浅田真央は188・09点で4位だった。金妍児(キム・ヨナ 韓国)が207・71点で初優勝した。
バンクーバーオリンピックに向けて復活を目指していた安藤美姫が、いよいよその第一歩を踏み出した。

現状では浅田真央や金妍児に比べ遅れをとっていることは確実だが、美姫の演技には他の二人にない何かがある。一口にいえば、演技が大人の観賞に堪えるということだ。
技術技術とそればかり強調されるが、それだけで良いのだろうか。クルクル回ればいいとゆうもんじゃ無いだろう。

かつての五輪の花形は、女子の体操だった。
わたしが若い頃は五輪の中継ともなると、TV画面に映る体操女子のチャスラフスカやコマネチの姿に、お父さんたちは釘付けになっていた。
それが技術ばかりに走ってしまった結果、今はどうだろう。女子の体操競技は子どもの軽業みたいになってしまい、すっかり人気が落ちてしまった。
しょせんは採点競技だから、やはり見栄えが大事なのだ。

そんなわけで、わたしは「美姫一筋」であります。

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2009/03/28

矢野元公明党委員長が逆転勝訴

新聞各紙のあつかいは小さかったが、3月27日注目すべき判決があった。
矢野絢也元公明党委員長が奪われた手帳の返還を求める訴訟などの控訴審で、東京高裁は矢野元委員長が敗訴した1審判決を取り消し、公明党元議員らに手帳の返却と300万円の支払いを命じた。公明党の元議員とは、伏木和雄、大川清幸、黒柳明各氏の3名である。
判決によれば、元議員らは2005年5月に4回にわたり、矢野元委員長の自宅を訪れ、手帳を持ち帰るなどした事実を認定し、「多数の創価学会員や公明党員が危害を加えるかもしれないと脅して手帳を渡させ、妻の部屋まで捜索してプライバシーを侵害した」と判断した。
創価学会が脱会あるいは敵対する人間に対する脅迫行為を、裁判所が認めた画期的な判決だといえる。

この裁判は、週刊現代が2005年7月に「矢野極秘メモ100冊が持ち去られた」と題する記事を掲載したことに端を発する。
上記3人の公明党元議員が、記事で矢野の手帳を強奪したかのように報じられ名誉を傷つけられたとして、同誌発行元の講談社と編集長、記事に実名でコメントを寄せた矢野氏らを訴えた。
この裁判で東京地方裁判所は2007年12月原告側の主張を認め、講談社と矢野の行為が名誉毀損に当たるとして、同社と矢野氏に総額660万円の損害賠償金の支払いと、謝罪広告の掲載を命じる判決を言い渡していた。
しかし矢野氏が奪われたとする手帳というのは、本人が国会議員だった当時の議員活動を記録したメモであり、これを敵対している相手に対し自主的に差し出すなどということは有り得ない。1審判決は事実誤認だと言わざるを得ないだろう。

矢野絢也氏は1960年代後半から1980年代終りにかけて書記長(後に委員長)として、委員長だった竹入義勝氏と共に竹入-矢野ラインで公明党の黄金時代を築いた人物だ。
その竹入、矢野の両氏ともに創価学会から離れ、誹謗中傷されることになったのは皮肉な結果だ。
矢野絢也元委員長といえば、仕手グループとの不明朗な株取引による蓄財や不動産の取得、怪しげな人物との交際をめぐる黒い噂の絶えぬ人で、とても誉められた人物とはいえない。
しかしそれは公明党委員長だった当時からであり、今に始まったことではない。

今回の判決が認定したように、矢野氏が脅迫をもって手帳が奪われたとすれば、これはむしろ刑事事件ではなかろうか。そうなると、奪った3名の元議員は共犯関係なのか、あるいは背後の誰かから指示されたものなのか。
手帳の中味と共に、大いに気になるところである。

2009/03/27

【街角で出会った美女】ギリシア編

ジャズのスタンダードナンバーに「マイファニーバレンタイン」という曲がありますが、その歌詞の一節に、
“Is your figure less than Greek”
とあります。
この”Greek”はギリシア彫刻という意味なので、日本語に訳せば「あなたの容姿はギリシア彫刻よりは劣るけど・・・」ということになります。
ギリシア彫刻=「彫りの深い顔」というイメージがありますね。実際にギリシアに行ってみると、ギリシア人が特に彫りが深いというわけではありません。

それよりヨーロッパの中で、ギリシアは貧しい国であることを実感します。
宿泊したホテルの多くは、トイレットペーパーを流すことができず、くずかごに捨てねばならなかったのです。下水道の設備が貧弱なためです。これは、日本人にはかなり抵抗がありますね。
欧州の他の国では考えられないことで、数々の素晴らしい文化遺産や、美しい島々の光景とのギャップが大きいのです。

デルフィーという町で宿泊したホテルで、小学校から下校してきた管理人の娘さんが、窓ガラスやテーブルの拭き掃除をやらされていました。カメラを向けうるとOKだったのですが、シャッターを押すときに照れて横を向かれてしまいました。

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  (クリックで画像が拡大)

ギリシアの人々にとって、ギリシア正教は生活の隅々にまで行き渡っています。
教会に行くとどこも正教であることを示すイコン(東方教会で礼拝の対象とした聖画像。アイコンの語源でもある。)が、沢山掲げられています。
下の画像はカランバカの町のイコン制作工房で、細密画を描いていた女性です。この人の横顔は確かにギリシャ彫刻みたいですね。

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  (クリックで画像が拡大)

2009/03/25

【街角で出会った美女】アルジェリア編

アルジェリアと聞くと、年配の方なら先ず「カスバの女」という歌を思い浮かべるのではないでしょうか。
1955年(昭和30年)にエト邦枝が歌ってヒットした曲ですが、なんといっても「ここは地の果てアルジェリヤ」というフレーズが忘れられない曲です。

「カスバの女」(歌詞は1番のみ)
作詞:大高ひさお  作曲:久我山明
涙じゃないのよ 浮気な雨に
ちょっぴりこの頬 濡らしただけさ
ここは地の果て アルジェリヤ
どうせカスバの 夜に咲く
酒場の女の うす情け

アルジェリアは通称マグレブと呼ばれている北西アフリカ諸国の中の国で、日本から一番遠い西の端はモロッコですから、決して地の果てではありません。この歌詞には戦前の名画「外人部隊」や「モロッコ」の影響が強く出ています。
昭和始め1928年(昭和3年)には、浅草オペラのスターだった二村定一によって「アラビアの唄」がヒットしました。
当時の日本人のエキゾチズムが、中東から北アフリカ地域に向けられていたのでしょう。

「アラビアの唄」
作曲:Fred Fisher、日本語詞:堀内敬三
砂漠に陽が落ちて 夜となるころ
恋人よ なつかしい 歌を歌おうよ
あのさびしい調べに 今日も涙流そう
恋人よ アラビアの 歌を歌おうよ

この歌の原曲はアメリカのポピュラーソングで、本国のアメリカでは流行らず日本で大ヒットしたのは、この曲の哀愁をおびたメロディが日本人の琴線に触れたものと思われます。

さてアルジェリアですが、長期にわたるアルジェリア戦争でフランスと戦い、せっかく1862年に独立を果たしたのに、1990年代から10年以上に及ぶ内戦で10万人以上の犠牲者を出してしまいました。
私たちのツアーでも全工程にわたり、車両の前後を軍の車が護衛しての移動となり、観光中もマシンガンを持った兵士が周囲を囲んで警戒する中での観光となりました。
国土の大半がサハラ砂漠で、サハラの雄大な景色を堪能することができました。

首都のアルジェは地中海に面した街で、カスバはその旧市街にあたります。フランスからの独立戦争では、ここが抵抗運動の舞台となりました。今でも人々がここで暮しています。
下の画像はこの町に住んでいる女性で、買い物から帰って玄関に入るところを撮影したものです。
本物の「カスバの女」です。

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  (クリックで画像が拡大)
実際のカスバの町を歩いてみると、何とも表現のしようがない独特の魅力を感じます。
建物の白い外壁に男の人が寄りかかって立っていたり、石段(カスバは傾斜地なので階段の町)を幼い子どもの手をひいて老婆が上がってくる、そういう一つ一つのシーンが絵になっている町です。

下の画像はカスバの中にある小学校の下校時に撮った少女の写真で、ちょっと大人びて見えますが二人とも小学生です。
やがて美しい「カスバの女」に成長していくことでしょう。

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  (クリックで画像が拡大)

2009/03/24

皇室の危機(2)「『秋篠宮を天皇に』大合唱」

前回、一部の右翼的な学者や文化人、ブログなどで激しい「反皇太子ご夫妻批判キャンペーン」が行われていることを紹介しましたが、これと相反するように彼らは「秋篠宮を天皇に」(文藝春秋の記事についてはタイトルとは異なっている)の主張を強めています。
ある学者なぞは「次は皇太子さまではなく、秋篠宮さまが天皇になる」ことを望むと、ハッキリ明言している程です。

年配の方なら覚えておられるでしょうが、今上天皇が皇太子だった時代に、当時の右翼が昭和天皇と比べると「民主主義教育を受けた」「軟弱な平和主義者」と批判していました。「昭和天皇と違い、命をかけてまで守ろうとは思わない。」と言い放った右翼幹部もいました。
また批判の的が、しばしば美智子さん(現皇后)に向けられていたのも、今と同じような状況です。
右翼というのは皇室崇拝主義かと思うのですが、どうも代々の皇太子(近ごろは東宮と表記するのが流行りらしい)ご夫妻が気に入らないようです。

さかのぼると、そうした人々が敬愛してやまぬ昭和天皇の皇太子時代にも、実は同じようなことがありました。
1912年に皇太子時代の昭和天皇が、半年にわたりヨーロッパ旅行を行っています。
これに母親の貞明皇后は、皇太子が西欧文化の影響を受けることを危惧して、欧州行きに反対し皇太子と対立します。
果たせるかな、帰国後の皇太子は宮中の制度改革に乗り出します。
それまでは後宮という制度がありました。映画や芝居でおなじみのように、そこには沢山の未婚女性がいて、全員がそこで生活していました。気に入った女性がいればやがて側女にというわけです。
現代の人から見れば「え~」という制度にうつるかもしれませんが、代々男系の男子が皇位を継承するための一種の保険でもあったわけです。
皇太子時代の昭和天皇は後宮の女官制度を一新し、女官は通いで務めるものとし、既婚女性でも構わないとしました。更に古いしきたりの女官言葉を廃止して、普通の現代語を使うように改めたわけです。
当然のことながら、当時の宮内大臣牧野伸顕を始め宮中の側近たちはこれに反対しますが、皇太子は自説を押し通します。
かくして昭和天皇は、歴史上初めて皇室の一夫一婦制を確立することになります。

このように、制度を改革しようとする側と、旧態依然とした制度にしがみつく側との対立は、今に始まったことではないのです。
余談になりますが、皇太子が重要な儀式である新嘗祭を休んで、四国へ旅行に出かけてしまうというような事もあったようで、この時も貞明皇后は皇太子は西洋風の習慣に影響されてしまい、宮中祭祀をないがしろにしていると思われたそうです。
何だか、現在の皇太子批判ととてもよく似た状況だったわけですね。

秋篠宮に対する評判は上々で、一昔前のあの世評はどこへ行ったのかと思えるほどです。
誰もが知っている「あんなこと」や「こんなこと」、全てすっ飛んでしまいました。
皇室の中の問題は一切情報公開されないので、いずれも真偽のほどは分かりません。それは皇太子ご夫妻に対する非難についても言えることです。
事実かどうか、それはかなり後年にならないと分からないことです。

世評の風向きが変ったのは、やはり秋篠宮家の長男・悠仁さんの誕生でしょう。
皇太子の側には男子が生まれない、それに対して秋篠宮家は男子が誕生した、この事実が大きかったのです。
おりから、女性天皇を認めるべく皇室典範を改正する動きがあったのですが、これにより女帝反対派が俄然勢いづきました。このことを契機に、「女帝反対」=「反皇太子」=「秋篠宮擁立」という図式が出来上がったと思われます。

では仮に彼らが言うように、秋篠宮こそ次の天皇に相応しいとしましょうか。しかも国民の多数がそれを支持したとしましょうか。でも結論からいえば、皇位継承にはなんら影響はありません。
日本が近代国家になって大日本帝国憲法を制定するにあたり、「天皇」についての規定をどうするか、これは大きな問題でした。
明治憲法は一般にプロイセン憲法をモデルにしていると言われていますが、例えばプロイセン憲法で摂政に関する規定は次のようになっていました。
「第57条 国王未成年ニ属シ若クハ久シク故障アリテ政ヲ親ラスルコト能ワザレバ、最近ナル支親ノ成年ナル者摂政ノ事ヲ行ウ。此ノ時ハ其ノ人必ズ速ニ両院ヲ徴聚シ、両院合会シテ摂政ヲ設クルニ必要ナルコトヲ宣告セシムベシ。」
つまりプロイセン憲法では、摂政の設置については議会両院が決定権を持っていました。

これに対して、明治憲法制定を担った一人である井上毅は、
「皇室ノ大事ヲ以テ民議多数ノ裁判ニ委ネ、従テ人民ニ勢力ヲ誘導シ,将来皇室ヲ左右スルノ漸ヲ啓クコト」
になると、これを批判しました。
つまり議会を関与させれば皇室の尊厳が脅かされ、国民が皇室に口を挟むことに道を開く、井上毅はこう考えたわけです。
この結果、摂政の設置について旧皇室典範では次のように定めていました。
「天皇未ダ成年ニ達セザルトキハ摂政ヲ置ク。 天皇久キニ亘ルノ故障ニ由リ大政ヲ親ラスルコト能ワザルトキハ皇族会議及枢密顧問ノ議ヲ経テ摂政ヲ置ク。」
こうして戦前の日本では、摂政を置く場合は「皇族会議及枢密顧問ノ議ヲ経テ」として、議会や国民の意思が入る余地がないように決めたわけです。

では、現行の皇室典範でこの条項はどうなっているでしょうか。 
「第16条 天皇が成年に達しないときは、摂政を置く。
2 天皇が、精神若しくは身体の重患又は重大な事故により、国事に関する行為をみずからすることができないときは、皇室会議の議により、摂政を置く。」
旧法と比べ「枢密顧問」が抜けているだけで、基本的な考え方はそのまま引き継がれています。

繰り返しますが、現在の皇室典範においては皇位継承を、あの人の方が相応しいからと国民や議会が決定するというシステムになっていません。
従って「秋篠宮を天皇に」といくら主張しても、所詮は「遠吠え」にしかなりません。
もし本当に実現しようとするのであれば、皇室典範を改正するか、何か特別のウルトラ-Cでもあみ出さないと無理です。
(続く)

2009/03/22

首相の「株屋は信用されていない」発言はその通り

誤読や不適切発言が多い麻生首相だが、たまにはマトモなことも言う。
21日の株価対策などをテーマとした有識者会合で、「やっぱり株屋は信用されていない」と発言したが、正にその通りだ。
わたしの若い頃は証券マンは「株屋」、新聞記者は「ブン屋」と呼ばれていた。その響きからある種のイカガワシサが感じ取れたものだ。呼び方は変っても、そのイカガワシサはいまも立派に残されている。
ノンバンクだの消費者金融などと改名しても、実体は高利貸しであるのと同じことである。

数字の根拠はハッキリしていないが、いま株式投資をしている人の9割は損をしているのだそうだ。
たまたま株価が低迷しているからというのが主な要因ではあるが、実は株価が上昇している時でも儲けている人は少ないらしい。
理屈の上では安いときに買い、高くなったら売れば利益は出るはずだ。現金に換えて持っていて、次の下げ場面を待って買えば、損はしないはずなのだ。
処がドッコイ、証券会社がそうはさせてくれない。換金すると直ちに他の銘柄や金融商品を勧めてくる。そうして気が付くと下げ相場になっていて、前に儲かった分は帳消しという結果になるのだ。

証券マンの手数料稼ぎのノルマは凄まじいものがある。とにかく客に売り買いさせて、回転で手数料を稼がねばならない。客が儲かるかどうかなどというのは、どうでも良いわけだ。
ひどい証券マンになると、素人の客に平気で信用取引を勧めてきたりする。
必ず上がりますからと、特定の銘柄を強く勧める時というのは決まって、
・証券会社の自己売買部門が予め仕込んだ銘柄の吊り上げ
・運用成績の悪い投資信託の組み入れ銘柄の吊り上げ
・ファイナンスを控えた銘柄の株価吊り上げ(特に幹事証券)
など、あくまで証券会社の都合で客に嵌めこもうとしてくるので、用心が肝心だ。
もっとも、そんなに儲かることが確実なら、証券マンが自分で買うだろうが。

いくら不祥事が繰り返され、その度に証券会社が批判を浴びてきても、この体質はサッパリ改まらない。
2年ほど前にある大手証券の人と話したら、個人で株式をやる人の大半はネット証券に移ってしまったと言っていた。
ネット証券なら営業に来ない、つまり何もしてくれない、これが一番なのだ。お客は良く分かっている。
証券会社が本当に心を入れ替え、顧客の利益のために営業活動をするようにならない限り、「貯蓄から投資へ」の流れは生まれてこないだろう。

証券会社の経営者は、顧客の信用を失っているという自覚から出発すべきだ。
首相の発言に対して関係者から困惑の声が上がっていたそうだが、先ずは我が身を省みることが先決ではなかろうか。

「よってたかって春落語」@よみうりホール

3月21日は若手(?の人もいたが)真打による「よってたかって春落語」を聴きに、よみうりホールへ。
この日は鈴本の昼席で「二代目林家三平襲名興行」が初日を迎えたとあって、出演者もマクラでこの話題に触れていたが、あまり好感をもって迎えられていない雰囲気がアリアリ。
この会の主催者「夢空間」に一言。せめて出演者のプログラムだけでも用意したらどうか。いつもながら、ここのサービスは最悪。

・柳亭市丸「牛ほめ」
これも以前から主張しているが、こういう会に前座を出すべきでない。初っ端から下手な噺で会場を盛り下げてどうする気さ。どうしても出すのなら、寄席と同様に開演前に出したらどうか。
・春風亭百栄「お血脈」
昨秋真打に昇進後に、始めてこの日から鈴本でトリを取るとのこと。実力はマダマダだが、とにかく華のある落語家で人気は上々。鈴本の抜擢もムベなるかな。
地獄が資格をゆるめた結果、小市民ばかり集まってしまったというクスグリが秀逸。古典に新しい息吹を吹き込む姿勢が好ましい。
芝居っ気たっぷりの演出で楽しませてくれた。
・三遊亭白鳥「真夜中の襲名」
タイトル通り三平襲名を皮肉った新作で、正にいまが旬。
動物園のパンダのカンカンの大名跡を、芸が無いのに息子だというだけで子どものパンダが継いでしまう。一方、毎日稽古に精進して芸を磨いているのに、襲名ができないパンダウサギ。ゾウの花子の薦めで、めでたく円朝(園長)を襲名する運びとなる。
ゴールデンヘアー・ピッグなどという危ないクスグリも入って、満員の場内は大喜びの一席。
こういうキワモノがあるから、落語は楽しい。

―仲入り―
・柳家三三「加賀の千代」
予想していたより軽めのネタ。しかも大晦日の設定なので時季外れでもある。
独特の「間」は一級品だが、ネタの選定には首を傾げてしまう。
喬太郎が新作だっただけに、もう少し本格的な演目をやって欲しかった。
・柳家喬太郎「純情日記~横浜編~」
マクラで「春らくご」だというのに、誰も春にちなんだネタをやらないと苦言。マクラの話題から今日は新作かと予想したら、いきなり「黄金餅」に入って驚かせる。
と思ったら、それは登場人物である落語家の稽古風景だったいう演出から入って、「純情日記~横浜編~」。
大学の春という、出会いと別れのシーズンを背景にしたホロ苦い物語。気弱な大学生の描写がなかなか切ない。
好きな女の子を連れてと横浜の街を歩く場面で、道筋の言い立て(道中づくし)を入れていたが、これで冒頭に「黄金餅」を持ってきた意味が分かる仕掛けとなっている。
こうしたキメ細かな演出が、新作に厚みを与えるのだ。

会場の半分以上と思われる喬太郎フアンは喜んでいたようだが、この日の「笑い」をさらったのは白鳥だった。ただし鈴本の昼席には掛けられないだろう。

2009/03/20

検察は「小沢疑惑」にフタをする気か

西松建設の巨額献金事件で、東京地検特捜部は小沢一郎民主党代表の参考人としての事情聴取を、当面見送る方針を固めたもようだ。政治資金規正法違反容疑で逮捕した公設第1秘書大久保隆規容疑者に対する監督責任については立件困難と判断したためとある。
一体、検察は何を考えているのだろう。

西松を含むゼネコン各社からの小沢一郎への政治献金は、それがいかなる形態であれ、いかなる名目であれ、全てが東北地方の公共工事の受注に有利に取り計らって貰うためのワイロだ。
こんな単純なことは、子どもでも分かる。
もう一つ考えておかねばならないのは、ゼネコンの献金分は工事費に上乗せされてゼネコンに戻っているわけで、結局この金は最終的には国民の税金で賄っている。なんのことはない、私たちが小沢一郎に金を出しているのだ。
ここを突破口にして、日本全国の「小沢一郎」類似犯を片っ端から立件するチャンスだった。

今回の検察の「小沢疑惑」への捜査は、これを徹底的に追求することで始めたはずだ。入り口は政治資金規正法違反だが、本丸はあくまで小沢の「収賄罪での立件」だった。
ところがフタを空ければこの有り様だ。
ハッキリ言うが、秘書を捕まえても意味がない。彼らは議員の指示に従って行動しているだけだ。
これではまるで、オウム真理教のサリン事件で、サリンをまいた実行犯だけ捕まえて、教祖の麻原を無罪放免にするようなものだ。

大山鳴動して鼠一匹。
このままでは、なぜ捜査を腰砕けに終わらせたのか、これこそ検事総長から国民に納得の行く説明をして貰わねばならないだろう。

2009/03/19

皇室の危機(1)「反皇太子キャンペーン」

2年ほど前になりますが、当ブログで書いた皇室関係の記事が専門サイトにリンクされて、そこには皇室に関する問題をテーマにしたサイトがいくつかありました。
それらに共通しているのは、凄まじいまでの皇太子ご夫妻に対する聞くに堪えない悪口雑言です。
いずれも主張の特徴から、右翼系の人たちだと思われます。
いわく「左翼」「反日」「怠け者」などと口汚くののしり、果ては皇太子が次の天皇になると日本は滅びるとのことで、何としても阻止しないといけないなどと主張する有り様です。

そうした極論が一部のサイトにとどまらず、最近では安倍晋三さんのお友達である学者や知識人ら、一部の皇室評論家などから同様の主張が公然と叫ばれ始めてきました。
顔ぶれをみると、概ね「女帝反対」論者=「反皇太子」論者 という図式になっているようです。
その頂点ともいうべきものが「秋篠宮が天皇になる日」(文藝春秋2009年2月号)で、この記事の内容はタイトルほどは過激ではないのですが、「浩宮の作文が喜怒哀楽の感情表現に乏しく、当人の気持が伝わってこない」という、学習院当時の担任の指摘を引用までして、やはり皇太子批判を行っています。
総合誌にこうした記事が堂々と掲載されたこともあって、反皇太子キャンペーンは一層勢いづいてきたというのが、現状ではないでしょうか。
どうもこの手の人たちというのは、自分たちが気に入らないと直ぐに「反日」というレッテルを貼りたがり、「このままだと日本国が滅亡する」と悲憤慷慨するというのがワンパターンのようです。

戦前の大日本帝国憲法の下では不敬罪、大逆罪がありました。
「不敬罪」の対象とされたのは、下記の通りです。
①天皇
②太皇太后、皇太后、皇后、皇太子、皇太孫など天皇に準ずる皇族
③神宮
④皇陵
⑤②以外の普通の皇族
不敬の対象というのは皇族だけなく、歴代天皇の墳墓や神宮まで含まれていたのです。

では「不敬の行為」とはどのような行為だったのでしょう。
①軽蔑の意を表示し、その尊厳を害する一切の行為。
②公私の別を問わず、即位の前後を問わず、事実の有無を問わず、事実の摘示の有無を問わず、一切の行為。
③公然・非公然の別を問わない(日記の記述も含まれる)。
④要求される敬意を払わないことも不敬行為。
こちらも実に広範囲だったわけです。

刑罰ですが、刑法には次のように規定されていました(1947年に廃止された)。
第1章 皇室ニ對スル罪
第73条 
天皇、太皇太后、皇太后、皇后、皇太子又ハ皇太孫ニ對シ危害ヲ加ヘ又ハ加ヘントシタル者ハ死刑ニ處ス
第74条 
天皇、太皇太后、皇太后、皇后、皇太子又ハ皇太孫ニ對シ不敬ノ行為アリタル者ハ三月以上五年以下ノ懲役ニ處ス
神宮又ハ皇陵ニ対シ不敬ノ行為アリタル者亦同シ
第75条 
皇族ニ對シ危害ヲ加ヘタル者ハ死刑ニ處シ危害ヲ加ヘントシタル者ハ無期懲役ニ處ス
第76条 
皇族ニ對シ不敬ノ行為アリタル者ハ二月以上四年以下ノ懲役ニ處ス
最高刑は死刑という、極めて厳しい規定でした。

次に現在の「皇室典範」の皇位継承の規定はどうなっているでしょうか。
第1章 皇位継承 
第1条 皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。 
第2条 皇位は、左の順序により、皇族に、これを伝える。
 1.皇長子
 2.皇長孫
 3.その他の皇長子の子孫
 4.皇次子及びその子孫
 5.その他の皇子孫
 6.皇兄弟及びその子孫
 7.皇伯叔父及びその子孫
2 前項各号の皇族がないときは、皇位は、それ以上で、最近親の系統の皇族に、これを伝える。
3 前2項の場合においては、長系を先にし、同等内では、長を先にする。
つまり皇位継承順位の第一位は皇太子であり、次の天皇になられるのはほぼ100%確実です。

さて、現在行われている「反皇太子キャンペーン」ですが、戦前の法律を適用したとすれば、
先ずは「皇太子ニ對シ不敬ノ行為アリタル者ハ三月以上五年以下ノ懲役ニ處ス」ということで、懲役刑は免れない。
次に「皇太子の即位を阻止・・・云々」という主張は、明らかに「皇太子ニ對シ危害ヲ加ヘ又ハ加ヘントシタル者ハ死刑ニ處ス」に抵触すると思われ、これだと死刑ということになります。
つまり、今「反皇太子ご夫妻キャンペーン」を展開している人たちは、死刑にされても仕方がなかった。
あるいは特高に捕まり、やがて死体となって戻ってきたというような事だって有り得たわけです。
戦後に生まれて良かったですね。現在の言論の自由を最大限に享受しているわけですから。
処がこういう人々に限って、戦後の民主主義は・・・とか、今の憲法は・・・などと主張するのですから、ワケが分からない。

私見ですが、最近の「反皇太子ご夫妻キャンペーン」には、いささか首を傾げざるを得ません。
第一に、皇太子ご夫妻に対する罵詈雑言は、いずれ天皇皇后及び皇室の権威を貶め、国民の敬意を失わせるものだということです。天皇制や皇室を廃したいというのであれば、それでも構わないのですけど。
第二に、誹謗中傷される側に、直接に反論する権利がないということです。現在は内閣総理大臣が代わって名誉毀損罪や侮辱罪の告訴を行うことができますが、実際に告訴することは難しいと思われます。
反論ができない方に度を越した批判をすることは、フェアーでないというのが私の見解です。

こうした言論を展開している人々がどこまで自覚しているかは疑問ですが、いま皇室が危機をむかえているというのは事実でしょう。
(続く)

2009/03/18

【街角で出会った美女】エジプト編

エジプトはわたしにとって最も思い出深い国です。
生まれて初めての海外旅行がエジプトだったし、その時にたまたま政府要人の家を写していたらスパイと疑われ、乗っていた車ごと軍の駐屯地に連行され、取り調べを受けるという経験もしました。軍用車からマシンガンを担った兵士が次々と降りてこちらに向かって来たときは、恐怖で血が逆上しました。
それにも懲りず都合4回もエジプトに行ったのは、この国の文化遺産の素晴らしさからで、恐らくエジプトを凌駕する国は他にないでしょう。

エジプトに初めて訪問した時に、現地の日本人から次の気付きがありました。
(1)エジプトは社会主義の国だ。貧乏人が多いのに乞食が少ないのはそのためだ。
(2)スリやカッパライはいないから深夜に外出しても安全だが、野犬だけは気を付けて。
(3)赤信号でも車は止まらないので、道路の横断には注意。
(4)エジプト経済を支えているのはスエズ運河の通行料、観光、海外の出稼ぎ者からの送金。
(5)エジプト国民の識字率が50%位なのに、車夫馬丁に至るまで英語を話す。
何回か訪れていると、確かにナルホドと思うことがありました。

地方のゲストハウスのような所に泊ったとき、ビールが飲みたいと言ったら1時間ほど待たされました。従業員がわざわざ車で遠くに買いに行ってくれたのです。ナマ暖かいビールでしたが、感激して飲んだことを覚えています。
アラブ諸国の中では、イスラムの戒律が比較的ゆるやかな国ですが、それでも女性を撮影するのは難しい。
写真はギザで撮った少女です。幼い子の手を引いていましたので、中学生ぐらいだと思われます。
成長し、やがてはクレオパトラみたいな美女になるのでしょうか。

Photo
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2009/03/17

【街角で出会った美女】中国・四川省編

ドッグイヤーという言葉があります。人間と犬の成長の比率から、通常の7倍位のスピードで進んでいくという意味ですが、中国を訪れるとこの言葉を実感します。
経済成長率が高いということは勿論ですが、何より公共工事のスピードが速いのに驚かされます。例えば空港ですが、日本だと10年位かかるのが、あっという間に建ってしまう。続いて、空港までの高速道路もまた瞬く間にできあがる。1年後に行ったら周りの景色が激変していたなどということも、中国では珍しくありません。

一つには土地が国有化されていること、これが大きな要因です。何しろ国家が大地主ですから、開発と称して古い町並みがブルドーザーでこわされ、郊外に大団地群が建てられ、移住させられるわけです。だから成田空港の反対運動のようなことは、中国では起こらないのです。
日本政府やゼネコンも、これだけは中国がウラヤマシイでしょうね。

反面、成長が急速になればまた歪みも大きくなります。ドッグイヤーは、経済の歪みをも7倍に加速すると考えて良いでしょう。
先年、青島を訪れた際、海外沿いの戸建て住宅の価格が1億円で、それが予約の時点で完売していて、それも殆んどがキャッシュで買っていると聞いて、更にビックリ。
でも住んでいる人は少なく、転売目的が多いと聞かされました。これは明らかなバブルです。
今の世界同時不況の影響ですが、わたしは中国が最も深刻になるのではないかと睨んでいます。

金儲けに関心が集まりすぎて、倫理観が失われていることも危惧されるところです。
ホテルに宿泊している男性客に対して、毎晩のように売春の勧誘電話がかかるのは困ったことです。
それも国営の五つ星ホテルでもやられているのですから、オドロキです。
まあ、買春を目当てに行く人にとっては、便利でしょうけど。

一つだけ中国を見習って欲しいと思うことがあります。
これは中国に限ったことでは無いのですが、大学生がとにかく良く勉強しています。
大学で日本語学科をとり4年間勉強しただけで、日本人と電話でコミュニケーションができるようになり、ちょっとしたビジネス文書も書けるようになります。そのかわり大学の4年間は朝から晩まで勉強漬け、日曜日は学費を稼ぐために終日アルバイト。遊びなどというのは殆んど経験することなく卒業する。
中国では教育が、階層や身分を乗り越える唯一のチャンスのようですから、意気込みが違う。
この点だけは日本の学生はもっと頑張らないと、中国に負けます。

もう一つ、優秀な学生は更に海外で出て勉強しますが、アメリカで学んだ人は概して親米になり、日本で学んだ人は概して反日になるといわれているようです。
これはチョット考え物ですね。

中国を旅行すると、日本語の現地ガイドが若い女性で、例外なく可愛らしい人が多いのに気付きます。
どうも、これは日本人に沢山土産物を買わせようという魂胆ではないかと、想定をしています。観光客の子どもや孫の世代に人間に勧められれば、ついつい財布の紐も緩むというものです。
そんなわけで、写真は四川省の日本語ガイドです。

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2009/03/15

【街角で出会った美女】イエメン編

現在、国際的に大きな問題となっているソマリア沖の海賊の出現ですが、そのソマリア沖というのはアデン湾のことです。
アデン湾はイエメンとソマリアの間の海峡で、アデン港はイエメン側にあります。かつては海のシルクロードの要衝として栄えたアデン港は天然の良港です。
Photoちょうど1年前にアデン港に行きましたが、写真のようなとても美しい景色が見られました。
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夕方になると海岸に並んだデッキチェアに座り、沈み行く夕陽を眺める人々の姿が印象的で、実にのどかな風景が描かれていました。
それが民間の船舶を護衛するという名目で、世界各国から艦船が集中する事態になろうとは、当時は想像も付かなかったのです。
ソマリアのいわゆる海賊は、内戦により中央政府が崩壊したソマリアに対し、他の国が領海に侵入して勝手に魚を乱獲したり、ドサクサに紛れて武器をソマリアに密輸入したり、職を失ったソマリア人を使って麻薬の密輸をした等の結果であり、これらを放置してきた国際的な責任も免れません。

イエメンは、昔のアラビアの面影を今に残す国として人気があります。女性を写すのはかたく禁じられていて、辛うじてこの少女をカメラに収めることができました。
なにせアランビアン・ナイトの国ですから、この少女もきっと美しい女性に成長していくのでしょう。

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2009/03/14

林家一門の襲名ビジネス

素直に喜んでおられる向きもあろうが、その反面、苦々しい思いで見ている落語フアンもおられるだろう。例の林家いっ平の「二代目林家三平襲名」騒ぎだ。
兄の林家正蔵の跡をたどるように、金をかけてド派手な演出でメディアへの露出を増やし、世間の注目を集めるという林家一門の商法は、わたしの様な人間からすれば「洒落ンならねぇ」のだ。

一昨日に行われた襲名披露パーティにしても、まるで人気タレントの結婚式か、政治家の資金集めパーティのような雰囲気だった。
とりわけ目を引いたのは、海老名美どりと泰葉姉妹の不仲と仲直りの過剰演出である。TVカメラもセレモニーより、専らこの二人の映像ばかり流していた。
もしかすると、小朝と泰葉の離婚騒動も、元々は三平襲名に向けた仕込みだったのではないかと疑ってしまう。

それでも内容を伴っているのであれば、納得がいくのかもしれない。
あるTVレポーターが、「林家三平という大名跡を継いで」と紹介していたが、三平は決して大名跡ではない。
初代の林家三平は愛嬌があり、観客の心をとらえるのが巧みで、お笑い芸人としては優れていた。しかし落語家としてはどうだろう。
いわゆる名人上手とは程遠い存在で、その証拠に彼のライブ録音はあまり残されていない。多分、いまCDで聴いてもちっとも面白くないだろう。どちらかというと、雰囲気の芸人なのだ。
実物の高座をライブで見たという人は少なく、「昭和の爆笑王」というキャッチコピーだけがイメージとして残されているような気がする。

二代目三平を襲名する林家いっ平だが、今のところ見るべきものがない。あの舌足らずの喋りは、どうも落語という芸能に向いていないのではなかろうか。
襲名を控えて古典にも力を入れ始め、以前よりはまともな高座になってはいるが、前途はあまり明るいとは思えない。
話題性で一時期は盛り上がっても、実力が伴わなければ人気は下がる。
実力が伴わないから、せめて派手な演出でという意図も分からないではないが、「あざとさ」ばかり目立つようだと、かえってフアンは白けてくるだろう。

2009/03/13

二ツ目を支えた「稲葉守治」さんの死を悼む

Photo3月10日に、「日本演芸若手研精会」を主宰してきた稲葉守治さんが亡くなりました。個人的なお付き合いはなく、ここ数日当ブログの記事“研精会OB連昔若庵「さよなら稲葉さん公演」”にアクセスが急増したことから調べて分かった次第です。
「若手研精会」は二ツ目を中心とした若手落語家の月例会で、稲葉さんは私財を投げ打って30年間にわたり会を支えてきました。この功績により、2007年には、日本の伝統ある劇場芸能を助成し、文化・芸能の保存、向上に寄与した人に贈られる松尾芸能賞を受賞しています。

以下に、当代春風亭柳朝さんのブログの記事から引用します。
【引用始め】
今朝方…日本演芸若手研精会で御世話になった稲葉守治さんが亡くなりました。
携帯電話の着信履歴を見ると、昨日お昼12:45分に稲葉さんから電話がありまして…それが最後の会話になりました。その前の晩に電話したんですが留守電で…メールのやり取りはしていたんですが…有明の癌研にカミさんと末っ子を連れてお見舞いに行きましたが、大変に喜んで下さって…考えてみりゃあ~粋なお父っつあんでした。私財をはたいて研精会を続けてくれて。
とにかくゆっくりお休み下さい。稲葉さんからの最後のメールに俳句がありました。
「ねこやなぎ 白銀の雨 こぼしけり」 守治
合掌
【引用終り】
この短い記事に、稲葉さんの人となりが全て表れていると思います。

現在、東京の二つの落語協会に所属している二ツ目の落語家だけで約90人います。一方寄席の定席は都内に4軒ありますが、集客力を考えるとどうしても人気や実力のある落語家に出演依頼が集中します。その結果、1回の寄席に15~20人程度の芸人が出演するのですが、二ツ目は一人だけとなるケースが多いのです。盆と正月の特別公演だと、ゼロという場合もあります。

寄席はワンクールが10日間で、昼夜2回の公演です。4軒の定席に出演できる回数は、
12x3x2x4=288
で、年間288回という計算になります。
二ツ目の噺家は90人ですから、平均して1年間に3回(30日間)の公演にしか出演ができないという計算になります。
一番伸び盛りにあり、一番稽古をしないといけないこの時期に、実は客の前で落語をするチャンスがあまり無いというのが、今の二ツ目の厳しい現実です。
稲葉さんはここに援助の手を差し伸べ、若手落語家が芸を磨き向上させる場を提供したわけです。
過去にもそうした取り組みを試みた人もいましたが、経済的な面を含めて困難が多く、なかなか永続きしていません。
稲葉さんの30年にわたる努力というのは、驚異的なものです。

「日本演芸若手研精会」からは、雲助、さん喬、正雀、喜多八、市馬、たい平、平治、三三など、今の落語界を背負っている芸人が巣立っていきました。
現在の落語ブーム寄席ブームは、稲葉守治さんのような縁の下の力によって支えられてきたのです。
心よりご冥福をお祈りいたします。

2009/03/12

「小沢疑惑」への検察批判は見当違いだ

昨日の金賢姫元北朝鮮工作員と拉致家族との面会だが、結局何も新しい事実は出てこなかった。金賢姫は甘い言葉は口にしていたが、大切なことは一切話していない。
韓国での尋問や裁判でも金の証言にはウソが多い。
金賢姫は大韓航空機爆破事件を起こしたとき、日本人のパスポートを所持していた。万一事件が発覚した時に、日本人による犯行と思わせるためだ。従って、旅券法違反と偽造公文書行使の容疑者として、日本政府は金賢姫の日本への身柄引き渡しを要求できる。
日本の捜査当局が金を逮捕し尋問すれば、日本人パスポートの入手経路はもちろん、拉致事件に関する情報も聞きだせる可能性が十分ある。
しかしなぜか、日本政府は身柄引き渡しの請求権を放棄しているのだそうだ。
死刑囚を野放しにした韓国政府といい、金賢姫にかかわる事件では、日韓両政府とも腰が引けているのはなぜだろう。
まさか相手が美人だから、ついつい鼻の下を伸ばしたわけでもなかろう。

さて、民主党小沢一郎代表をめぐる捜査だが、一部のメディアやネットの言論で検察の捜査に対する批判が行われているが、これは的外れだ。
先ず、今回の捜査が国策捜査かどうかだが、これはズバリ国策捜査だ。というより、検察特捜部の捜査は、元々が国策捜査なのだ。
しかしこの捜査が不当かどうかといえば、捜査は正当である。

東北地方の公共工事で、小沢一郎ににらまれたら受注はできないとは、建設業界の中では昔から言われてきた。だからゼネコン各社は小沢詣でをしてきたし、各社が競って小沢への献金を行っていた。
迂回しようとダミーを使おうと、出す方も受け取る方もお互いに承知している。そうでなければ、せっかくの献金がムダ金になるわけだから、企業はそんなバカなことはしない。
小沢一郎側は知らなかったと言っているが、それが事実なら献金した側からみれば詐欺にあったことになる。
もちろん、こうした企業と議員との関係は小沢と西松だけに限らない。
全国津々浦々、あらゆる地域で行われている。

小沢一郎の件は、本質は贈収賄事件だ。検察の捜査がそこまで行き着くことができるかどうかが焦点となる。
このさい検察に望みたいことは、西松建設から献金を受けた全ての国会議員全員を、贈収賄罪として立件すべきだということだ。
もしそこまでやれば世間は検察に拍手を送るだろうし、中途半端に終わらせるならヤッパリ麻生政権を守るためだけの国策捜査という烙印を押されるだろう。
わたしたち国民がなすべきことは検察を批判することではなく、検察を叱咤激励して徹底した捜査を進めさせることではなかろうか。

2009/03/11

【街角で出会った美女】エクアドル編(2)

南米ではベネズエラのチャベス大統領の登場が引き金になって、次々と反米左翼政権が誕生しています。
ここエクアドルも多聞にもれず、2006年11月の大統領選挙でラファエル・コレアが圧倒的な支持を得て勝利し、2007年に大統領に就任しています。コレア大統領は反米を旗印に、他国の反米政権との友好的関係の構築や、石油出国機構への再加盟などを進めました。
わたしがエクアドルを訪れたのは新大統領就任間もなくのころでしたが、汚職腐敗の国会議員を全員追放したり(これは日本でも是非やって欲しいですね)、低所得層に手厚い援助を行ったりしたとのことで、現地の日本人に聞いてもコレア氏の評判は上々でした。
政策が反米でも国の公式通貨は米ドルで、この辺が面白いところです。

エクアドル人は人柄が良い反面、あまり商売は上手ではないという評価でした。
例えばパナマ帽ですが実際にはエクアドルの製品ですが、未だにパナマ帽という名称で通用しています。
南米で麻薬というとすぐにコロンビアが頭に浮かびますが、これも実際にはエクアドルでも生産しているのだそうです。ところがコロンビアの下請け生産になっていて、旨い汁は全てコロンビアに吸い上げられているとか。

キトの郊外にオタバロという町がありますが、純血のアンデス原住民であるオタバロ族の人々が暮しています。
ここで毎週土曜日に開かれる青空市は、元々はオタバロ族の人々が作った織物とか手芸品を持ち寄ったものでしたが、今では楽器からアクセサリー、日用品、食料品など生活に必要なものが殆どここで売られています。
今ではエクアドルの観光には、なくてはならぬ存在になっています。
近くにはコタカナという町もありますが、ここは皮革製品の町で、メインストリートの両側にズラリ革製品を売る商店が軒を並べています。
欧米に輸出しているので、品物はしっかりとしていて、デザインもなかなか洒落ています。バッグなら1万円以下でかなり良い品物が手に入ります。
皮製品の小物なら1-2ドルで入手できますので、ツアー参加者は皆ここコタカナとオタバロのマーケットで土産物を買っていました。

写真はオタバロの青空市に来ていた少女たちで、弾けるような笑顔が素敵でした。
左上の男の人は、引率の先生だったようです。

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2009/03/10

「ネットダフ屋」を取り締れ

Photo以前、落語会のチケットが秒速で売り切れるという記事を書いたが、人気の高いコンサートやミュージカルのチケットを入手するには苦労する。電話はつながらず、ネットでのアクセスもつながらず、ようやくつながった頃には完売ということになる。
公正な競争なら諦めもつくが、これがそうでない。ヤフーや楽天などのネットショップに出品され、トンデモナイ高値で売られているのだ。
販売リストを見ると、未だ一般発売前のチケットや、何ヶ月も先のチケットが売られていたり、一人の人間が多数のチケットを売っている例もあり、明らかな転売目的(ネットダフ屋)であることが分かる。
この種の人間を「チケットゲッター」と呼ぶが、なかにはこれで生計を立てている者もいるそうだ。
こういう連中は、純粋にコンサートや芝居を楽しみたいという人々を妨害しているわけだから、悪質な犯罪として厳しく取り締って欲しい。

ダフ屋行為を禁止する条例は地方により異なるが、ここでは東京都迷惑防止条例違反(ダフ屋行為を例に見てみよう。
【東京都条例第103号】
第二条 何人も、乗車券、急行券、指定券、寝台券その他運送機関を利用し得る権利を称する物又は入場券、観覧券その他公共の娯楽施設を利用し得る権利を称する物(以下「乗車券等」という。)を不特定の者に転売し、又は不特定の者に転売する目的を有する者に交付するため、乗車券等を、道路、公園、広場、駅、空港、ふ頭、興業場その他の公共の場所(乗車券等を公衆に発売する場所を含む。以下、公共の場所という。)又は汽車、電車、乗合自動車、船舶、航空機、その他の公共の乗り物(以下、公共の乗り物という。)において、買い、またはうろつき、人につきまとい、人に呼び掛け、ビラ又はその他の文書図画を配り、若しくは公衆の列に加わって買おうとしてはならない。

「罰則」(抜粋)は次のとおり。
第八条 次の各号の一に該当する者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
一 第二条の規定に違反した者
八 常習として第一項の違反行為をした者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

つまりダフ屋行為は法律違反であり、違反者は最高懲役刑まで定められている。
処が、この法令には抜け道がある。この犯罪を立証するためには、次の二つの要件が要る。
(1)不特定の者に転売する目的でチケットを購入した
(2)転売目的で得たチケットを公共の場で不特定の者に販売した
このうち「公共の場で不特定の者に販売した」はネットショップやネットオークションもこれに含まれるから立証は容易だ。

問題は、購入した時点で「不特定の者に転売する目的で購入した」かどうか、誰がどのように判定できるかである。本人が他人から頼まれて買ったと主張したり、自分のために買ったのだが都合で行けなくなったので転売したと主張されると、免責されかねないのだ。
過去にネットオークションにチケットを出品して捕まった人間はいるが、よほど悪質なものに限られていて、犯罪の抑制効果にはあまり役立っていないのが現状だ。

もう一つ、いわゆる「金券ショップ」でも似たようなチケットが高値で販売されているという事実がある。
古物商の免許を持った業者が開設した営業所で、不要となったチケットを持ち込んだ売り顧客から買取り、買い希望者に売っている。
ところがこれは「古物売買」という正当な営業行為で、法令違反にはならないとされている。
しかしこの解釈はおかしい。
東京都の条例では、転売目的でチケットを購入すればそれは法令違反なのだから、ネットで売ろうと、金券ショップで売ろうと違法であることに変りはないはずだ。

ダフ屋行為を完全に防止するために、次のように定めたらどうだろうか。
「チケットを他者に転売するときは、定価以下の価格で販売する。定価を越えた価格で販売した場合は、転売目的で購入したとみなし、条例違反とする。」
この利点は以下の通り。
(1)定価以下でしか販売できなくなれば、ダフ屋は一掃される。
(2)都合で行けなくなった人も、購入価格は戻ってくる可能性がある。
我が国の健全な文化の発展のためにも、ダフ屋を追放すべきだと考えるが、どうだろうか。

2009/03/09

「政治に金がかかる」はウソだ

【全ての企業献金はワイロだ】
西松建設による不正な政治資金提供が民主党の小沢代表を始めとして、多数の自民党議員にまで行われていたことが判明した。不思議なのは、西松建設から受け取った金を返すと公言している議員がいることだ。その理由がふるっている。「道義的責任を感じて」というのだが、それなら道義に反するということを認めているわけだ。金を返そうと返すまいと、犯罪は犯罪なのだ。
さて西松から提供されて政治資金であるが、これは明らかなワイロだ。今後は贈収賄事件として捜査が進められていくことになるだろう。これで小沢総理の目は完全に消えた。

西松建設に限らず、全ての企業からの献金はワイロである。
この厳しいご時世に、誰が見返りを求めずに金を出すか。それが企業の利益になるから献金するのだ。
ダミーの団体を通して献金をしようと、企業としては出所が相手の議員に分かって貰わなくてはならない。そんなことは出す方も受け取る方も、百も承知なのである。
第一、全く利益が見込めない金を支出するなら、それは背任行為で、株主から責任を追及されるだろう。企業献金は先行投資であり、元々がワイロなのだ。
検察は心して厳正な捜査をするよう求めたい。

【政治に金がかかるはウソだ】
現在国会議員の大半は、議員歳費などの議員報酬と政党助成金を受け取っているが、これに加えて企業や団体からの献金を受けている。
不祥事が発覚すると必ず「政治に金がかかる」と言い張るが、これは本当だろうか。結論からいえばウソだ。政治に金を掛けるか掛けないかというのは個々の議員の選択だ。
現に企業や団体からの献金を受けず、政党助成金も受け取らない国会議員が、少数ではあるが存在している。
自民党議員の中にもかつては、借家住まいで質素な生活を送っていた清貧な議員がいた。そういう議員は選挙費用も、きちんと法定費用の範囲内でまかなっていた。
要は、やり方一つなのだ。
「政治に金がかかる」と主張している議員連中は、それを隠れ蓑に私腹を肥やしているだけだ。議員を金儲けの道具にしているから金が要る、当たり前の話である。

【それが嫌なら議員になるな】
言うまでもなく、企業からの献金は周り回って国民が負担している。出所は、わたしたちのフトコロである。
国民として議員に支払うのは、議員報酬だけで十分だ。それ以外は一切必要ない。
それでは議員をやれないと言うなら、辞めてもらって結構。誰も無理して頼んではいないのだから、嫌ならやらなきゃ良い。
それでも議員をやってやろうという人だけが集まって、議会を形成すれば良い。

こうして議員をやっても経済的にウマミがなくなることが分かると、もう一つ良いことがある。
【二世三世の議員がいなくなる】
なんの志も持たず、親から与えられた金と権力だけで議員になるような人間が一掃できる。
汚職腐敗もなくなり結構ずくめ、全てが万々歳となる。

2009/03/08

人物写真の愉しさと難しさ(改訂)

シリーズで掲載している「街角で出会った美女」が、予想以上に好評のようです。
画像は全て過去の海外旅行で撮りだめしてあった写真からピックアップしたもので、ガイドブックや雑誌のグラビアとは違ってアクチュアルなものです。
海外旅行での写真というと殆んどが風景の画像で、どれをとっても似たりよったりの写真になります。極端にいえば、現地で絵葉書を買っても、あまり構図は変らないということにもなりかねません。
わたしも海外へ行き始めたころは風景写真ばかりで、今から振り返るともったいない気がします。
これに対して人物写真は自分しか撮っていない、オンリーワンの魅力があります。
それと風景写真と比べ、人物写真は撮影した時の情景を鮮明に覚えていることが多く、後から画像を見ながら思い出に浸ることが出来るという利点もあります。

その反面、人物写真は風景と比べて難しい点がいくつかあります。
第一は、一発勝負で撮り直しがきかないということです。パッとその場で撮りますから、背景だのライティングだのという条件は一切考慮できません。ここが風景写真と決定的に違うところです。後から確認してみて、写真の出来が悪くガッカリすることなど、しょっちゅうです。
第二は、相手の了解が要るという点ですが、これは実は大きな問題です。誰だって見ず知らずの人からカメラを向けられ写真を撮りたいと言われれば、たいがいは断るでしょう。子どもを写す場合も、近くに親がいれば許可がいります。またアラブなどイスラム諸国では、基本的に女性の写真は撮れません。
第三は、上記とも関連しますが、被写体の人と何らかのコミュニケーションが必要だという点です。
たどたどしい言葉で挨拶をしたり、相手を誉めたりして、ようやく笑顔の写真が撮れるのです。
ツアーでの観光中に素早く撮影するので、けっこう苦労します。
第四は、観光地で人物を撮るとき、間違えて外国人を撮らないようにせねばなりません。せっかくの写真が、その国の人で無かったというのでは何もならない。周囲の状況からその点を確認することが必要です。
それだけに会心の人物写真が撮れたときは、喜びも大きいわけです。

撮影で、最も好きな構図は母親が子どもを抱いている写真です。
世の中にあるもので、母と子の愛情ほど気高く美しいものはありません。
西洋絵画で一番多いテーマは恐らく「聖母子」でしょう。いうまでもなく聖母マリアがイエスキリストを抱いた像ですが、この姿は時代や地域を越えた普遍的なものです。
わたしも各国で出来る限り、母子をカメラに収めることにしていますが、これも実際には難しく、成功しているのはごく一部です。

下の写真は、エクアドルの首都キトで撮った母子です。
画像を見ていると、自然にこちらの顔もほころんできますね。

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次の写真は、コロンビアの首都ボゴタで撮った母子です。
女の子はまるで人形のように愛らしいですね。

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2009/03/07

喬太郎の超レアもの「志らく・喬太郎二人会」

3月6日は「神楽坂落語まつり・神楽坂劇場二人会」の志らく・喬太郎二人会に出向く。牛込箪笥区民ホールという変った会場での公演で、もちろん一杯の入り。この催しは「神楽坂伝統芸能2009」の一環として行われたものだ。
志らくと喬太郎は同じ日大の同期生だが、志らくは中退して落語家になったのに対し、喬太郎は卒業後いったんサラリーマンになってから入門したので、今では志らくが先輩ということになる。

立川志らく「洒落小町」
志らくの新著「雨ン中の、らくだ」のPRをマクラに本題へ。
かつて三遊亭圓生が得意としていたが、あまり高座にかからない珍しいネタだ。
主人公の「ガチャ松さん」はこのネタにしか登場しない人物で、とにかくお喋りで話し出しら止まらない。お陰で亭主はしょっちゅう浮気(穴っぱいり)ばかり。そこで隠居が、亭主が家にいるときは洒落でも言って喜ばしてあげなとアドバイスするが・・・。
お松さんのダジャレを連発する場面で、志らくは随所に得意のクスグリを入れて大変面白く聞かせてくれた。こういうネタは、志らくは実に上手い。

柳家喬太郎「一人リレー落語(?)」
二人会というのは当然のことだが双方のフアンが来ている。志らくと喬太郎ではフアン層が異なり、客席からの反応が微妙に違うのだろう。客の反応に割合と神経質な喬太郎が、なかなかネタに入れない。
一度は「錦の袈裟」に入りかけ、それが「羽織の遊び」とゴチャマゼになり、それなら「寝床」にとなった所で立ち往生。
挙句は客からリクエストを求めることになった。沢山の声がかかり、そうした要望を取り入れて、次のような演出となった。
初天神―反対俥―粗忽長屋―黄金餅―らくだ―寝床、の「リレー落語」である。
リクエストに応えてその場で作ったものだが、これがなかなか面白かった。客は大受けで、喬太郎の才能を改めて感じさせる一席となった。
ただ、志らくフアンにはどう映っただろうか。

~仲入り~

柳家喬太郎「幇間腹」
近ごろの落語家の多くは、実物の幇間(たいこもち)を知らない。喬太郎ぐらいの年令だと、その師匠でさえ幇間を知らない世代になってしまう。仕方がないから見よう見まねで演じることになるのだが、どうもしっくり来ないのだ。
このネタの眼目は野ダイコの哀愁感が出せるかどうかだが、喬太郎の高座もここが足りない。それから茶屋の女将はもっと鉄火に描く必要がある。若旦那は良かったが、全体の仕上がりは不満が残った。

立川志らく「浜野矩随」
トリは人情噺になるのではと思っていたら、「浜野矩随」となった。
ご存知三遊亭圓楽の極め付けのネタで、なかなか他者の追随を許さない。ストーリーは湿っぽいので、圓楽のような大らかな芸風の人間がやらないと、ネタが生きてこない。
志らくの演出は適度にクスグリを入れて、暗くなり過ぎないように工夫されていて、面白く聴かせてくれた。
ただ若狭屋の旦那に風格が足りない。そのためか、今ひとつ聴いていて感情移入ができないのだ。

喬太郎の一席目は超レアもので、この日ライブで観た人は幸せである。

2009/03/06

歌曲の森第3篇「クリストフ・プレガルディエン」

Photo3月5日は《歌曲(リート)の森~詩と音楽 Gedichte und Musik~》 第3篇「クリストフ・プレガルディエン」を観賞にトッパンホールへ。
1回目のマーク・パドモア、2回目のイアン・ボストリッジに続くシリーズ3回目で、これで完走となる。
生まれてはじめてドイツ・リートなるものに接し、魅力にとりつかれてしまった。歌唱はもちろん、ホールも客筋も良く、芳醇な時を過ごすことができたことを感謝している。
トッパンホールは音響が素晴らしいのだが、例えばエントランスにあるベンチにヒーターが入っているのはとても親切だ。こういう細かな心遣いが嬉しい。

《出演者》
クリストフ・プレガルディエン(テノール)
ミヒャエル・ゲース(ピアノ)
《プログラム》
今回の作品全てはハインリヒ・ハイネの詩によるもの。
【シューマン】
海辺の夕暮れ Op.45-3/憎悪し合う兄弟 Op.49-2/きみの顔 Op.127-2/きみの頬を寄せたまえ Op.142-2/二人の擲弾兵 Op.49-1/ぼくの愛はかがやき渡る Op.127-3/ぼくの馬車はゆっくりと行く Op.142-4
【シューベルト】
「白鳥の歌》 D957より」
漁夫の娘/海辺で/都会/影法師/彼女の絵姿/アトラス
~休憩~
【シューマン】
《詩人の恋》 Op.48 全曲

テノールのクリストフ・プレガルディエンは、前の二人と違って堂々たる体格の持ち主。同じテノールでも彼の場合はバリトンに近く、低音がよく響く。
声量はたっぷりだし、両手を前に突き出して朗々と歌い上げるスタイルは、リートというよりオペラのアリアを聴いているような気分になる。
ドラマチックな歌唱で、「二人の擲弾兵」や「都会」「影法師」のような曲は胸が打たれる。
反面、前の二人に比べドイツ・リートの叙情性にはやや欠けていた印象を受けた。これは選曲の問題かも知れないが。
ミヒャエル・ゲースのピアノは、クリストフ・プレガルディエンの歌唱に負けず劣らずドラマチックで、度々主役の座を奪っていた。歌手の伴奏というよりは、ピアノ演奏に合わせて歌手が歌う場面があった。
リートではピアノがとても大事なのだが、今回のコンサートはそのことをより強く印象付けられた。

今回のコンサートの主催者が本シリーズの目的を、「心渇く現在(いま)という時代にあって、心静かに満ちる時間をお客さまと共有できることを願っています」としていたが、その目標は十分達せられてと思う。

2009/03/05

田母神前航空幕僚長の「戦争ゴッコ」

自衛隊航空幕僚長を更迭された田母神俊雄氏が、アチコチの講演会でひっぱりだこだそうで、ご同慶にたえません。選挙に出馬するとの観測もあるようで、ずいぶんと鼻息も荒いようです。
2月28日には北朝鮮による拉致問題をテーマに名古屋市内で講演し「自衛隊を動かしてでも、ぶん殴るぞという姿勢を(北朝鮮に)見せなければ拉致問題は解決しない」と述べています。
講演に先立つ記者会見でも同様の発言をし、記者から「『ぶん殴る』とは具体的には何か」と質問されると、「自衛隊を使って攻撃してでもやるぞという姿勢を出さないと、北朝鮮は動かない」と答えています。

田母神氏は、自衛隊を使って攻撃するぞという姿勢を見せれば、北朝鮮がひれ伏して「参りました。拉致した人は直ちに全員お返しします。」と謝ると、本気で考えているのでしょうか。そう信じているとしたら、これは誇大妄想ですね。
この程度では北朝鮮は頭を下げてきません。
なぜなら、自衛隊が北に先制攻撃をしかけてこないことが分かりきっているからです。だから「姿勢」だけ見せても驚かない。
北が反応しなかった場合、田母神氏はどうするつもりでしょうか。
振り上げた拳は、下ろすわけにはいかなくなりますよ。
ではこの先がどうなるか考えてみましょう。少し物騒な内容になりますが、カンベンしてください。

【北朝鮮への武力攻撃】
ネットの世界では以前から、北朝鮮へ武力を行使すべきだという勇ましい言論が飛び交っていました。
言葉に出すのは簡単ですが、本気で武力攻撃をしようというなら、それなりの準備と覚悟が要ります。
先ずこの場合の北朝鮮に対する武力行使というのが、どういう中味になるかです。
拉致被害者は北朝鮮の各地に分散して暮していると見られており、その全貌を掌握しているのは政権の中枢だけです。従って全員を安全に救出し日本へ帰還させるには、先ず金正日政権そのものを打倒、解体することが前提となります。
北の軍事施設を破壊し、抵抗する軍隊を撃退して、金正日ファミリーを始めとする政府要人と軍の幹部を拘束する。こうして一時的に北朝鮮全土を日本の支配下におく。
幹部からの供述により拉致被害者全員の居所を供述させて人々を救出して、日本へ送還する。
拉致を指示または実行した犯人を裁判にかけ、処刑あるいは服役させる。
ざっと、こういう手順になります。
つまりは「武力行使」=「対北朝鮮戦争」開戦ということです。

攻撃を受けた北朝鮮軍は、当然のことながら反撃をしてきます。北の領土内での戦闘はもちろん、日本本土への攻撃を行ってくるでしょう。これに対する防衛作を講じねばなりません。
仮に政権を倒して北朝鮮全土を制圧することに成功した場合、日本は引き続き新政府の樹立を助け、治安維持や経済回復のための援助を行うことになるでしょう。
イメージとしてはアメリカのイラクやアフガン戦争に似た形になるわけです。

ここで大切なことは、作戦は成功したが、その結果日本が世界中から非難を浴びて孤立してしまうという事態は、絶対に避けねばならないということです。
こうした前提にたって、北朝鮮への武力攻撃を行う上で、最低限クリアーすべき主な課題を列記してみたいと思います。

【外交】
先ず、米国の湾岸戦争やアフガニスタン戦争でも分かるように、武力攻撃を正当化するために、国連安保理による決議など、国際的な合意が必要になります。
武力行使ですが、本当は日本単独ではなく多国籍軍を編成し戦闘に入ることが望ましいのですが、これは実現できないと考えたほうが良い。
次に重要なのは対米関係です。
日米共同での武力行使を望みたいところでしょうが、現在の米国の状況から無理です。ブッシュ政権でさえやらなかったのに、オバマ政権が米軍を北朝鮮への攻撃に投入するとは考えられません。
従って、日本単独での軍事行動ということになります。
ただ北への武力行使にあたって、アメリカの事前承認を受けておくことは必須条件です。
もしアメリカが日本の武力行使に反対した場合は、北朝鮮への先制攻撃は断念するしかありません。
加えて大事なことは、6ヶ国協議のメンバーでもある周辺国、韓国と中国とロシアの承認を取り付けておかねばなりません。開戦にあたって、これらの国が少なくとも好意的中立を保って貰う必要があります。
万一にもこれらの周辺国との戦争へ拡大することだけは、絶対に避けねばならならない。
「戦争は外交の延長」とは良く言われている言葉ですが、その通りです。ここを失敗すると戦争の泥沼化や、果ては日本側が甚大な被害を受けるという最悪の結果を招きかねません。

【軍事】
一番大きな問題は、今の自衛隊は専守防衛が中心であり、他国への攻撃を想定していないということです。
北朝鮮への武力行使を実施するなら、装備も隊員教育も攻撃型に変えてゆかねばならないでしょう。相手国の施設を破壊し、相手の戦闘員を殺害するという組織にするという意味です。
これも言葉で言うのは簡単ですが、容易ではありません。
兵器の生産体制は、前線への武器弾薬食糧などの補給体制はと、課題は山積しています。
装備は金で解決できるとしても、訓練には時間がかかります。
兵員も増強せねばならない。平時の時ならともかく戦争の前線に派遣するのですから、果たして志願兵が必要なだけ集まるかという問題があります。そうなると徴兵制を敷かねばならないでしょう。
戦死者や遺族の国家補償をどうするのか、これも検討事項です。
「武力行使」というのは勇ましい言葉ですが、一体それを誰がやるのかというのが大きな問題です。

【財政】
戦争というのは金食い虫で、戦費の調達もまた重要課題です。
9・11以後にアメリカがイラク戦争に投入した戦費が、日本円換算でおよそ50兆円とされており、アフガニスタン戦争を含めて最終的にどれ位の費用がかかるのか、未だ分からない状況です。
北朝鮮との戦争では戦費がいくらかかるのか、その予算措置をどうするのか、そうした積算や資金計画が必要になります。
何せ、「金が無くては戦ができぬ」ですから。

【内政】
先ずは憲法9条を改定し、交戦権と軍備の保持を明記せねばなりません。改定にあったては国会議員の3分の2と国民の過半数の賛成が必要ですが、ここがクリアーできるかです。
次いで関連する国内法の改正や整備、これは想像もつかないほど膨大なものになります。法律の制定にはいずれも国会議員の過半数の賛成が必要であり、これも大きな壁です。
こうした外交、軍事、財政、法整備などの全ての課題を短期間に片付けようとするなら、民主主義的な手続きを踏んでいたら実現は無理です。
一人の権力者に決定権を集中させるような制度、はやくいえば独裁国家に変えていかねばならない。
結局は今の日本を軍事国家に改造していく、こういう道筋になるでしょう。

北朝鮮への武力行使を実現しようとすれば、大まかに上記のような結果になると思われます。
しかしこれが日本国民を幸せに導くのか、大いに疑問です。
「武力行使」という言葉を安易に口にすべきではない、わたしはそう思います。

田母神氏に言いたい。「北朝鮮をぶん殴る」とはどういう事で、どうしたらそれが実現できるのか、それがどこへ帰結していくのか、果たしてどれほど真剣に考えているのでしょうか。
どうも田母神発言は、戦前の帝国陸軍幹部が、シナなど一撃で降参するといった発想で戦火を拡大したことと、類似性を感じてしまいます。
戦争はゴッコ遊びではありません。

2009/03/04

【街角で出会った美女】エクアドル編(1)

今まで訪れた中南米の国々の中で、最も印象的だったのはエクアドルです。
景色は美しいし、人柄が良いし、料理も美味い。
おまけに酒は旨いしネエチャンは綺麗、オットこれは余計ですが。
国のほぼ中央をアンデス山脈が通っているので、中央部は高山地帯、西側は海岸地帯、東側はアマゾン・ジャングル地帯になっています。
首都であるキトは標高が2800mと高く、赤道近くにもかかわらずしのぎ易い爽やかな気候に恵まれています。気温は日中でも20-25℃、早朝は10℃を切ります。キトでは一日の中に四季があります。
以前、このキトでミスコンの世界大会が行われた時に、高山病のような症状で体調を崩す代表者が続出したそうです。ダイエットで痩せた人ほどダメージが大きく、その大会では健康的な美女がグランプリを獲得したとか。

キト旧市内は、文化遺産としては世界で最初に世界遺産に登録されました。
16世紀にインカ帝国が滅び、代りにスペインが南米を支配するのですが、欧州のキリスト教文化と伝統的なインカ文明が融合し、この地に新たな文化として花開いたのです。
1809年にエクアドルはスペインから独立しますが、南米諸国の中で最初にスペイン支配から脱した国となりました。

写真はキト旧市内の中心にある独立広場にいた女性です。
何か面白くないことでもあったのでしょうか、向かいの男性に鋭い視線を送っていました。

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2009/03/03

自民も民主もしょせんは一つ穴のムジナ

裏金をつくらないゼネコンはありえない。
違法献金をしていないゼネコンも存在しない。
それをやることがゼネコンの最大の存在価値だからだ。
西松建設は業界の中では比較的固い企業といわれていた。今回検察から狙い撃ちされたのには、最初から事情があったわけだ。本命はあくまで小沢一郎への金の流れだった。
本日、東京地検特捜部が、政治資金規正法違反容疑で、小沢代表の公設第一秘書で同会会計責任者大久保隆規容疑者を逮捕したが、ようやく主役のお出ましだ。
これで「小沢総理」の目もなくなったというわけだ。
ここにきて麻生首相がグズグズと解散を引き伸ばしてきた理由が、ようやく分かってきた。

法律スレスレの金集めをしている点では、自民党も民主党も同じ穴のムジナだ。
右手には国民の税金から出させた政党助成金を貰い、左手には企業からの献金を受け取る。
企業献金を無くすからという理由で、政党助成金制度をつくった筈なのにだ。
その献金の色が白に近いのか、それとも黒に近いのか、要はそれだけの違いしかない。
色を判定するのは検察で、これがいわゆる国策捜査とよばれるものだ。
有権者もそろそろ目を覚まさないといけないだろう。

2009/03/02

「諸悪ノ根源ハ小沢一郎ニ在リ」再論

民主党の小沢一郎代表が米軍再編に絡み「(在日米軍は海軍)第7艦隊で十分」などと語ったことが党内外に波紋を広げ、自民党はハシャギ、マスコミも大騒ぎしているが、そんなにビックリすることだろうか。
小沢本人は「当然の話」としているが、その通りなのだろう。
小沢一郎の政治信条を過去の発言などからまとめてみると、おおよそ次のように整理できる。
【外交】日米同盟を基軸とする。明治以来の日本の繁栄は、アメリカとの友好関係により保たれてきたという主張。
【防衛】集団的安全保障を基本として、日本の自主防衛力を強化するという主張。従って改憲論者でもある。
【経済】新自由主義経済論に近い。
【政治体制】政権交代が可能な二大政党論。政権が交代しても基本政策は変らないというのが前提。
今回の「第7艦隊」発言も、発言のタイミングを別にすれば、過去の文脈からすればそれほど外れたものではない。

それじゃあ、自民党とあんまり変らないではないかという思われる向きもあるだろうが、これも当然なのだ。
元々が自民党の中枢にいた人間であり、そういう意味では骨の髄から保守政治家である。
今は民主党代表におさまっているが、その民主党も主流を占める執行部の大半は元はといえば自民党。両者の間に差が無いのは当たり前で、せいぜいアサヒビールとキリンビールの違い程度だ。
もしズレがあるとすれば、マスコミが作り出し一部の国民が幻想を抱いている民主党のイメージと、小沢一郎の信条に食い違いがあるからだ。

第7艦隊で十分かどうかは別として、小沢が主張する自主防衛論は、自民党内にも同じ考えを持つ議員も多い。もちろん民主党内にも同調者はいる。
今回の騒動も、しょせんはコップの中の嵐である。

二大保守政党による政権交代だが、別に小沢の専売特許ではない。これも米国の受け売りなのだ。
それより我が国でも戦後から1955年の保守合同までの間は、自由党と民主党の二つの政党により政権交代が行われていた。
小沢の二大政党論は、半世紀前への「里帰り」なのである。
彼が主導した小選挙区制と政党助成金制度により、日本の議会制民主主義は危機に瀕してしまった。
やっぱり諸悪ノ根源ハ小沢一郎ニ在リなのだ。

2009/03/01

【街角で出会った美女】ノルウェー編

子どものころ読んだラーゲルレーブの「ニルスの不思議な旅」やアンデルセン童話の影響で北欧に憧れ、一度は北欧を訪れてみたいと思っていましたが、実現したのは半世紀を越えていました。
イメージに違わず北欧4ヶ国はいずれも美しい国で、強く印象に残る旅行となりました。バスで移動中の車窓の景色を眺めていると、ずっと頭の中にグリーグのピアノコンチェルトが鳴り続けていていました。
この時の旅で気が付いたのですが、国が豊かでないと街は美しくならないということです。

北欧諸国はいずれも高福祉・高負担の国としても知られていて、実際に所得税は4割近く、消費税も20%を超えています。ツアー参加者の多くはこの点に関心を持っていて、それぞれの国の現地ガイドに対して、高負担に対する国民の不満は無いのかという質問をしていました。
それに対する回答を集約すると、次のようでした。
(1)見返りとしての社会保障がしっかりとしているので、あまり不満は無い。
(2)それでも以前と比べると、福祉は後退している。例としてスウェーデンの失業保険が、かつては無期限だったのが、今は3年に短縮されたとのこと。
(3)負担と受益が公平に行われるためには、国家が個人情報を完全に掌握する必要があるのだそうで、現地ガイドによると個人の学業成績まで国が管理しているとのこと。国民総背番号制など目じゃないですね。
こういう社会システムにするには、よほど政府と国民の信頼関係が強固でないと無理であり、日本では難しいかなと感じました。

北欧美女の条件としては、先ずは色白、それも薄いピンク色の肌が特長です。
次に金髪、大きな目、そして豊かな胸(ここがカンジン)といったところが共通点でしょうか。
写真はノルウェーの首都オスロの現地ガイドですが、彼女はその典型です。

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