国立演芸場4月上席(4/4)
4月の国立演芸場は30周年記念と題して、上席は落語協会による日替わりプログラムとなっている。桜が満開の4月4日(土)、知人の奥さんが出展している絵画展を見に新国立美術館に行った後、演芸場に足を運ぶ。
・〔前座〕三遊亭玉々丈「金明竹」
芸名が「タマタマ」ではTVに出られないのではと、余計な心配をしてしまう。爽やかで明るい語り口に好感が持てる。将来性あり。
・蝶花楼馬楽「替り目」
いま落語協会だけで真打がおよそ170人いるが、そのなかで常に寄席に出ている噺家は一握りと言って良い。一度も高座を見たことが無い真打も少なくない。落語界もまた大きな格差社会なのだ。
寄席といえども興行だから、いくら実力があっても人気(集客力)が無いと声が掛からない、厳しい世界だ。
馬楽は一席終わった後で「深川」を踊ったが、下座のお姐さんの声の良さにウットリした。近ごろ音曲の芸人に美声が少なく、いっそこの日のお囃子の人を高座に上げたらどうだろうか。
・松旭斎美智・美登「奇術」
・入船亭扇遊「人形買い」
入船亭の折り目正しい芸風に扇遊の明るさが加わり、いつも楽しい高座を見せてくれる。「壷算」にストーリーが似ているが、こちらは店の小僧が陰の主役だ。時間の関係でカットされていたが、是非フルバージョンで聴きたいネタだ。
・宝井琴調「寛永三馬術より」
東京港区にある愛宕神社に上がる石段は、「出世の石段」と呼ばれているが、これは講談の「寛永三馬術」の曲垣平九郎の故事にちなんでいる。
季節感あふれる演目で、琴調が明るく語る。
・春風亭一朝「蛙茶番」
ここでバレ噺というネタの選定は、どうだったのだろうか。
~仲入り~
・内海桂子「桂子ひとりごと」
ますます元気。「奴さん」の踊りのサービス付き。あと10年はやれそうだ。
・古今亭志ん駒「漫談」
いつもの漫談。
・大空遊平・かほり「漫才」
喋りが一本調子なため単調になる。もう少し「間」のとり方に工夫が必要ではなかろうか。
・春風亭小朝「親子酒」
毎回お馴染みのマクラ。オバマと麻生とローマ法皇の落下傘のジョークは面白かった。
それと、食事のマナーとベッドでの行動には相関関係があると言っていたが、小朝自身はどうなのだろうかと、ついつい考えてしまった。
茶碗で酒を一杯飲むごとに、一杯分ずつ酔いが深くなっていく描写で「親子酒」を。小朝は酒を飲めないそうだが、酔っ払いの仕草は上手い。
のんびりとした春の一日に相応しい、緩めの寄席。
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