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2009/08/14

吉例夏夜噺「さん喬・権太楼」特選集(8/13)@鈴本

鈴本演芸場のお盆公演は「鈴本夏まつり」と題して、夜の部は「さん喬・権太楼特選集」を恒例にしている。もう10年以上、それとももっと以前からだろうか。
落語協会の二枚看板が揃ってネタ出しでの公演は人気番組で、8月13日も満員だった。妻と一緒の寄席というのは、1年ぶりかも知れない。
古今亭志ん朝が存命だったころは、浅草演芸ホール昼の部で「住吉踊り」を観て、地下鉄で上野に駆けつけると、ギリギリ鈴本の夜の部に間に合った。それでも当日売りで入場できたのだから、今では隔世の感がある。
このお盆と正月の寄席というのは、客席も何となく華やかだ。

=8月13日の番組=
・柳家我太楼「子ほめ」
・三増紋之助「曲独楽」
かつては独楽回しの芸人というのは無口で静かだったが、この人で随分とイメージが変った。いつもながら手捌きの見事さには感心する。
独楽を立てる棒も夏向きに飾られ、季節感があって良かった。伝統芸といえども、こうした見せる工夫は必要だ。
・橘家圓太郎「浮世床」
圓太郎という噺家は実に上手い。本寸法だし、何をやらせても水準を行っている。この日のネタでも、講談本を読む人物の表情だけで、場内を沸かせていた。
実力の割に人気がいま一つなのは、芸が地味なせいだろうか。
・ロケット団「漫才」
今日はサッカー・ヴァージョンで。
・古今亭菊之丞「町内の若い衆」
ここでこういう艶笑譚風のネタを入れたのは、気が利いている。
客に一息いれさせるのも芸の一つだ。
・柳亭左龍「粗忽長屋」
・鏡味仙三郎社中「太神楽曲芸」
・橘家文左衛門「ちりとてちん」
ウーン、鈴本のお盆興行の中トリに文左衛門ねえ、しかも「ちん」。
でも客席は大笑いしていた。

~お仲入り~
・柳家紫文「三味線漫談」
・柳家さん喬「明烏」
マクラでこのネタは年に一度位しかやらないのでと言っていた。マクラがやや長めになったのは、ネタに入り込むのに時間がかかったようだ。
さん喬の高座は完全ノーカット盤で、演出も丁寧。
登場人物の時次郎、源兵衛と太助、日向屋半兵衛、茶屋の女将の人物像がクッキリと描かれていて、ここ数年聴いた「明烏」ではベスト。
・林家正楽「紙切り」
この紙切りという芸だが、もしかして世界中で日本だけの芸だろうか。海外でやったら驚くだろうなと思った。
・柳家権太楼「不動坊」
元々が上方落語の代表的ネタで、これを東京に移し変えたものだが、やはり本家の面白さにはかなわない。
長い割には笑いが取り難いネタで、高座にかかる頻度も少ないのだが、権太楼の手にかかるとこれが爆笑落語になるからスゴイ。
チンドン屋の太鼓で幽霊が踊り出す演出が秀逸。
権太楼の力技の一席。

色物を含め、とても充実した高座だった。
妻もすっかり喜んで、「月に一度は寄席に来たいわねえ」と言っていたが、それはチョット困る。
だって、時には落語家が白粉つけて待っていることだってあるんですもの。

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コメント

実は僕も13日に鈴本に行きました。昼の部ですが。三三の「悋気の独楽」に陶酔、マクラ(近況報告と嫉妬の小噺)からサゲまで一切弛緩することなく語りました。
> 古今亭菊之丞「町内の若い衆」
昼は正朝が独特の庶民感覚で「町内の若い衆」を演りました。
夜も観れば、比較できたんですが。

投稿: 福 | 2009/08/15 06:58

福さま
コメント有難うございます。
三三の進歩は目を瞠るものがあります。真打に成り立てのころの「ミミと読まないで」などと言っていた時代が信じられません。女形に色気が出てきました。
正朝は私も好きな芸人です。本格派で芸風が明るいのが良いですね。
菊之丞とは又違った良さがあったでしょうね。
ただ近ごろのお盆興行の出し物に、季節感が薄れてきたのは残念です。

投稿: home-9(ほめく) | 2009/08/15 11:51

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