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2009/04/06

国立演芸場4月上席(4/5)

昨日に引き続き満開の最高裁判所の桜を横目で眺めながら、国立演芸場30周年記念の4月上席へ。

・〔前座〕柳亭市也「子ほめ」
・三遊亭金時「唖の釣り」
金時がハナとは贅沢な寄席だ。得意のネタでいつ聴いても面白い。どっしりとした高座姿が良い。
障害者を扱う演目はどうしても敬遠されがちだが、これも日本伝統芸能の一側面でもある。それと、障害者への暖かい眼差しがあることを忘れてはならないだろう。
・柳家亀太郎「三味線曲弾」
こちらも、いつ聴いても見事。欠点は声が悪いのと色気がないこと。
・柳亭市馬「長屋の花見」
この時期の定番だが、これがなかなか難しいネタなのだ。下手な人がやるとさっぱり面白くない。
近年では先代小さんが極め付けだったが、市馬はその柳家のお家芸をしっかりと受け継ぎながら、独自のギャグを織り込んで実に楽しい「花見」に仕上げていた。
市馬がお目当てのフアンは大喜び。
・宝井琴柳「笹野権三郎『海賊退治』」
浪曲と講談は一にも二にも声だが、琴柳の潰れたような声は聞きづらい。
・桂南喬「富士詣り(参り)」
珍しいネタの落語で、ストーリーは、
江戸時代には富士山信仰もあり、講中でそろって富士山に登っていた。先達と呼ばれるリーダーを中心に登山するのだが、今と違って当時は裾野から歩いて登ったので大変だった。
疲れたと愚痴を言い出す人たちに、先達は「五戒を破った者は天狗が出てきて罰せられる」と脅かす。「物を盗む」「姦淫を行う」などの罪を犯すと、天狗に股を裂かれたりするというわけだ。
誰しも一つや二つ覚えはあるので、次々と懺悔話が出てくるが・・・。
地味だが確かな芸の持ち主の南喬らしい、ユッタリとした高座だった。

~仲入り~
・青空球児・好児「漫才」
実に久しぶり。好児は現職の世田谷区議だそうだ。
コンビを組んで43年の年輪と、いつまでも若々しい芸が持ち味で、会場を沸かしていた。
・古今亭志ん橋「出来心」
このネタは、主人公の泥棒にトボケタ味が出せるかどうかが勘所で、現役では小三治が十八番としている。
志ん橋は喋りが一本調子なため、どうしてもトボケタ感じが薄くなる。
・江戸家小猫「物真似」
今秋、いよいよ四代目猫八を襲名の運び。父親は物真似はもちろん、語りが上手かった。
喋りの芸も磨いて、先代に迫って欲しい。
・入船亭扇橋「心眼」
いつも滋味溢れる高座で楽しませてくれる扇橋だが、さすがに衰えを感じるようになった。
演じている内に話が前後してしまい、修正しようとすると同じ会話が繰り返されるというシーンが2回あった。咄嗟に言葉が出てこなくなる場面もあり、今の状態では長丁場は難しいと思われる。
寂しい話だが、これは致し方ない。

トリが少々残念だったが、バラエティに富んだ充実の一日となった。

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コメント

「長屋の花見」
>なかなか難しいネタなのだ。下手な人がやるとさっぱり面白くない。
おっしゃる通りです。メリハリをつけないとだらけてしまいますね。
僕は最近、三遊亭小歌の演じた「長屋の花見」を聴きました。
渋い語り口で満足いたしました。
市馬の織り込んだ独自のギャグというお話ですが、
若手が演じる場合は逆のパターン、つまり高級食品(フォアグラや鱶鰭等)を持ち込んでかえって混乱するなんて話でも面白いかなと思います。

福さま
コメント有難うございます。
私が子どもの頃は、まだ隣近所を誘ってみんなで花見に行くという風景がありましたが、その頃の情景を描きながら、浮き浮きするようなお花見の賑やかさやを醸し出すという、なかなか難しい演出が要求されるネタです。
現役では市馬、三三といった所が面白いと思っています。
シーズンなので、聞き比べにはモッテコイです。

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