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2009/06/24

【イラン情勢】1枚の映像が国際世論を変えるか

先ずは下の画像を見て下さい。
イラン大統領選をめぐる混乱の続くテヘランで、反アハマディネジャド大統領デモで銃撃された若い女性が路上に仰向けに倒れ込んでいる衝撃的な写真です。
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この少女の名はネダといい、婚約者の証言によれば6月20日イランの首都テヘランを車で移動中、デモ現場付近に遭遇して交通渋滞に巻き込まれました。
暑かったために車から降りたところ、保守派の民兵組織バシジが撃ったとみられる銃弾を胸に受けたものです。
倒れ込むネダさんに周囲の人々が「心配するな」と励ましますが、彼女を助けることができず、彼女は数分後に息を引き取ったということです。
彼女が絶命しつつある映像はインターネット上に流れ、「イランの天使」として反体制運動の象徴的存在になっているようです。

実はこの後のイラン当局の扱いが、またひどいんです。
ネダさんの遺体は翌日、当局がデモ犠牲者のために割り当てたテヘラン南部の墓地に埋葬されました。
婚約者や親族は22日午後に、モスクでの追悼行事を計画したのですが、ネダさんがデモ弾圧の象徴的な存在になっているのを知った当局やバシジは、開催を認めなかったというのです。

下の画像は生前のネダさんの写真だそうですが、この幸せに満ちていた笑顔が、理不尽な銃撃により奪われたかと思うと、強い憤りを禁じえません。
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イランに急進的なアハマディネジャド政権が生まれた背景には、米国ブッシュ大統領の失政に原因があります。
それまで穏健な改革派政権にあったイランは米国とも友好的関係に向かいつつあり、ビン・ラディン掃討作戦にも協力的な立場でした。
その様相が一変したのは、ブッシュの「悪の枢軸」としてイランを名指しで非難したためで、裏切られたと捕えたイラン国内世論がアハマディネジャド大統領を誕生させました。
そうした経緯があるせいか、オバマ大統領は今のイラン情勢について、強いメッセージを発してこなかったのですが、6月23日の記者会見で、イラン大統領選をめぐる抗議デモ参加者への暴力的鎮圧を「不当な行為」と強く非難するとともに、イラン政府に対し「国際社会からの敬意を求めるのなら、自国民の権利を尊重し、意思を聞き入れなければならない」と要求しました。

1枚の画像、写真が国際世論を変えるというのは、過去にもベトナム戦争やコソボ紛争でも見られたことであり、今回のイラン少女射殺映像も、イラン政府への批判の流れを加速するものと思われます。

なお、イランの民兵組織バシジ(バスィージ)に関して、イラン在住の日本人の方のブログに書かれた記事の一部を紹介します。
【引用開始】
正直なところ、改革派学生が頑張っても、武器と「治安維持」の題目を国から与えられているバスィージには勝てないだろうと思います。軍は大統領によって利権をたっぷりと与えられ、離反する理由を持っていませんし、学生達が担ごうとしているムーサヴィー氏にしても、結局は体制の枠内にいる人ですから、その枠を越えて動くことはないでしょうし。
もちろん、学生たちの抱える不満はよく分かります。この数年、大学生たちと関わってきて、彼ら自身から常に聞かされています。
バスィージでなければ、あるいは体制に忠誠を誓っているように見せなくては就職口を見つけられない、あるいは事業を起こすこともむずかしい。賄賂が横行し、真面目に仕事をしようとする人ばかりがバカを見るような状況では、「何が自由・平等だ」と、革命政府のスローガンに反発を覚えるのも無理ないと思います。能力とは関係のないところで出世していく人を見ていたら、嫌になるだろうというのはよく分かります。
【引用終り】

このサイトは「イランという国で」という名称で、連日緊迫した現地の模様が掲載されていますので、興味のある方はご覧ください。

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