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2009/08/29

警察は相変わらず身内に甘い

飲食店の客として警察官が嫌われるのはガラが悪いということもあるが、時にタカリがあるからだ。
風俗営業や駐車違反をお目こぼしするかわりに、飲食や女性のサービスをタダにするというのは、よく耳にすることだ。
その程度はと放置していると、こんな事件にまで拡がるのだろうか。

8月28日、警視庁組織犯罪対策5課の伊藤達也警部補(51)を懲戒免職にしたが、こういう経緯だ。
伊藤警部補は2002年2月から、巡査部長として神田署生活安全課に勤務していた際、風俗店に立ち入り調査をしたのがきっかけで、この店の経営者である中国人の女2人と知り合った。
これがきっかけで、伊藤達也は2002年秋~2008年6月にかけて、2人に計9店舗の開業・改装資金2千数百万円を出資し、今年の4月までの間に各店の売上金のうち数千万円を受け取ったというものだ。
また伊藤警部補は、2007年8月に知人男性から無償で譲り受けた口座に、売上げの一部を入金させていた。

違法な風俗営業を行い、しかも相手の女が中国国籍となれば、伊藤達也は完璧に相手の弱みをにぎることができた。まさに願ってもないチャンスである。
取り締まりを見逃がすのと引きかえに、出店をそそのかして出資したものだろう。
女の方もバックに警察が付いていれば、安心して違法行為を続けられる。
お互いにベリー・ハッピーだった。
ヤバくなって、いち早く伊藤警部補殿から連絡を受けた女2人は中国にトンズラしたという、実に分かり易い展開である。
2千数百万円の出資で数千万円を受け取る、こんなウマイ話はあるわけがない。
誰がどう見ても、これは実質的に賄賂である。

ところが警視庁は、伊藤達也が知人から口座を譲り受けたという、本人確認法違反容疑で東京地検に書類送検しただけで済ましてしまった。
なぜ警察は伊藤警部補を収賄で逮捕しないのか。
ここから先は推定であるが、一つは伊藤が得ていた収益の一部が、なんらかの形で上司に還元されていたのではなかろうか。
こうした不正を続けている最中に、伊藤達也が巡査部長から警部補に昇進しているのも、その辺りに理由がありそうだ。
つまり伊藤警部補を収賄罪で取り調べができないのは、それなりの事情があるのだろう。

一方、東京地検は同じ日に、違法風俗店経営の韓国人の女から立ち入り調査の対象から外す見返りに67万円を受け取ったとして、元神田署生活安全課巡査部長の林隆貴容疑者(46)を収賄罪で起訴したと発表した。同庁は同日、林容疑者を懲戒免職にした。
こちらは数十万円でも収賄罪である。
伊藤と林は、神田署時代に保安係の同僚だった。しかも林が受け取っていた金は、伊藤から譲り受けた他人名義の口座に入金されていた。
ということは、この二つの事件は組織的犯罪の疑いもある。

林隆貴容疑者はこの他に、数百万円の金を風俗営業者から受け取っていたが、驚くべきことに「金の趣旨が解明できない」という理由で立件せず、こっちは無罪放免だそうである。
趣旨は賄賂に決まっているだろう。
こんなことだから、警察は身内に甘いと言われるのだ。

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