阪神フアンは「メンチ」にもう少し辛抱を
4月5日の大阪ドーム球場の阪神応援団から、途中交代したメンチ選手に「もう(アメリカへ)帰っていいぞ!」のヤジが飛んでいた。無理もない。開幕スタメンに起用されながら好機に凡退を繰り返し、ここまで3三振、8フライの無安打。「メンチ」勝つどころか、「メンチ」フライだと揶揄される始末だ。
しかし、これまでの成績だけでもう使い物にならないという烙印は、少し早すぎるのではなかろうか。
1983年5月の神宮球場での阪神-ヤクルト戦で、スタメンが発表されると3累側から溜め息がもれた。「7番、ライト、バース」と場内放送されたのだ。
ランディ・バース、その年に入団したが極度の不振で打率は1割台、おまけに足は遅いし守備は下手、打てず守れず走れずの典型的なダメ外国人選手だった。
試合が始まって間もなくライトにフライが飛びバースがキャッチすると、フアンは「バースが捕った」と胸をなでおろす始末だ。
それが2か3打席目にバースが二塁打を打ったときは、阪神応援席は「おい、バースが二塁打を打ったぞ」と大騒ぎだった。結局この試合でバースは確か3安打を放ち、この日がきっかけになって、タイガースの中心バッターにすわっていく。
1985年の阪神優勝は、バースの活躍なくしては語れない。
巨人で活躍したクロマティだって、最初の頃は内野ゴロの山を築き、「ゴロマティ」と呼ばれていた。
外国人選手は、何かのきっかけで大化けする場合がある。
今年の阪神の打線についていえば、真弓監督の構想の中心に「6番、ライト、メンチ」があることは確かだ。鳥谷を3番に上げ、新井をサードにコンバートして5番にすえたのも、全てメンチが6番に固定できると踏んだからだ。
もしメンチが使えないとなれば、真弓構想は根本から練り直しとなる。
そうであれば、いま少し見守ろうではないか。
メンチの現状は日本人投手にてこずり、変化球には身体がつっこみストレートには振り遅れるという状態だ。打ちたいという焦りが悪循環を生んでいる。だから、一つ良い結果が出れば、様変わりする可能性があると考えたい。
切るのはいつでも切れる。
だからタイガースフアンよ、もうしばらく辛抱してみようではないか。
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