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2009/05/03

第三回 三三 背伸びの十番

五月三日横浜にぎわい座、「三三 背伸びの十番」の第三回に出向く。もちろん満席。
先輩落語家を毎回ひとり招いて、今年12月までに十回の連続公演をやろうというわけだ。
芸人があるとき急に上手くなるのを「化ける」というが、ここ2.3年の三三は正に化けてきた。この人は将来、師匠の小三治より、圓生のようなタイプの噺家に成っていくのではと想定している。

今日は憲法記念日だ。近ごろ憲法を改正しようという声が高まっているようだが、人間いつも恩恵を受けていると、有難味を感じなくなってくるという悪い癖がある。なかには戦前を懐かしむ異見も一部にあるが、私から言わせればトンデモナイことだ。
例えば女性が選挙に出られるように、投票に行けるようになったのは戦後になってからだ。
今の憲法で国民主権や言論の自由が明記され、現在こうして誰もが自由に意見が表明できるようになった。
共産主義は言論の自由が無いからケシカランと非難する人に限って、今の憲法を改正しろなどと言い出すのだから、ワケが分からない。

前座・入船亭辰じん「道具屋」
声が良く通るし、口調もしっかりとしている。名前のように将来は達人になるかも知れない。有望な前座だ。

・柳家三三「高砂や」
いやいや、オリジナルの「高砂や」を倍ぐらいに膨らませて、短編を中篇に仕立て直した改作である。
先ず初めに仲人を頼まれた職人が隠居の所へきてトンチンカンな会話をして、この男がそそっかしい性格の持ち主であることを示した。次にこの男がなぜお店の若旦那の仲人を頼まれたかの経緯が語られる。この辺りはオリジナルの不自然さを補っている。
この他三三は独自のクスグリを随所に散りばめ、コクのある「高砂や」を創りだした。

・入船亭扇橋「茄子娘」
仲の良い同期の柳家小三治とのエピソードから戦中から戦後にかけての食料不足の話、物故者の思い出話などを長講。扇橋の場合、これがマクラなのかネタなのか区別がつかない。この後、浅草演芸ホールに回り、トリの小三治が焼肉をご馳走してくれるのだそうで、それだけが楽しみだと言っていた。
何のこともない話なのだが、何だか面白くてついつい笑ってしまう。
その後、短いネタで「茄子娘」を、余りにバカバカしいので、扇橋以外は高座にかける人がいないそうだ。

~仲入り~
・柳家三三「薮入り」
三代目三遊亭金馬の十八番で、現在もこのネタは金馬の形で演じている。
かつて男の子は10-11歳で奉公に出され、休みで家に帰れるのは1年の2回だけ。それも最初の3年間は見送りにされたというのだから、今では想像もつかない厳しさだ。
うち1回が1月16日で、この日が薮入りだ。
4年ぶりに出合った親子の絆を、泣き笑いの中で表現するという、難しいネタである。
三三の演出はオーソドックスで、オチの部分だけを変えていた。
マクラで当時の商家のしきたりや、鼠とりが小僧たちの小遣い稼ぎだったことなど丁寧に説明して、本題の理解を助けていた。
泣かせどころをキッチリおさえた手堅い高座で好演だったが、父親はもう少し無骨に描いたほうが良いだろう。

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