国立・花形演芸会三十年「受賞者の集い」(4/25昼の部)
国立演芸場開場30周年記念 特別企画公演 花形演芸会 三十年 ―受賞者の集い―と銘打った長い長いタイトルの公演。花形演芸会も名称を変えながら30年、プログラムによれば今のようなスタイルに改めたのは平成7年からとある。
当初は観客が30人入れば良い方だったと書かれているが、確かに私が国立に行き出したころは、前売りなど買う必要はなかった。爆笑問題が出た会でも当日に入れたのが今では懐かしい。
今回の記念公演は3回に分かれていて、通しで見る予定にしている。
今日はその1回目。
【25日(土)13:00開演】
・前座 柳亭市也「子ほめ」
こうした落語会の前座というのは圧倒的に市馬の弟子が多いように思われるが、何か理由があるのだろうか。
・桂ひな太郎「酢豆腐」
古今亭志ん朝の高座の丸写しで、もう少し「自分」を出した方が良いではなかろうか。
一本調子なので平板な印象を与えるのも工夫を要する。
・昭和 のいる・こいる「漫才」
・柳亭市馬「首提灯」
今回出演の噺家の多くが、草なぎ剛の一件をマクラにしていた。あれで捕まるんじゃ落語家は全員逮捕されると言っていたが、その通りだろう。瑣末なことで厳しすぎると、息苦しい社会になってしまう。
さて「首提灯」、町人が侍にたて突く話は多いが、それで首を切られるというストーリーの珍しいネタだ。
見せ場は首と胴体が別々に動くという動作を示すところだが、ここが大変良く出来ていた。三遊亭圓生と同様に、顔が長く、動きのキレイな噺家向きの演目だ。
―仲入り―
・テツandトモ「コント」
売れたのは10年ほど前になり、近ごろはあまりメディアで見かなくなったが、相変わらずパワフルな舞台を見せてくれた。
過去の人になっていないのは、それだけ芸がしっかりしているからだろう。
・ナポレオンズ「奇術」
面白かったが客をいじり過ぎの感があった。できればまともなマジックを一つ見せて欲しかった。
・柳家喬太郎「心眼」
名人・文楽が亡くなったとき、このネタを墓場まで持っていかれたかと案じていたが、喬太郎の演出で立派に蘇り、いまや彼の持ちネタの一つになっている。
あんまの梅喜の蔑まされた人生と、眼が開いたときの爆発的な喜びと暗転。
梅喜と女房お竹とのしみじみとした夫婦愛を描いて、胸に迫る。
今回は時に出来が良かった。やはり国立のトリの喬太郎に、ハズレ無しである。
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