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2009/05/02

「豚インフル」列島狂乱

ここ数日、TVなどマスメディアは連日新型インフルエンザの話題で持ちきりだ。
小沢一郎の捜査も検察の腰くだけで尻つぼみ、テポドンもしばらく飛んできそうにない、草なぎ剛は起訴猶予で決着し、解散はいつになることやら、ちょうどニュースの端境期に豚インフルエンザのニュースが飛び込んできた。マスコミとしては待ってました!とばかり、いっせいにこの話題に飛びついたというわけだ。

世界中に感染が広がるとか、もし日本に入ってきたら大変なことになるという危機感だけが強調されているが、現状はどうなのだろうか。
WHOの5月1日の発表によると、新型インフルエンザ(豚インフルエンザ・A/H1N1)の感染が確認された患者は、全世界で333人、死亡はメキシコの8人と米国の1人の計9人となった。これが全てである。
感染者が確認されたのは11カ国で、そのおよそ半数はメキシコだ。

今回の新型インフルエンザについての最大の疑問は、メキシコだけに死亡を含む重症者が多い反面、他の国の感染者は比較的軽症だという点だ。
そういう意味で米国の死亡例は注目を集めたが、死亡した男児は生後22カ月で、インフルエンザの症状を発症する前から「健康上の問題」を抱えており、米保健省の担当者は「男児には免疫的に問題があった」ことを明らかにしている。
そうなると、このアメリカの死亡例は特殊なケースである可能性が高い。

問題のメキシコだが、国立感染症研究所感染症情報センター長の岡部信彦氏らが4月27日、マスメディアに対し説明しているのだが、メキシコの重症患者の具体的な症状については、情報がほとんど得られておらず分からないと言っている。
感染ルートや患者の臨床症状については「不明の点がまだ多い」というのだ。
メキシコに行かれた方ならご存知のとおり、現地の衛生状態は決して良好とはいえない。というよりは、都市の貧困層は、かなり劣悪な環境の中で暮している。
医療制度も我が国とは異なり、国民誰もが適切な診療を受けられる状況にはない。
メキシコの重症者というのも、免疫上の問題や別の細菌による重感染、あるいは元々基礎疾患があったという可能性があり、正確な情報待ちという段階だ。

20世紀初めに世界的に流行したスペイン風邪との類似性を指摘する声もあるが、当時と100年後の現在とでは、検査や治療といった医療レベルが比較にならない。
しかも現時点では、新型インフルエンザは軽毒性だと想定されていることを考えれば、徒に恐怖心を煽るような報道は、百害あって一利なしだ。

政府は冷静に冷静にといいながら、実は危機感を煽っているかに見える。
舛添要一厚労相の日本人感染発表の二転三転のドタバタぶりは、「国民の皆さん、正確な情報が入ればお伝えするので、落ち着いて行動してほしい。」という声明とは裏腹である。
「不要不急であれば人込みを避けるということはやっていただきたい。」と言っていたが、それでは都市に住む人間は外出できないことになる。
おまけに横浜市との責任のなすり合いによる場外乱闘は、「先ずアンタが冷静になれよ」と言いたくなる。
舛添要一大臣といえば、2000年問題(ミレニアム)の際に、飲料水と缶詰を抱えてホテルのこもった「前科」があるが、元々がオッチョコチョイな性格なのだ。

危機感は、国民の心を一つにする。
衆院選を間近に控えた政府・与党としては、当然そうした計算も働かせているだろう。その掌の上でマスコミが踊っているというのが、現状ではあるまいか。
先ずは、新型インフルエンザに関する正確な情報を把握することが肝要だ。

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