三越納涼寄席(7/4)@三越劇場
梅雨の中休みだろうか、久々に青空が顔をのぞかせた7月4日、三越落語会特別企画の「三越納涼寄席」に出向く。
中高年の女性の姿が多く、寄席というよりは明治座に近い客層だった。同じ演芸でも、小屋が違えば客も違ってくるのが面白い。
仲入りに25分間とたっぷりの時間をとり、終演時間も午後4時と、いずれも三越で買い物をして貰おうという商魂ありあり。
どれもネダ出しで、納涼寄席にふさわしい演目が選ばれていた。
【番組】
前座・柳家小んぶ「子ほめ」
三笑亭可龍「粗忽長屋」
五明楼玉の輔「辰巳の辻占」
柳家三三「藪入り」
~仲入り~
ロケット団「漫才」
柳家花緑「竹の水仙」
こうした落語会には珍しく前座が開演前に上がって一席伺ったが、これは良い。他の会でも見習って欲しい。
可龍は、粗忽だが対照的な2人の演じ分けに不満。その分、平板な出来になってしまった。
玉の輔は「辰巳の辻占」、筋が「星野屋」と良く似ているせいか高座にかかる機会が少ないが、オチはこちらが洒落ている。
女郎に色気が欠けていて、薄い出来となった。
玉の輔はそろそろ中堅どころとして活躍しなければいけない位置にいるのだが、足踏みをしている。
三三の「薮入り」、しっかりとした語り口の中に親子の情愛が描かれていて、途中無神経な携帯電話の呼び出し音による中断があったにもかかわらず、良い出来だった。
この人は近ごろすっかり風格が出てきた。
将来は圓生のような芸風の大看板に成ることを期待している。
長めの仲入りの後、ロケット団が相変わらずのネタで場内を沸かす。
トリの花緑の「竹の水仙」だが、本来の語り口そのままに演じた方が良かったのではなかろうか。
花緑の語りは人情噺にむいており、このネタの中でも甚五郎が宿の主に金を渡しながら、これからも泊り客には親切にして上げてくれと頼むシーンは心を打つ。
それだけに、急に言葉使いが現代風になったり、余計なクスグリを入れ過ぎたため、このネタのゆったりとした風格が損なわれた感がある。
顔ぶれの割にはやや物足りなさが残る落語会であった。
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コメント
> 途中無神経な携帯電話の呼び出し音による中断があったにもかかわらず、良い出来だった。
登場人物の台詞に入れてたしなめた、と本日「黒門亭」で話していました。ちなみに本日は「明烏」。人物描写が巧みでした。これは演じ分ける、という意味ではありません。うまく言えないんですが、落語の登場人物として登場してくる、と言ったらいいでしょうか。真面目な息子をお籠り(嘘の)に遣る母親の怖い顔など、大受けでした。
投稿: 福 | 2009/07/05 21:16
福さま
ご指摘の通りで、倅が帰ってきた山場に携帯が鳴り出し、気がつかないのかなかなか鳴り止まない所に、別のもう1台が鳴り始めたわけです。
咄嗟に親父のセリフを借りてたしなめていましたが、「談志なら裁判になる」ときつい言葉をかけていました。
こういうネタは客が感情移入している最中に「素」に戻らされるため、再度立て直すことになります。
演者も客も興をそがれて不愉快な思いをするので、実に迷惑なはなしです。
投稿: home-9(ほめく) | 2009/07/05 23:29