酒井法子にみる「逃げ得」社会
昔から「三十六計逃げるに如かず」ということわざがあり、辞書によれば「作戦はいろいろあるが、逃げるべきときには逃げて身の安全を保ち、のちの再挙を図るのが最上の策である。」とある。
この教えは、どうやら現在も立派に通用しているようだ。
日々膨大な情報がマスコミを通じて流されているにもかかわらず、覚せい剤取締法違反(所持)容疑で逮捕されている酒井法子容疑者が、どうも不起訴(起訴猶予)となりそうな気配らしい。
捜査関係者や法律専門家の見通しとして、ここ数日いくつかのメディアが伝えている。
なぜ不起訴になりそうなのか、そのポイントは三つあり、いずれも物証に乏しいというのが理由だ。
(1)覚せい剤は1回の平均使用量が約0.03グラムとされ、起訴される事件の多くはそれ以上の分量を所持したケースである。酒井容疑者の自宅から押収された覚せい剤の量は0.008グラムと微量であり、通常なら不起訴となるケースである。
(2)覚せい剤の使用を立証するには尿検査が一番の決め手となるが、逮捕後の尿検査の結果、覚せい剤反応は検出されなかった。
(3)吸引に使っていたみられるパイプやストローの付着物のDNA型が酒井容疑者の型と一致したが、DNA鑑定や毛髪鑑定では使用の時期が特定できず、そのため公判維持は難しい。
酒井法子が夫の逮捕後逃げ回り、尿検査に引っ掛からないことを見越してから出頭し、思惑どおり検査にパスしたということだ。
日ごろから覚せい剤を常用していれば、その程度の知識はとうに持っていたはずだ。
酒井容疑者が逮捕の翌日からスラスラと自供しているのも、弁護士からの入れ知恵だろうが、起訴はされないとタカを括っているからだろう。
警察も検察もなめられているのだ。
不思議なのは、酒井法子が行方をくらましていた理由を「夫の逮捕で気が動転したから」と供述し、捜査関係者もその言い分を認めていることだ。
もし夫が逮捕されたとしたら、普通の母親であれば一番に子どもを守ることを最優先させる。自分の父親が警察に捕まるというショックは極めて大きく、そういう時こそ母親は子どもをしっかりと抱きしめて励ましていく、それが人の道というものだ。
それを親族でもない知り合いにあずけて逃げ回るとしたら、覚せい剤を使用の証拠隠滅のために逃亡し時間を稼いでいたとしか考えられない。
酒井法子は、人間の道を踏み外している。
酒気帯び運転で事故をおこした人間が逃げて、アルコールが抜けたころを見計らって出頭してくるケースが多いが、今回の酒井法子の手口はこれと同じだ。
もし「逃げ得」や「逃げるが勝ち」で不起訴になったり減刑されるようなら、法律が社会規範や道徳を壊すことになる。
そんな世の中にして欲しくない。
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