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2009/07/02

「春歌」は文化

先日の「鈴本四騎の会」の記事に書いたように、柳家喬太郎が行きつけの飲み屋の主に面白い歌を教わったというんで披露したのが、あの有名な「ゆうべ父ちゃんと寝た時に」だったのは、チョット驚きました。私の認識では、日本の成人男性であれば大半の人が知っていると信じていたからです。
近ごろは「春歌」が巷間で歌われなくなってきてしまったのでしょうか。

「春歌」ったって、別に春の歌じゃないですよ。「猥(ワイ)歌」ともよばれる、簡単にいえば歌詞にヒワイな言葉や表現が含まれる歌とでも定義しておきましょう。
かつて春歌は宴会には欠かせないアイテムでした。
文書に残すような性格のモノではなく、人から人へ伝えられ耳で覚える歌ですから、いうなれば「口伝」あるいは「相伝」みたいなモノです。

ではどんな歌があるのかですが、春歌は大きく三つに分かれます。
(1)昔から民謡として唄い継がれたもの
(2)お座敷で芸者や幇間が唄ったもの
(3)宴席などで一般の人々により唄われたもの
ここでは(3)に分類される代表的な作品を、下記にピックアップしてみました。
本来は全ての歌詞をご紹介したいのですが、そうすると当ブログの品格を著しく傷つけてしまうので、ごく一部のみ書いておきます。

「青い山脈」の替え歌:♪早くしないとママーが来る♪
「ヨサホイ節」:♪ひとつでたホイノヨサホイノホイ♪
「よかチンチン」:説明不要、踊りが付く。
「東京音頭」の替え歌:♪桜踏み分け真ん中に♪ 
「アルプス一万尺」の替え歌:♪上に乗鞍 槍ヶ岳♪
「娘十七八」:♪エンヤラヤの声聞きゃ歌い出す♪
「真っ黒けのけ」:♪お嬢さん ブランコ乗りもいいけれど♪
「軍艦マーチ」の替え歌:♪せ・せ・せがれの七不思議♪
「めんこい仔馬」の替え歌:♪ゆうべ父ちゃんと寝た時に♪
「雪」(童謡)の替え歌:♪男は萎んで丸くなる♪
註)歌詞は他にも多数のバリエーションがある。

企業の忘年会や歓送迎会、農村の青年団の集り、学生のコンパなど、男が集まる酒席では必ずといって良いほど春歌が唄われていました。一種のワークソングだったと言っても良いでしょう。
もちろん会社の宴会などでは、女子社員も一緒に合唱することも珍しくはなかった。少なくとも、春歌を聞いて怒り出す女性はいなかったですね。
大事なことは列席者が円く車座になって、みんなで手拍子をとり唱和することでした。
これによって組織やグループ内に連帯感が生まれ、コミュニケーションの成立に寄与していたのです。

最近になって春歌が唄われなくなったとしたら、それは次の理由からでしょう。
(1)宴席で大勢の人が一同に車座になるという光景自体が少なくなってきた。少人数のグループに分かれて座ったのでは、春歌は盛り上がらない。
(2)女性が同席していると、セクハラだのなんだのとヤカマシイ問題が起きかねないので、唄うのを避ける。
(3)宴席や二次会で唄うのはカラオケが主体となった。つまりカラオケ文化が春歌の文化を駆逐した。

大衆文化として存立の基盤を失ったとしたら、やがて春歌は時代の波と共に消え去ってゆくのでしょう。
年配者のノスタルジーとしてのみ残る運命なのでしょうか。

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