« 「鳩山捨てて西川とれば」麻生首相の決断の行方 | トップページ | 劇団大阪公演「親の顔が見たい」 »

2009/06/14

「トリオ・ディ・クラローネ」@トッパンホール

最近よく耳にする言葉に「草食系」「肉食系」というのがあるが、この分類でいえばさしずめ私など「雑食系」とでも言おうか。
とにかく何でも食べる、好き嫌いなしという訳だ。
今日も今日とて「クラリネットの演奏会? なんで又?」という家族の不審の声を背中に、6月13日トッパンホールの「トリオ・ディ・クラローネ」のコンサートに出向く。
ゲイジュツを理解しない人間に説明しても仕方ない。
室内楽の演奏はCDではよく聴くのだが、ライブを観る機会は少ない。オーケストラだと個々の楽器の音が取りにくく、今回はクラリネットの音色にシビレてこようという趣向だ。

管楽器の中で最もポピュラーなのはクラリネットではあるまいか。
かつてチンドンヤが町の中を練り歩いていたが、クラリネットは必須アイテムだった。子どもの頃見たサーカスには必ずジンタと呼ばれる演奏が流れていたが、そこでもクラリネットが主役だった。
昭和9年に流行した(生前ですけど)「サーカスの唄」の3コーラス目にもこの楽器の名前が出てくる。
「サーカスの唄」より
♪朝は朝霧 夕べは夜霧
 泣いちゃいけない クラリオネット
 ながれながれる 浮藻(うきも)の花は
 明日も咲きましょ あの町で ♪
哀愁を帯びた音色というのが、庶民に親しまれたのだろう。
もちろんクラシックの世界でもクラリネットは大活躍である。

【演奏者】
トリオ・ディ・クラローネ
・ザビーネ・マイヤー(クラリネット)
・ヴォルフガング・マイヤー(クラリネット)
・ライナー・ヴェーレ(クラリネット)
コンラート・エルザー(ピアノ)
【プログラム】
メンデルスゾーン:コンツェルトシュトゥック第2番 ニ短調 Op.114
シューマン:3つのロマンス Op.94
シューマン:おとぎ話 Op.132
<休憩>
シューマン(J.ミヒャエルス編):5つのカノン風練習曲 Op.56
シューマン:幻想小曲集 Op.73
メンデルスゾーン:コンツェルトシュトゥック第1番 ヘ短調 Op.113
他にアンコール2曲

「トリオ・ディ・クラローネ」はザビーネ・マイヤーを中心としたクラリネット・トリオで、ヴォルフガング・マイヤーは兄で、ライナー・ヴェーレは彼女の夫という家族的な構成だ。
経歴を見ると、ザビーネ・マイヤーはカラヤンの招きでベルリン・フィルに所属していた時期があるが、彼女が初の女性団員だったとのこと。オーケストラ内部の確執や、彼女がソロにむいているなどの理由から短期で退団したようだ。
他の2人の奏者が椅子に座って静かに演奏するのに対し、ザビーネは立ったまま身体全体を揺らしてダイナミックに演奏する。

休憩時間の周囲の会話を聞いていると、殆んどの人がクラリネットを手にしたことがあるようで、私のような門外漢は少数派だったと思われる。
クラリネットのコンサートは初めてだが、その艶やかな音色にウットリしてしまった。
クラリネットが2本のときは、1本はクラリネット、もう1本はバセットホルンという楽器で、通常のクラリネットより4度低い音を出す。
このクラリネットとバセットホルンがある時は競い合い、ある時は協調し、ある時は会話を交わすという具合に、実に美しい音を響かせるのだ。
ピアノも素晴らしく、例えばメンデルスゾーンのコンツェルトシュトゥック第1番では、3者の技巧をこらした掛け合いが披露された。

こうしたコンサートで感じるのだが、一流の演奏家というのは例外なく姿・形が美しい。男女は問わずだ。
この日のザビーネ・マイヤーもそうだった。
例に出して悪いが、この度イギリス政府より男性のナイトに相当する「デイム」の称号が授与されることが決まったピアニストの内田光子さん、決して世間的にいう美人ではないが、その容姿は実に優雅で美しい。
こういう発見も、ライブの楽しみの一つである。

|

« 「鳩山捨てて西川とれば」麻生首相の決断の行方 | トップページ | 劇団大阪公演「親の顔が見たい」 »

音楽」カテゴリの記事

コメント

はじめまして。突然のコメントを失礼致します。
トッパンホールで譜めくりをしていた者です。
エルザー氏に師事したピアニストです。

コンサートのことを検索していたらヒットして、嬉しくなって思わずコメントさせて頂いております、私がお礼を言うのも変なのですが、書いて下さってありがとうございました!!!
このコンサートは7月頭にBSで放映されます。
エルザー氏はヨーロッパではとても有名な方ですが、日本での知名度は低いので、これをきっかけに日本での活躍してほしいです。

投稿: サチコ | 2009/06/17 08:18

サチコ様
コメント有難うございます。
譜めくりをされるのもピアニストの方だと初めて知りました。
一度、ソプラノ歌手のコンサートでひどいピアニストに出会い、こうした演奏会では伴奏のピアニストの技量は重要なんだなと、その時自覚したしだいです。
コンラート・エルザーの演奏は素晴らしかったですね。コンサート全体が盛り上がったのも彼の力が大きかったと思います。

投稿: home-9(ほめく) | 2009/06/17 11:44

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/82117/45333966

この記事へのトラックバック一覧です: 「トリオ・ディ・クラローネ」@トッパンホール:

« 「鳩山捨てて西川とれば」麻生首相の決断の行方 | トップページ | 劇団大阪公演「親の顔が見たい」 »