二階俊博経業相に新たな献金問題
海洋ゼネコン(通称マリコン)は、ゼネコンの中でも特に海洋土木・港湾施設建築工事を中心とする建設業者のことを指すが、国土交通省(旧運輸省)港湾局といった官公庁からの受注工事が多い。主な企業として五洋建設や東亜建設工業などがある。
このマリコンが作ったダミーの政治団体に「さんそう会」というのがある。2005年までは「港栄会」という名称だったが、団体の所在地が会計責任者宅、先の五洋社や東亜社の役員・顧問が歴代代表をつとめる典型的なトンネル団体だ(ゼネコンだけにトンネルは得意)。
この政治団体から2000-2007年の8年間に、自民党運輸族議員を中心に2億8千万円が献金されている。
なかでも、二階俊博経済産業相の政治団体「新しい波」への4000万円、泉信也元国家公安委員長の政治団体と政党支部への5150万円が突出している。
実は、二階俊博が代表をしている「新しい波」の事務総長が泉信也という関係になっているのだ。
二階、泉両議員関係への献金の大半が2003年以降なのだが、この2003年というのが、二階俊博が保守新党(当時)から自民党に合流した年になる。二階はこの年、保守新党時代の政治団体「保守新党政治協会」を「新しい波」へと改称し、会長に就任している。
2003年の「港栄会」から「新しい波」への3000万円資金提供は、実質的には自民党二階派の旗揚げ資金ではなかったのかとの疑惑がもたれる。
そうか、海洋ゼネコンの資金で結成したから「新しい波」だったのかと、突っ込みを入れたくなる。
二階俊博はかつて運輸大臣をつとめたことがある典型的な運輸族議員だ。海上に人工島を造った関西空港の建設では大きな影響力を持ったと言われている。
献金の経緯について、「さんそう会」関係者は「要請があったから献金した。こっちから『金が余っているから引き取ってください』と、言うはずがない」と二階氏側が持ちかけた献金だったことを認めているそうだが、当たり前の話だ。
誰が好き好んで大金を他人に出すものか。見返りがなければ誰も出さない。
二階俊博はかつて小沢一郎の盟友であった。
そのせいか、手口がそっくりで、まるで「ミニ小沢」である。
二階大臣への西松建設からの献金問題では未だ捜査が続いているようで、これに加えて今回のマリコン献金問題。きっと、心の休まる日はないだろう。
さあ、検察の皆さん、頑張って!
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