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2009/04/27

「爆笑問題」の面白みが薄れた理由(国立演芸場 4/25夜)

前回に引き続き、国立・花形演芸会三十年「受賞者の集い」(4/25夜の部)に。他の寄席とちがって国立演芸場は、昼の部と夜の部の間が1時間半以上あり、通して見たいときに時間をつぶすのに苦労する。
今回は髪が伸びていたので近くの理容店でカットをしてもらい、ちょうど良い暇つぶしになった。床屋の主人としばしの落語家談義に花を咲かせる。
さて、夜の部の目玉は「爆笑問題」で、今回はトリでの出演となった。

国立の高座で初めて爆笑問題を見たのは、約10年ほど前になる。この間彼らは毎年この会には出演を続けていて、人気者になっても国立の高座を忘れないという姿勢は評価している。
しかし二人の漫才はといえば、年々面白さが薄れてきているような気がする。
もちろん並の漫才とすれば今でも十分面白いのだが、かつての腹を抱えるほどのものではない。
ここで、その理由(わけ)を考えてみたい。

第一は、やはりお笑い芸人としてのピークが過ぎたということ。お笑いの世界で面白さの賞味期限は、せいぜい頑張ってもおよそ10年位が限度と思われる。
例えばビートたけしやタモリ、さんまだって、今彼らがピンでお笑い芸をやっても少しも面白くないだろう。それが分かっているかから司会業に専念している。
爆笑問題も、最早そうした時期にさしかかっているのだろう。
第二は、一般にお笑い芸人はメジャーになるにつれ、毒が薄れてマイルドになっていく。TVの人気番組のレギュラーを持ち、CMにも起用されるようになると、次第にカゲキな芸を避ける傾向が出てくる。ある意味「守り」の姿勢が強まるのだ。
第三は、上記とも関連するがメジャーになるにつれ風刺の精神が薄れてくる。これは時事問題を笑いのテーマにする芸人の宿命なのかも知れない。
古くは漫才で一世を風靡したコロムビアトップ・ライトがそうだったし、横山ノックや上岡龍太郎らの漫画トリオも又しかりだった。
人気が高まれば収入も増え、ステイタスも上昇してくる。支配者層との接触も増してくる。
批判の切っ先が鈍ってくるのは避けられないのだろう。

【25日(土)18:00開演】
前座・柳家小ぞう「初天神」
今年二ツ目に昇進する前座だけあって、一日の長あり。身体は小さいが声は大きい。
・三遊亭遊雀「熊の皮」
このネタ、私の記憶では、かつては典型的なバレ噺だったのだが、近ごろはすっかりマイルドなオチになっている。ただし今のオチでは敷物が「熊の皮」である必然性はないわけで、いっそのことカーペットで演じた方が分かり易いだろう。本来は、熊の皮だから「女房が宜しく申しておりました」となるのだ。
それはそれとして、遊雀独特の世界(ワールド)に客席を引き込み、とても楽しい高座となった。
紆余曲折のあった遊雀の芸人人生、その節目節目にこの花形演芸会があり、そういう意味では特別の思いがあるのだろうと察せられる。
・だるま食堂「コント」
隣の席の男性客がしかめっ面をしながら見ていたが、彼女たちの芸は好みが分かれるのだろう。私は大好きだ。
笑いの芸として完全な型を持っており、変に客に媚びないところが良い。後は本人たちの年令との戦いだろう。
・瀧川鯉昇「長屋の花見」
こちらも独特の鯉昇ワールドの持ち主で、一度ハマルとなかなか抜け出せない。一種の中毒症状になってしまう。
一見「脱力系」だが、実は精緻に計算され尽くした演出だ。大家の飼い猫を店子が食べるというブラックユーモアをエピソードに入れて、この長屋の住人たちの生活を客に示唆している。タミフルのマクラから本題のオチまで、間然とするところが無い。

―仲入り―
・国本武春「赤垣源蔵徳利の別れ」
久々に武春節を聴いたが、独特の節回しに酔った。
浪曲を若い人に普及させたこの人の功績は大きい。これからまた浪曲の人気が復活するのではと予感させる。
・橘家圓太郎「お茶汲み」
人気は今ひとつだが、この人の芸は確かだ。何をやらせてもレベルに達している。
この日のネタは古今亭のお家芸なのだが、圓太郎は実に上手く演じていた。欲をいえば、この人の女形にもう少し色気が欲しい。
・爆笑問題「漫才」

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