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2009/07/07

「京教大集団強姦事件」警察と検察は正しかったのか

京都教育大学の学生による集団準強姦事件は、不自然とも思える形で一応の決着を見たが、世の中の関心はなお続いているらしく、当サイトの関連記事にも日々コンスタントにアクセスがある。
当ブログでは当初から大学側の対応は概ね妥当だったと主張していたが、ネットの世界では少数意見である。
実はこの記事をエントリーした際に、かなりの批判が寄せられることを覚悟していたが、アクセス数の多さに比べ、批判のコメントは僅かだったのはむしろ予想外だった。
先日、この記事にコメントが寄せられ、それに対するレスという意味を含めて、この事件の再論をしたいと思う。

ネットの主張の多くは、一部の加害者擁護論を除けば、学生6人が逮捕された際のマスコミの報道(つまり警察発表)内容が100%正しいことを前提としている。
次いで、批判の矛先の大部分は京都教育大学側の事件への対応に向けられているという特徴がある。
しかし私は、もしマスコミの報道が正しいとするならば、批判されるべきは警察と検察の捜査機関ではないかと考える。
(1)京都府警の捜査
被害者の家族が警察に被害を通報してから容疑者の逮捕までに、なぜ2ヶ月間もかかったのだろうか。
それに対して大学側は、家族からの訴えがあって1週間後には処分を決めている。この警察の捜査の遅れこそ問題にすべきではなかろうか。
今回のような集団による事件では、逮捕が遅れればそれだけ証拠隠滅や口裏合わせが容易となり、加害者側に有利な情報の流布や被害者への圧力も可能になる。
場合によっては容疑者の逃亡や自殺という可能性も出てくるので、身柄拘束は迅速にやらねば意味がない。
しかし不思議なことに、ネットの世界で事件を厳しく糾弾している人たちの多くは、この警察捜査の遅れをあまり問題にしていない。
仮に警察の捜査に問題が無いとするならば、それはこの事件がそう単純なものでは無かったことを認めることになりはすまいか。
(2)京都地検の処分
6月1日 容疑者6人を逮捕。
  22日 容疑者全員否認のまま釈放
  26日        を不起訴と決定。なお起訴猶予か嫌疑不十分なのかは公表せず。
この京都地検の処分には、多くの人が驚いたと思う。
今まで報道されていた内容と処分の落差が、あまりに大きかったのだ。
集団(準)強姦事件というのは極めて重罪で、しかも親告罪ではない。
取り調べの中で容疑者全員が罪を認め深く謝罪し、再犯の可能性も低いと判断されたのならともかく、容疑者全員が一貫して否認している中で、釈放後に被害者との示談が成立したから不起訴にするとは、あまりに常識外れではなかろうか。
こうした事件では捜査機関は容疑者に対して極めて苛烈であることは、冤罪の疑いの強い「御殿場事件」での警察と検察の対応をみれば分かる。それが普通なのだ。
しかもプライバシーを盾に、起訴猶予か嫌疑不十分なのか公表もしない。これは一体どういう事なのだろう。
処が、ネットであれだけ加害者を卑劣な強姦魔などと書き立てていた人たちの中から、意外や検察への批判の声は小さい。
これも検察の処分を適正と認めるのなら、事件の報道の信憑性に疑いが持たれることになる。

なぜこの事件では、警察や検察の捜査・処分がヌルク、アイマイだったのか、先ずそっちを検証すべきではなかろうか。大学側の対応は次の問題だと考える。
犯人を捕まえて監獄に入れるのは警察や検察の仕事であり、大学の仕事ではない。

もう一点付け加えるならば、性的暴行事件の場合、事件を告げられた人が先ずやらねばならないことは、秘密を守ることだ。
直ぐに警察に通報などと簡単に言える人は、周囲にこうした事件に遭遇した経験がないからだろう。
犯罪の申告率といって、被害にあった中でどれ位の人が捜査機関に届け出たかの割合を示す数値があるが、性的暴行事件では平成16年のデータで15%を切っている。つまり被害者の7人中6人は被害届けを出していないことになる。
これが平成12年以前では1割未満という数字になっている。
正義感だけでは割り切れない問題が、この種の事件には横たわっている。

【追記】
本事件容疑者6人に対する検察の処分について、引き続き意見が寄せられている。この件で当方の見解は『「京教大事件」記事への補足 』という記事に明記しているので、参考にして頂きたい。

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ニュース」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。
起訴猶予処分ですよ。

>起訴猶予処分ですよ。
ニュースソースはどちらから得たものでしょうか?

一般の報道では、例えば下記の時事通信の記事のように伝えています。
「京都教育大の男子学生が女子学生に集団で暴行したとされる事件で、京都地検は26日、集団準強姦(ごうかん)容疑で逮捕され、処分保留で釈放した6人を不起訴処分にした。嫌疑不十分か起訴猶予かについて、地検は『今後の6人に対する大学の指導に影響を与える』として、明らかにしていない。」
(時事通信2009/06/26-21:14)

先程のコメントに付け加えますと、22日に容疑者6人が釈放された段階では、各報道機関は一斉に「釈放、起訴猶予処分へ」という見出しを打っていました。
しかし26日の処分は、先に引用した通りであったと承知しています。
また、どちらの場合も「起訴されない」という法的利益は同じですが、起訴猶予の場合は前歴として記録されます。

ご自分で京都教育大学に電話するとはっきり「起訴猶予です」とコメントいただけるそうです。ご確認ください。

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20090627k0000m040099000c.html

起訴猶予処分のようですね。
刑事事件であり、世間の関心も高い重大事件の処分内容が公表されないのは私も納得がいきません。

ご教示有難うございます。
早速大学に電話して確認しました。
内容は親記事に加筆する予定です。

http://www.asahi.com/national/update/0622/OSK200906220070.html

起訴猶予です。
ぐぐれば各新聞社のソースがいくらでも出てきますが…?
誤りの上に自説を立てても無意味ですよ。

すみません、お願いなのですが
御自分でも起訴猶予処分と確認とれましたら、
なるべくはやく近日中に、記事訂正等の
措置お願い致します。

起訴猶予であるという見方が適当です。その意味がクローズアップされてからの回答を避けただけでは無いでしょうか?
示談が無ければ公判請求する方針だったという事もマスコミに発表しています。問題は指摘の通り捜査の遅れと学校の処置の不手際 加害者グループの被害者に対する異常な圧力 教育業界の閉鎖性 体育会と自治会の関与 加害者と関係者の組織的連携 が浮き彫りになり 驚く事に1ヶ月経った今も本人や関係者と見られる書き込みが熱心にされて被害者の中傷が続いている事です。
100人以上もの間接的関与が戦慄を呼んだ女子高生コンクリート殺人事件の後で 加害者の一部が被害者の墓石を破壊した等という噂もありますが 生真面目に見えるところだけを取り繕ってもみ消そうとしている様子が図らずも当人達の手で色々と痕跡が残されてしまった。

 見るものが見たら明らかな被害者への圧力と
示談交渉の成立に加えて不起訴処分被害者への口止め工作というあからさまな集団リンチ的示威行為を行った事が大変な汚点を作った。
モンスターペアレントなる造語で ゆとり批判をかわしたが、再び教師の犯罪に注目が集まる事になった。

下のコメントについて。
起訴猶予処分であったかどうかは、親記事への補足に当方の見解を明記しており、決して回答を避けてはいなので、その点を先ず申し上げておきます。
今後は追加記事を読んでからコメントされるようお勧めします。
クドイようですが、ハンドルネームも忘れずに。
「示談が無ければ公判請求する方針だった」という地検の話は信用出来ません。
6人の容疑者を釈放した段階で、検索は既に起訴猶予処分をほのめかしており、地検のエクスキューズないしは後講釈ではないかと想定しています。
この事件は、未だに加害者を糾弾する意見と、被害者を批判する意見が闘わされています。しかし
(1)被害女性は一人だけで、酒に酔った状態(泥酔かどうかは不明だが)であったこと。
(2)容疑者の中の4人は性行為を求めていること。
(3)行為が飲食店の中の空き部屋で行われ、出入り口が閉められていたこと。
から客観的に見れば、集団準強姦の疑いが極めて濃いと思われます。
まして被害者と加害者の言い分が大きく食い違っているわけで、公判請求すべきでした。
結局、警察と検察がグルになって事件にフタをし、容疑者を実質的に無罪放免にしたというのが、この事件の結末だったと私は考えます。

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